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「DC映画で最低の興収成績」なのに新ユニバースにも参戦の理由とは?過小評価されすぎ『ブルービートル』の真価

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ライター:#BANGER!!! 編集部
「DC映画で最低の興収成績」なのに新ユニバースにも参戦の理由とは?過小評価されすぎ『ブルービートル』の真価
『ブルービートル』© & TM DC © 2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved

ヒスパニック系ヒーロー『ブルービートル』の登場

2023年に公開されたDCコミック発のスーパーヒーロー映画『ブルービートル』は、近年のアメコミ映画の中でも異彩を放つ存在だ。

ヒーローものの定型を踏襲しながらも、ヒスパニック系の文化と家族の絆を物語の中心に据えた本作は、DCユニバース(DCU)の過渡期に登場した作品として批評家とファンの双方から高い評価を獲得。主人公ハイメ・レイエスを演じるのは、ドラマ『コブラ会』で注目を集めたショロ・マリデュエニャ。監督はプエルトリコ出身のアンヘル・マヌエル・ソトが務めた。

『ブルービートル』© & TM DC © 2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved

物語は、大学卒業後に帰郷したハイメが、謎の古代テクノロジー<スカラベ>によって強力なスーツを身にまとう(※寄生される)ことから始まる。だが、彼の戦いは悪人たちとの物理的な対決だけではなかった。つまり家族を守ること、そして自らのルーツを受け入れることが、真のテーマとして浮かび上がってくる。

『ブルービートル』© & TM DC © 2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved

DCでは最古参の部類に入るブルービートルは攻守ともにアメコミ界でも最強クラスのキャラクターなのだが、とくにこの映画版では、移民家庭の葛藤、経済格差、そして文化的アイデンティティを織り込んだ、極めてパーソナルなヒーローとして描かれている。

作品自体は好評、なのに興収はズタボロ……

本作は公開時、批評家の反応は概ね好意的で、やはり家族の描写が感情的な深みを与えている点が高く評価された。老舗レビューサイトでは“帝国主義的構造への批判を含む社会的テーマ”が言及されていて、このあたりは2020年代にドンピシャなポイント。同時にユーモアをたっぷり盛り込むことも忘れず、説教くさくならないバランスが秀逸だった。

『ブルービートル』© & TM DC © 2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved

ところが本作は、商業的にはかなりの苦戦を強いられた。1億2千万ドルの製作費に対し世界興収は1億3千万ドルに留まり、これはDC映画で最低の成績だというから現実は厳しい。日本での劇場公開が見送られたのも、このあたりの事情によるものだろう。

しかし、本作の“他にない”存在意義はしっかり評価されていて、それはDCユニバースの新展開にも大きな影響を与えることになる。

『ブルービートル』© & TM DC © 2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved

ガン監督率いる新生DCユニバースに参戦決定? いまのうちに鑑賞推奨!

いま大きく注目されているのが、“ブルービートルはDCユニバースに参加するのか”というウワサだ。DCスタジオの共同CEOに就任したジェームズ・ガンはDCUの再構築を進める中で、ブルービートルを「新DCUの一員として迎え入れる」と発言している。

ガンいわく「ショロ・マリデュエニャはDCUでもブルービートルを演じ続ける」とのことで、同様にヴィオラ・デイヴィス(アマンダ・ウォラー役)やジョン・シナ(ピースメイカー役)も続投することが確認されている。

『ブルービートル』© & TM DC © 2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved

主演のマリデュエニャ自身も、「ブルービートルは必ず戻ってくる。続編か他作品かは分からないが、ジェームズ・ガンとピーター・サフラン(PD)が我々を新ユニバースに迎え入れてくれたことに感謝している」と発言。ブルービートルを主人公としたアニメシリーズのウワサもあり、今後のDCUにブルービートルが参戦する可能性は非常に高い。

そんな『ブルービートル』が現在、CS映画専門チャンネル ムービープラスにてTV放送中。DCUの新展開を前に改めて、この稀有なスーパーヒーローの活躍をしっかり目に焼き付けておこう。

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