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「ポップな性教育アニメ」で世界を二度見させた鬼才監督、新作はNetflixの“多重苦”サメ映画『猛襲』

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ライター:#BANGER!!! 編集部
「ポップな性教育アニメ」で世界を二度見させた鬼才監督、新作はNetflixの“多重苦”サメ映画『猛襲』
Netflix『猛襲』独占配信中

ノルウェーの鬼才監督が挑むサメ映画『猛襲』

Netflixの新作映画『猛襲』が4月10日より独占配信中。まるでディザスター映画のような始まり方をする本作だが、予告動画のサムネ等から「サメ映画」であることはお気づきだろう。監督はノルウェー出身のトミー・ウィルコラ。『処刑山 -デッド・スノウ-』(2009年)や『ヘンゼル & グレーテル』(2013年)などのホラー~アクション映画で知られる気鋭監督だ。

 

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ウィルコラ監督といえば、デヴィッド・ハーバー主演のクリスマス・バイオレンス『バイオレント・ナイト』(2022年)も記憶に新しいが、やはり今年2月に日本でも公開されたアニメ『スペルマゲドン 精なる大冒険』のインパクトは絶大だった。スリラー系のイメージが強い監督だけに、ポップな絵柄で性について真正面から描くアニメは映画ファンの意表を突きつつ、しかし端々に込められたバカバカしさや毒っけは確かにウィルコラ作品ならではであった。

そんなウィルコラ監督の最新作がサメ映画になるという情報はうっすら耳にしていたが、まさかのNetflix世界独占配信に、またしても驚かされた。とはいえ本作は当初、劇場公開が予定されていたという。それがNetflixに売却されたということは、どう宣伝するべきか判断できなかったか、単純に出来に満足できなかったか、あるいはその両方か、いくつかの理由が考えられるが……。

Netflix『猛襲』独占配信中

『猛襲』はどんな仕上がり? あの“ワニ映画”と共通点あり

『猛襲』の舞台は、カテゴリー5のハリケーンが襲来し壊滅的状況にある海辺の町。急激な増水によって多くの家屋が深刻な浸水状態となり、住民たちはパニックに陥る。しかし、ハリケーンがもたらしたのは災害による破壊と混乱だけでなく、飢えたサメたちの襲撃という絶体絶命の恐怖だった――。

Netflix『猛襲』独占配信中

多くの人が、2019年の傑作ワニ映画『クロール -凶暴領域-』を想起するだろう。実際まんまというか、基本設定や導入部分に関してはほぼ同じだ。通常は海や沼に近づかなければ無縁の危険生物と、不特定多数の人間を対峙させるには自然災害を起こすのが手っ取り早い、というのは理にかなっている。

しかし、アレクサンドル・アジャ監督が開始早々デカいワニを主人公にぶつけた『クロール』とは異なり、本作は登場人物たちの人間ドラマに時間を割く、ある意味リッチな構成。自然災害に翻弄される住民たちの姿をそれぞれ追うことで未曾有の規模のハリケーンであることをしっかり見せつけ、そこに凶暴なサメをぶつける、という“多重苦”パニックだ。

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豪華キャストにトンデモ展開! クセモノ監督らしい独自視点も

どう見ても臨月の妊婦をパニック要員として登場させるあたりはウィルコラ監督らしく、それを序盤最大の見せ場=最初のサメ被害につなげるという意地の悪さにハラハラさせられる。序盤でチラ見せした主人公の悲しい背景が逆に緊迫感にブレーキをかけてしまっているのがやや残念だが、ここはZ世代な主人公の“覚醒”を見せたかったのかもしれない。

むしろクズい里親のもとで暮らしている幼い3人きょうだいのパートに見どころが多く、あまりにも手探りすぎるサバイバル術は思わず握り拳のアツさ。とはいえ主人公&妊婦チームも息苦しいほどヤバい状況に直面させられるので、中盤以降はまったく気が休まらない。しかも、そんなタイミングでポップカルチャー由来のジョークをぶち込んでくるものだから、どうリアクションしたものか困惑してしまう。

Netflix『猛襲』独占配信中

なお主要キャストはなかなか豪華で、2021年版『ゴシップガール』に主演したウィットニー・ピークが主人公のダコタを、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014年)などのMCU作品で知られるジャイモン・フンスーが彼女の叔父を、そして人気ドラマシリーズ『ブリジャートン家』(2020年~)のフィービー・ディネヴァーが妊婦役を演じる。かれらが物語を中と外から牽引してくれるので安定感があり、ブツリと終わらせず最後の最後までちょっとした見どころも用意している。

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昨今は“サメ映画”というだけで冷笑気味というかバカにしたような態度で論じられる傾向があるが、アニマルパニック映画はB級前提の超低予算作品を含め、ちょっとしたアイデアや工夫、独自の視点が全体の満足度を左右し、かつそこが醍醐味でもある。この『猛襲』も80分未満とかなりタイトな尺でサクッと観やすく、日本語吹替もあるので是非スキマ時間にチェックしてみては。

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