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死体遺棄事件と“奇妙な間取り”の関係とは? 不動産ミステリー映画『変な家』 佐藤二朗らクセ強キャストや衝撃ホラー展開に注目

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ライター:#ギンティ小林
死体遺棄事件と“奇妙な間取り”の関係とは? 不動産ミステリー映画『変な家』 佐藤二朗らクセ強キャストや衝撃ホラー展開に注目
©2024「変な家」製作委員会
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先日、ある映画を観に行ったときのこと。本編上映前に『変な家』の予告編が上映されたんです。

「これはある家の間取り図です。あなたには、この家の異常さがわかりますか?」

という雨穴さんのナレーションが流れた瞬間、後ろの座席に座っていた小学生グループが、

「あ! 雨穴さんの声だ!」
「ほんとだ! これ絶対観たい!」 

なんて興奮しだしたじゃないですか。この光景を見て、すげえな、雨穴さんって小学生のハートまでガッチリ掴んでるのか! と感心してしまいました。

そんな雨穴さん原作の映画『変な家』を小学生グループよりも早く鑑賞させていただいたので、映画の見所をネタバレなしで紹介したいと思います!

©2024「変な家」製作委員会

原作は「意味がわかると怖い」ベストセラー不動産ミステリー

本作の原作者・雨穴さんとは、ウェブライター、YouTuberとして活動しているウェブメディア<オモコロ>所属の人気ホラー作家。動画に出演する際は全身黒タイツ姿に、顔を『もののけ姫』のコダマを思わせるような手製の白いお面で隠し、音声もボイスチェンジャーで変えている。そんな不気味なルックスなのに、ソフトな語り口と腰の低い人柄というギャップのあるキャラクターで人気を博している御方です。2022年にはテレビドラマ『何かおかしい』の原案・ストーリーテラーも担当しています。

『変な家』は、雨穴さんがウェブサイトの記事とYouTube動画で発表して大反響を呼んだ、ノンフィクション風の不動産ミステリー。物語は、雨穴さんが知人の柳岡さんから「購入予定の家に不可解なところがある」と、都内にある築1年の中古一軒家の間取り図を渡されるところからはじまる。

雨穴さんは、大手建築事務所に勤める設計士でホラーやミステリーの愛好家だが、かなり俺ジナルな性格のオーナーでもある知人、栗原さんに間取り図を見せて意見を求める。すると、間取り図から次々と奇妙な違和感が浮かび上がってくる。そして、栗原さんはあまりに大胆かつ恐ろしい仮説を立てた。

それは、「この家は、近隣住民に知られることなく来訪者を殺し、死体を処理するために設計された殺人屋敷なのでは……」という、読者の多くが「それは、いくらなんでも……」と思ってしまう突飛なものだった。

しかし、“変な家”の現場には行かず、間取り図と集まった情報から謎を解明していく栗原さんの緻密な推理により、大胆な仮説にも説得力が増し、雨穴さんだけでなく読者にも「そうかもしれない……」と思わせてしまう手腕は、安楽椅子探偵モノとして見事な仕上がりになっています。

ところが、雨穴さんがその仮説を柳岡さんに伝えるために連絡すると、逆に「あの家は買うのをやめた」と伝えられる。なんと、家の近くでバラバラ死体が遺棄される事件が起きていたのだ……。

そして雨穴さんは、死体遺棄事件と家との関連を疑う記事をウェブに投稿。すると、彼のもとに「あの家について心当たりがあります」という人物、宮江柚希から連絡が……。

ミステリー初心者も置いてけぼりにしない巧みな展開

2020年、雨穴さんは「【不動産ミステリー】変な家」というタイトルでウェブ記事を発表し、続いて動画版を発表して大反響を呼ぶ。そして2021年には、「【不動産ミステリー】変な家」を第一章とする、全四章からなる小説『変な家』を発表しベストセラーになる。

小説の第二章以降では、雨穴さんが宮江柚希とコンタクトを取り、栗原さん協力のもと、さらなる家の謎を解明しようと動き出す。そして、彼らは一軒家に隠された、自分たちが立てた仮説を凌駕する恐ろしい真実を知ることになる……。

変な家 文庫版

そんな本作は小説ではあるが、作中、家の間取りの“不可解な部分”が話題になるたびに、間取り図を載せて該当部分を点線で囲んだり、その時点で判明した事実を整理した図を載せたりと、文章だけでなくビジュアルも駆使した丁寧な作り。ミステリー小説初心者の読者を置いてけぼりにすることなくグイグイ読ませ、やがて読者を「そんな恐ろしいことが、この日本の住宅街で起きていたのか!?」と震え上がらせる逸冊となっている。だからこそ小学生のハートも掴んだんですね。

ちなみに2024年に出版された文庫版では「文庫版あとがき」に新たな謎が書かれていて、不気味な余韻を堪能させてくれます。

次ページ:原作比較&映画版解説!「ガチ怖」不動産怪談とは?
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『変な家』

“雨男”の名前で活動する、オカルト専門の動画クリエイター・雨宮(間宮祥太朗)は、マネージャーから、引越し予定の一軒家の間取りが“変”だと相談を受ける。そこで雨宮は、自身のオカルトネタの提供者である、ミステリー愛好家の変人設計士・栗原さん(佐藤二朗)にこの間取りの不可解な点について意見を聞いてみることに…。次々と浮かび上がる奇妙な“違和感”に、栗原さんはある恐ろしい仮説を導き出す…。
そんな矢先、ある死体遺棄事件が世間を騒がせる。その現場は、なんとあの【変な家】のすぐ側だった。事件と家との関連性を疑った雨宮は、一連の疑惑を動画にして投稿することに。すると、動画を見た「宮江柚希」なる人物(川栄李奈)から、この家に心当たりがあるという連絡が入る。柚希と合流したことで、さらに浮上する数々の謎。
そして新たな間取り図。やがて二人は、事件の深部へと誘われていく―。紐解かれていく間取りの謎の先に、浮かび上がる衝撃の真実とは─。

原作:雨穴「変な家」(飛鳥新社)
出演:間宮祥太朗 佐藤二朗
    川栄李奈 長田成哉
    DJ松永(Creepy Nuts) / 瀧本美織
    根岸季衣 髙嶋政伸 斉藤由貴 石坂浩二
監督:石川淳一
脚本:丑尾健太郎

制作年: 2023