哲学者ゲーテも「箱推し」したイタリアの港町!『パルテノぺ ナポリの宝石』ほか“ナポリが舞台の映画”4選
魅力あふれる街・ナポリを舞台にした映画4選!
イタリア国内で監督史上最大のヒットを記録した巨匠パオロ・ソレンティーノ監督作『パルテノペ ナポリの宝石』が、8月22日(金)より全国公開となる。
『パルテノペ ナポリの宝石』©2024 The Apartment Srl – Numero 10 Srl – Pathé Films – Piperfilm Srl
本作の舞台となる南イタリアのナポリは、あの哲学者ゲーテが「ナポリを見てから死ね」と語ったほど、風光明媚な美しい港町。ナポリ湾やヴェスヴィオ火山、世界遺産に登録されている旧市街など、どの景色を切り取っても絵になり、長い歴史の中で育まれた独自の文化が息づいている。
ということで今回は、“ナポリの街を舞台にした映画4作品”をご紹介。ナポリの魅力がストーリーや映像の端々から感じられる、ロマンスからアクションまでバラエティ豊かな名作を是非チェックしてみては。
『パルテノペ ナポリの宝石』©2024 The Apartment Srl – Numero 10 Srl – Pathé Films – Piperfilm Srl
『パルテノペ ナポリの宝石』
イタリアの巨匠が絶景のナポリを舞台に描く、果てしない愛と自由の人生讃歌
8月22日(金)より新宿ピカデリー、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほかにて全国公開
第86回アカデミー賞®外国語映画賞を受賞した『グレート・ビューティー/追憶のローマ』(13)をはじめ、『グランドフィナーレ』(15)『The Hand of God -神の手が触れた日-』(21)など、圧倒的な映像美で<21世紀の映像の魔術師>と呼ばれ、人生の悲哀と幸福を表現し、映画ファンを虜にしてきたイタリアの巨匠パオロ・ソレンティーノ監督。時は1950年、人魚伝説が根付く南イタリア・ナポリに生を受け、街を意味する“パルテノペ”と名付けられた美しいひとりの女性の生涯を描く。
『パルテノペ ナポリの宝石』©2024 The Apartment Srl – Numero 10 Srl – Pathé Films – Piperfilm Srl
1950年、南イタリア・ナポリで生まれた赤ん坊は、人魚の名でナポリの街を意味する“パルテノペ”と名付けられた。美しく聡明で誰からも愛されるパルテノペは、兄・ライモンドと深い絆で結ばれていた。年齢と出会いを重ねるにつれ、美しく変貌を遂げてゆくパルテノペ。だが彼女の輝きが増すほど、対照的に兄の孤独は暴かれていく。そしてあの夏、兄は自ら死を選んだ…。彼女に幸せをもたらしていた<美>が、愛する人々に悲劇を招く刃と変わる。それでも人生を歩み続けるパルテノペが果てなき愛と自由の探求の先に辿り着いたのは――。
『パルテノペ ナポリの宝石』©2024 The Apartment Srl – Numero 10 Srl – Pathé Films – Piperfilm Srl
街の象徴である人魚の名を持つ主人公パルテノペを演じたのは、本作で鮮烈な銀幕デビューを飾った新星セレステ・ダッラ・ポルタ。彼女の瑞々しい輝きと、無邪気な笑顔、あふれ出る魅力に誰もが虜になること間違いなし!美しい輝きが多くの人々を魅了し、時には悲劇や争いをも引き起こす宝石のような、神秘的な魅力を放つ女性を全身全霊で演じきった。
『パルテノペ ナポリの宝石』©2024 The Apartment Srl – Numero 10 Srl – Pathé Films – Piperfilm Srl
太陽の輝きや、爽やかな風までスクリーンにとじ込めたように、美しい街の空気を描きつつ、街の栄枯盛衰と呼応するかのように浮き沈みを見せるパルテノペの人生を描く目線には、ソレンティーノ監督が故郷・ナポリに捧げたラブレターのような温かい愛情を感じる。舞台となる街の名所の数々はもちろん、ナポリで幼年時代を過ごした伝説の大女優ソフィア・ローレンを彷彿とさせる人物の登場や、毎年9月19日にナポリの大聖堂で行われるサン・ジェンナーロ祭の“血の奇跡”の描写など、随所に散りばめられたナポリらしい要素も見所だ。
『食べて、祈って、恋をして』(2010年)
エリザベス・ギルバートが自らの体験をつづった世界的ベストセラー「食べて、祈って、恋をして 女が直面するあらゆること探究の書」を、ジュリア・ロバーツ主演で映画化。
ニューヨークで活躍する女性ジャーナリストが、仕事にプライベートに忙しい日々を送っていたが、心のうちにどこか満足しきれない思いを抱いていた。「昔はもっと毎日が輝いていたのに・・・」と。ある日、彼女はすべてを捨てて、ニューヨークからイタリア、インド、そしてバリ島へ“本当の自分”を探しへと1年間の旅に出ることを決意する。イタリアでは、体型を気にせずグルメ三昧、インドでは瞑想に耽り、最後に訪れたバリ島では、思いがけない出逢いが待っていたのだが……。
訪れたイタリアで、パスタ、チーズ、ワイン、ジェラートと美味しいものを思いっきり食す主人公。イタリアのなかでも特に美食の街として知られるナポリでピッツァを食べるシーンが印象的で、ジュリア・ロバーツが撮影で訪れたピッツァ店は今も大人気店だという。
『The Hand of God -神の手が触れた日-』(2021年)
パオロ・ソレンティーノが故郷ナポリを舞台に、運命と家族、スポーツと映画、愛と喪失のエッセンスを散りばめながら1人の少年の成長を描いた自伝的作品。
1980年代。少年ファビエット・スキーザが暮らすナポリの街に、伝説のサッカー選手ディエゴ・マラドーナがやって来る。思わぬ出来事に喜ぶファビエットだったが、予想外の悲劇が彼を襲う。激動の時代の中で数奇な運命に導かれ、ファビエットはもがき苦しみながらも人々との交流を通して成長していく。
アルゼンチン出身の伝説のサッカー選手、マラドーナは、1984年にFCバルセロナからSSCナポリに移籍すると、最下位争いをしていたチームでゴールを量産、強豪に押し上げ、瞬く間に<ナポリの救世主>に。街の英雄であり、今も尚ナポリの人々に愛され続けるマラドーナへの熱狂と愛が垣間見える。
『イコライザー THE FINAL』(2023年)
名優デンゼル・ワシントンが世の悪を完全抹消する闇の仕事請負人を演じる人気アクション『イコライザー』シリーズの第3作にして最終章。イタリアを舞台に、主人公ロバート・マッコールが最後にして最大の戦いに挑む姿を描く。
ナポリ近郊、アマルフィ海岸沿いの静かな田舎町。マッコールは、街の風景、素晴らしい料理、歴史、そして地元の人々に癒しと救いを見出すが、小さな街の平穏をギャングが脅かし、イコライザーの<仕事>を再開することに――。
名作『ゴッドファーザー』などでシチリアのマフィアは広く知られているが、本作にはイタリア四大犯罪組織の一つ、“カモッラ”と呼ばれるナポリの最凶ギャングが登場し、街や人々との複雑な関係性が描かれている。