• BANGER!!! トップ
  • >
  • 映画
  • >
  • イタリアン反社にナメられた殺人マシンが最後のハードコア風紀活動!『イコライザー THE FINAL』で心の故郷にアモーレとグラッチェを倍返し

イタリアン反社にナメられた殺人マシンが最後のハードコア風紀活動!『イコライザー THE FINAL』で心の故郷にアモーレとグラッチェを倍返し

  • Twitter
  • LINE
  • Facebook
ライター:#ギンティ小林
イタリアン反社にナメられた殺人マシンが最後のハードコア風紀活動!『イコライザー THE FINAL』で心の故郷にアモーレとグラッチェを倍返し
『イコライザー THE FINAL』
1 2 3

丁寧かつ真心を込めた人体破壊描写でR指定に

『イコライザー』シリーズといえば、やはり最も気になるのがマッコールさんのハードコア風紀活動ぶり。前作では限度を超えた体罰で済んだ悪党もいたが、今回は違う。悪いことをした人は必ず殺される。

マッコールさんが身の周りのアイテムを武器にする、DIY殺法。今回その武術指導をする役割を担う第二班監督を務めたのは、リャン・ヤン。『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』(2018年)でトム・クルーズ&ヘンリー・カヴィルを相手にトイレで限度を超えた喧嘩を繰り広げたスーツ姿の東洋人を演じた、あのヤバい人です。彼によると『イコライザー THE FINAL』では、マッコールの戦闘スタイルは以前よりもさらに進化したという。

『イコライザー2』での悪者への仕打ちが彼を変えました。だからアントワーン・フークア監督は、マッコールのスタイルが、より残忍で、より直接的で、無駄な動きが少なくなるように望んでいました。一発で相手を倒せるのなら、無駄に二発は使わないということです。

というわけで、本作のマッコールさんが繰り出す正義の暴力は残酷度が格段にアップ! 前作は、(マッコールさんがペドロ・パスカルの眼窩に親指を突っ込むような描写があったのにも関わらず)PG12だった。本作では前作をはるかに上回る正義の暴力行為――「悪党の顔面に銃口を突き刺す」、「悪党の腕を折ると、肉から骨が飛び出す」、「悪党の後頭部にナイフを突き刺す」「表情を1ミリも変えずに悪党の生首切断」などなど、これまで以上に丁寧かつ真心を込めた人体破壊描写をアピールした結果、見事R指定となった。

「悪いことをすると、こんな酷い目に遭う」というメッセージが詰まった教育映画

マッコールさんの戦闘シーンの描き方も前作までとは大きく違う。1作目は、初登場でミステリアスな存在だったマッコールさんの素材の味を活かしつつも、ヒロイック成分多めな戦闘シーンに。2作目の戦闘シーンはさらにヒロイック成分を増量して、マッコールさん側から描いていた。いっぽう、本作の戦闘シーンは大幅に路線変更し、基本的に悪役側の視点から描いている。つまり、被害者側から描かれるので、悪役が本性を現したマッコールさんに対して感じる恐怖度が、シリーズ中で最も濃厚になっている。

『イコライザー THE FINAL』

僕は「ナメてた相手が~」ムービーのことを常々、「主人公の殺人マシンぶりがあまりに常軌を逸しているので、観ているうちにだんだん悪役が可哀想に思えてくるジャンル」と言っている。そういう意味で本作は、「ナメてた相手が~」ムービー史上最も悪役が可哀想に思えてくる映画にも仕上がっている。それでいて、「悪いことをすると、こんな酷い目に遭う」というメッセージが詰まった教育映画的な仕上がりになっていると思います。たぶん。

『イコライザー THE FINAL』

しかも、本作にはマッコールさんが過去のイコライザー活動を回想するシーンがあり、マッコールさんの主観映像で描かれるのだが、ナタ、ワインボトル、包丁、銃を駆使して次々と大量虐殺を繰り広げる様子は、『ノーカントリー』(2007年)の殺し屋アントン・シガーと『13日の金曜日』シリーズのジェイソンが合体した超大量殺人鬼の主観映像を観ているようで、素晴らしいことこのうえない!

要するに本作は、マッコールさんがイタリアを舞台に残虐かつトレビアンな過去イチのジャスティス・バイオレンスをスパークさせる映画! そんなわけで是非、スクリーンでマッコールさんの最後の戦いを観戦してください!

『イコライザー THE FINAL』

文:ギンティ小林

『イコライザー THE FINAL』は2023年10月6日(金)より全国公開

『イコライザー』『イコライザー2』はCS映画専門チャンネル ムービープラス「イコライザー イッキ観!」で2023年10月放送

1 2 3
Share On
  • Twitter
  • LINE
  • Facebook

『イコライザー THE FINAL』

ある時、訪れたシチリアでの事件で負傷したことをきっかけに、肉体的にも精神的にも限界を迎えたロバート・マッコール(デンゼル・ワシントン)は、アマルフィ海岸沿いの静かな田舎町に辿り着く。よそ者にも関わらず身内のように看病し、親しみをもって「ロベルト」と呼んで接してくれる街の人々。昼の顔、夜の顔を使い分け、長い時間をたった一人、誰にも頼らず生きてきたマッコールにとって、それはまさに癒しと救いだった。マッコールはこの街を安住の地と心に誓い、イコライザーのスイッチともいうべき腕の時計を外すことを決意。そこで穏やかに残りの人生を送るはずだった。

しかし、小さなこの街にも悪の魔の手は忍び寄っていた。街の人たちが次々と凄惨な事件に遭うのを見て、マッコールは再び[仕事]を再開する。自分を救ってくれた大切な人々を、街を、今度は自分が救うため。善良なすべての人々を救うのがイコライザ―の流儀であり、マッコール自身の大いなる復讐でもあるのだ。しかしそれが引き金となり、事態はイタリア全土を巻き込む爆破テロ事件へと拡大してゆく・・・。

一度外した時計を再び身に着けるマッコール。彼がカウントするのはわずか9秒。怒りが頂点に達したマッコールに、もはや19秒は必要ない。最後にして最大の[仕事]が始まる ――。

出演:デンゼル・ワシントン ダコタ・ファニング

監督:アントワーン・フークア
脚本:リチャード・ウェンク

制作年: 2023