『男と女』のあの二人の53年後の再会を描く【カンヌ映画祭】

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ライター:まつかわゆま
『男と女』のあの二人の53年後の再会を描く【カンヌ映画祭】
『Les Plus Belles Années d'une vie』© LE CERCLE NOIR POUR FIDELIO
第19回カンヌ映画祭(1966年)グランプリ受賞『男と女』から53年後を描く、第72回カンヌ映画祭特別招待作品『Les Plus Belles Années d'une vie』の記者会見。多くの人に愛された『男と女』のあの二人の物語。当時のキャストが集合して語られる一生に一度の恋のその後について。

ルルーシュ監督『男と女』作曲家のレイとの思い出を語る

『Les Plus Belles Années d’une vie』© LE CERCLE NOIR POUR FIDELIO

公式上映には姿を見せた主演のジャン=ルイ・トランティニャンは登場しなかったが、ヒロイン・アンヌ役のアヌーク・エーメ、と子供たち役を再び演じたスアド・アミドゥとアントワン・シレが登壇。新メンバーのモニカ・ベルッチ、マリアンヌ・ドニクールと音楽を担当したガロジェッロも登壇した。

『Les Plus Belles Années d’une vie』© LE CERCLE NOIR POUR FIDELIO

本作は2018年11月に亡くなった監督との名コンビ、作曲家のフランシス・レイにも捧げられている。
「フランシスはこの作品を作ることを喜んでいた。音楽をガロジェッロに依頼したというと、それは大正解だと言ってハグをしてくれた。それからしばらくして亡くなったので、言葉を交わしたのがあれが最後だったと思う」とルルーシュ監督は旧友を偲んだ。
「伝説と言っていい作品の音楽を手がけることになったのでプレッシャーを感じなかったというと嘘になる。音楽としてはオリジナルを何回も聴いて、そこから離れないようにしながら、現代っぽさを加えようと考えつつ再構築していった」と音楽を担当したガロジェッロが言う通り、あの有名なダバダバタ〜♪のメロディや挿入曲が繰り返されつつ新しいアレンジが加えられていく。映像にはオリジナルのモノクロ画面が挿入され、ジャンとアンヌの53年前の恋の回想があり、現在、施設に住むジャンと彼を訪れるアンヌの再会がそれに重ねられるのだ。回想と妄想と現実がクロスする…。

『Les Plus Belles Années d’une vie』© LE CERCLE NOIR POUR FIDELIO

「53年前、私はまだ若造で、カンヌ映画祭で賞を獲ると言うことがどんなことなのか全く分かっていなかった。受賞した後、1,000通もの手紙が来て、受賞を祝ってもらい感動したと伝えてくれた。そんな作品の53年後を描いて、またここに戻って来られることは奇跡だと思う。 と言っても、実はオリジナルをレストア上映することになるまで忘れていたんだけれどね。その後ジャン・ルイと会う機会があって、目を見つめ微笑んでハグしてくれた時、もう一度作るのもいいかなと思ったんだ。その頃、年老いて記憶をなくしていく母を介護していて、色々忘れているのに彼女と会うと私のことは息子だと理解するというのを見て、これだと思ったんだね」とルルーシュ。というわけで、ジャンは年老い記憶がまばらになって老人介護施設にいる。彼を見舞う息子アントワンは、父が53年前に恋したアンヌのことを何度も話すのを聞き、アンヌを探し出して父に会って欲しいと頼むのだ。アンヌの娘とジャンの息子を演じたのは監督の友人の子どもたちだった。娘を演じたスワドは女優に、アントワンは作家になった。今回二人ともルルーシュの求めに応じて子ども役を再演している。

クロード・ルルーシュ監督

「私は49本の映画を作って来たが、私のキャラクターはみんな私が会ったことのある人でね、悪い人もヒーローもいない。あなたの近くにいる普通の人たちなんだ。だから私は彼らの側によって撮影したい。アップでとらえたいんだね。そのためには現在のデジタルカメラのコンパクトさがちょうどいい。スマートフォンでだって撮影できる。スマホで撮影しているとね、20歳の頃に戻ったような気がするもんなんだよ」というルルーシュ。「もう一本、また違う、新しい発見のあるものを撮りたいね」と新作にも意欲を見せていた。

文:まつかわゆま

【BANGER!!!×MoviePlus】第72回カンヌ映画祭特集

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