禁断の恋愛を描く『火のついた若い娘の肖像』 批評家から絶賛

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ライター:齋藤敦子
禁断の恋愛を描く『火のついた若い娘の肖像』  批評家から絶賛
批評家の評判と審査員の評価は別であるのが、映画祭である。女流画家がモデルとなった貴族の娘と、身分とジェンダーを超えた禁断の恋に落ちる、というストーリーの本作、どう転ぶのか見守りたいところだ。

久しぶりにフランス映画らしいフランス映画が登場した

批評家の間でテレンス・マリックの『隠れた人生(原題)』の評価が分かれ、依然としてアルモドバルの『痛みと栄光(原題)』が星取りのトップに立っているなか、2番手の位置を堅持しているのがセリーヌ・シアマの『火のついた若い娘の肖像(原題)』だ。

18世紀ブルターニュ地方の孤島を舞台に、お見合い用の肖像画を描きにきた女流画家が、モデルとなった貴族の娘と、身分とジェンダーを超えた禁断の恋に落ちるというストーリーである。題名は、たき火の火が貴族の娘のドレスの裾に燃え移った光景から。もちろん、恋の火の比喩でもある。シアマの徹底したミニマリズムの演出も見事で、ひさしぶりにフランス映画らしいフランス映画の登場に、批評家全体から広く支持を集めている。

とはいえ、批評家の評価と審査員の評価は別だ。3年前に批評家から最高の評価を受けたマーレン・アデの『ありがとう、トニ・エルドマン』は無冠だったし、昨年のイ・チャンドンの『バーニング』も国際映画批評家賞を受賞したものの、本賞での受賞はなかった。今のところ、私の友人の間では、アルモドバルの支持者が多いが、さて、結果はどうなるだろう。

文:齋藤敦子(Text by Atsuko Saito)

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