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「死因の大半がウンコ絡み」な哀しき生き物!『キラー・ナマケモノ』はホラー映画史上“最も遅い”殺人アニマル誕生を描く予想外の快作

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ライター:#BANGER!!! 編集部
「死因の大半がウンコ絡み」な哀しき生き物!『キラー・ナマケモノ』はホラー映画史上“最も遅い”殺人アニマル誕生を描く予想外の快作
『キラー・ナマケモノ』©2023 Slotherhouse™ All rights reserved
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「キラー○○」映画の真打ち登場か?

本来は人間に重篤な危害を加えることはない生物/物体が集団、あるいは凶暴化して殺人を繰り広げる……というフォーマットで、これまで様々なスラッシャー映画が作られてきた。『アタック・オブ・ザ・キラートマト』に始まり、『キラー・アンツ』『キラー・ビー』『キラー・モスキート』といった昆虫もの、『キラーフィッシュ』『キラー・クロコダイル』『キラー・グリズリー』などの動物もの、そして『キラーコンドーム』『キラー・トラック』『キラーソファ』にいたっては無機物まで駆り出され、「キラー○○」と銘打って一定のファンの心を掴んでいる。

いわゆる“サメ映画”の珍走により、さらに生物ホラー/スリラーの枠が広がっている昨今。変化球アニマル・スリラー『コカイン・ベア』がスマッシュヒットを記録したことも記憶に新しいが、この春、日本の劇場に登場するのが、その名も『キラー・ナマケモノ』だ。

『キラー・ナマケモノ』©2023 Slotherhouse™ All rights reserved

原題は『SLOTHERHOUSE』(Sloth=ナマケモノ)で、これは本来の“屠殺場”という意味に加えて、そのフォントから察するに『悪いけ』オマージュのカルト作『スローター・ハウス/13日の仏滅三隣亡』(1986年)をもじってもいるのだろう。

自分の糞で死ぬ…? ナマケモノの不思議な生態

基本的には温厚な生態で知られるナマケモノ。ほとんど動かず1日の大半を寝て過ごし、とても少食で体重も軽く、木を掴んでいるように見えるが大きな爪でぶら下がっているだけ、という知れば知るほど奇妙な生き物だ。そんなナマケモノの死因の大半は、週に1回程度の排泄時に肉食動物に襲われることだという。しかも古代のナマケモノの祖先は、溜まりに溜まった自らの糞の上で(菌とか色んな理由で)フン死していたという調査結果もあるというから、つくづく不思議な生物である。

そのスローな生き物が、なぜ“キラー”になるのか? 過去にナマケモノに襲われた(噛まれた/引っ掻かれた)という事例はあるものの、死者が出たという話は聞いたことがない。

映画冒頭、本作の“主演”であるナマケモノはパナマの密林で暮らしていたところ、獰猛なワニに襲われるもなんとか生き延びたようだ。しかし、油断したところを密猟者が麻酔銃によって捕獲。やっぱりナマケモノはトロいんだな……と思いきや、川面にプカリと浮かび上がった巨大ワニの腹部には、大きな“3つの爪痕”が残されていて――。

『キラー・ナマケモノ』©2023 Slotherhouse™ All rights reserved

次ページ:「女子大生vs殺人ナマケモノ」の壮絶バトル!
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『キラー・ナマケモノ』

大学の女子学生クラブ 「シグマ・ラムダ・シータ」に所属するエミリーは、大学4年 の最後の年になっても地味でハネない学生生活に焦りを感じていた。そんなある日、 ショッピングモールでペット業者のオリヴァーと出会ったことから、物珍しいナマケモノを飼うことに。女子大生たちはたちまちキュートなナマケモノに夢中になり、エミリーは寮のマスコットにしようと提案。「アルファ」と名付けられた。だが、その ナマケモノは見た目の可愛らしさとは裏腹に、脅威の能力を持った殺人ナマケモノだったのだ。そして、ひとりまたひとりと美女たちを血祭りにあげ、寮は“殺戮の館”と 化していく――。

出演:リサ・アンバラバナール、シドニー・クレイヴン、オリビア・ルーリエ、アンドリュー・ホートン、ビアンカ・ベックルズ=ローズ、ティフ・スティーヴンソン、ステファン・カピチッチ
監督:マシュー・グッドヒュー
製作・脚本:ブラッドリー・フォウラー、キャディ・ラニガン

制作年: 2023