オダギリジョー監督「苦しいことのほうが多かった」豪華キャスト・スタッフで挑んだ長編初監督作品『ある船頭の話』

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ライター:BANGER!!! 編集部
オダギリジョー監督「苦しいことのほうが多かった」豪華キャスト・スタッフで挑んだ長編初監督作品『ある船頭の話』
『ある船頭の話』オダギリジョー監督

 

俳優オダギリジョーが、かねてから親交の厚い巨匠クリストファー・ドイル(『恋する惑星』『花様年華』『ブエノスアイレス』)を撮影監督に迎え、時代の変化に翻弄される一人の船頭の姿を美しい映像で紡いだ長編初監督作品『ある船頭の話』。2019年9月13日(金)公開の本作について、オダギリ監督にクリストファー・ドイルとの出会いから制作にいたるエピソード、作品に込めた想いを語ってもらった。

『ある船頭の話』© 2019「ある船頭の話」製作委員会

「川面をクリスの独特の切り口で表現してくれると確信があった」

―クリストファー・ドイル監督作『宵闇真珠』(2017年)に出演した際に、ドイルの自由でクリエイティブなところに刺激を受けたとおっしゃっていました。

あの作品でクリスとモノづくりができて、それがすごく刺激的だったし、また彼と何かをやりたいなと思ったが、この作品の出発点ではありました。完成した『宵闇真珠』を観た時、水面を撮っている画に目を奪われたんです。とにかく綺麗で、クリスらしい水面の捉え方を感じたんですね。河と舟しか出てこないストイックな物語でも、クリスの水の捉え方で、ヴィジュアル的な見応えは作れるだろうなという確信のようなものがあったので、彼とやるんだったらこの作品で勝負したい、というところからスタートしましたね。

(左)クリストファー・ドイル、(右)オダギリジョー監督『ある船頭の話』© 2019「ある船頭の話」製作委員会

―脚本はすでに10年前に書かれていたとお聞きしました。

えぇ。当時、趣味のように脚本を書いていたので、いろんな作品が残っていて。(この作品は)ほぼ9割ぐらいは出来上がっていたのですが、今の時代とか10年の自分の変化とかを含めて書き足したり、改稿作業を2か月くらいやってましたかね。

『ある船頭の話』© 2019「ある船頭の話」製作委員会

「観てくれる方がそれぞれに捉えて完成させる、それが面白い映画なんじゃないかと思う」

―長編作品の監督は初めてでしたが、映画をつくる嬉しさ、楽しさはありましたか?

いやぁ、正直嬉しさや楽しさはなかった感じないですね。とにかく自分が描きたいモノと、自分が書いた台本をどうやったら映像化できるかということに一生懸命になっていたので、ほとんど苦しいことのほうが多かったと思います。

『ある船頭の話』© 2019「ある船頭の話」製作委員会

―完成した作品を観てからは安心できましたか?

いやいや、いまだに全然、安心もできてないです。観る方々がそれぞれ勝手に完成させてくれると思うんですよ、それが面白い映画なんじゃないかと思うので。この作品は何か答えを渡すようなものではないし、いろんな方がいろんな風に捉えられるように余白の多い作り方をしています。本当に観ていただく方それぞれで違う印象を持つだろうし、違う答えを持って帰るタイプの作品だと思います。僕はそのきっかけを作っただけで、後は観てくださる方が自由に完成させてくれればいいなと思います。

『ある船頭の話』© 2019「ある船頭の話」製作委員会

―今回、クリストファー・ドイルさんのほかにも衣装のワダエミさん、音楽のティグラン・ハマシアンさんといった世界的に有名な方が参加されていますが、オダギリさんが声をかけたのでしょうか?

そうですね。自分にとっても大切な作品だったので、この人だったら素晴らしい共同作業ができるだろうという方々に、それぞれお声がけしました。

『ある船頭の話』© 2019「ある船頭の話」製作委員会

―最後に、公開を楽しみにしている観客にメッセージをお願いします。

この作品は、劇場の大きなスクリーンで観るための絵作りをしていますし、編集も大きなスクリーンで観るための編集になっています。中でも音のつけ方で、劇場の5.1ch音響を活かすように音を配置してあるので、映画館でしか、その臨場感やこの作品の良さは伝わらない作りになっているんです。ですので、ぜひ劇場で観てもらいたいと思います。DVDとかタブレットや携帯で観ると全く面白くないと思うので(苦笑)、少しでもいい環境で観てください。よろしくお願いします。

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『ある船頭の話』は2019年9月13日(金)より新宿武蔵野館ほか全国公開

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『ある船頭の話』

明治後期から大正を思わせる時代、美しい緑豊かな山あいに流れるとある河で、船頭のトイチは川辺の質素な小屋に一人で住み、村と町を繋ぐための河の渡しを生業にしていた。ある日、トイチは流れて来たのは一人の少女を助ける。少女の存在はトイチの孤独を埋めてくれるが、その一方でトイチの人生を大きく狂わせてゆくことになる。

制作年: 2019
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