大人気シリーズ『ARROW/アロー』遂に完結!! 5分でわかるアメコミヒストリー! DCTVシリーズ&コミックスを解説

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ライター:杉山すぴ豊
大人気シリーズ『ARROW/アロー』遂に完結!! 5分でわかるアメコミヒストリー! DCTVシリーズ&コミックスを解説
『ARROW/アロー<ファイナル・シーズン>』©2020 Warner Bros. Entertainment Inc. ARROW™ and all pre-existing characters and elements TM and ©DC Comics.

DCコミックのヒーロー“グリーン・アロー”をベースにしたドラマ『ARROW/アロー』が、2020年ついにファイナル・シーズンを迎えます。2012年にスタートしシーズン8がファイナルですから、8年も続いた人気シリーズ。この『ARROW/アロー』はドラマとしても名作ですが、DCヒーローというコンテンツの可能性を大きく広げた成功例だと思います。DCヒーローとTVドラマの歴史を踏まえながら、『ARROW/アロー』の功績を振り返ってみましょう。

『ARROW/アロー<ファイナル・シーズン>』©2020 Warner Bros. Entertainment Inc. ARROW™ and all pre-existing characters and elements TM and ©DC Comics.

1941年デビュー! アメコミ黎明期に生まれた最古のDCヒーローの一人

そもそもアメコミのスーパーヒーローの歴史を作ったのはDCです。1938年にスーパーマンをデビューさせました。それまでターザンとかシャーロック・ホームズのようなヒーローはいましたが、いわゆるスーパーパワーを持つヒーローは、このスーパーマンが第一号です。以来、この出版社は1939年にバットマン、1940年に初代フラッシュ、初代グリーン・ランタン、1941年にワンダーウーマン、アクアマン、そして『ARROW/アロー』のベースとなるグリーン・アローがデビュー。ヒーロー・コミックが花開きます。

この一連のヒーローたちは様々なタイトルのコミック誌からデビューしましたが基本は同じ系列の出版社であり、後にDCコミックスという屋号に統一されます。面白いのは、DCのヒーローというのはスーパーマン型とバットマン型の2系列あって、アクアマンは海のスーパーマン、ワンダーウーマンは女スーパーマンという基準で作られている感じですが、グリーン・アローはバットマンを意識して作られたヒーローのようです。2人とも超人パワーを持たない生身の人間。昼は大金持ちのプレイボーイですが夜は犯罪者と戦う。バットマンにはロビン、グリーン・アローにはスピーディというサイドキック=相棒がいます。

DCはヒーロー・コミックの先駆者ですが、ヒーロー・ドラマ/映画においてもパイオニアです。1950年にスーパーマン、60年代にバットマン、70年代にワンダーウーマンのTVドラマ・シリーズが人気を博し、1978年にクリストファー・リーヴ出演の『スーパーマン』、1989年にマイケル・キートンの『バットマン』の映画が大ヒット。いずれも後のヒーロー・ドラマ/映画のお手本になります。マーベルに比べDCの方がさかんに映像化された理由は、歴史が長い/老舗ということがあるのでしょう。そして映像化しやすかったんだと思います。

マーベルはDCに比べSF色が強い。従ってヒーローvsヴィランの戦いもスーパーバトルになります。それに対しDCは、そもそも会社の名前からしてDC=ディテクティブ・コミックス=刑事&探偵コミックに由来していて、犯罪者と戦うというヒーローが多い。つまり特殊効果をそれほど必要とせず、通常の犯罪アクション物のバリエーションとして作れるわけです。マーベル原作映画が2000年以降に多いのはVFXの進歩が大きいでしょう。

映画「ダークナイト3部作」の成功を受け継ぐヒーロー・ドラマ・シリーズ『ARROW/アロー』

さて、DCは1989年の映画『バットマン』以降、映画とTVドラマの連動を積極的に行います。まず1990年に『超音速ヒーロー ザ・フラッシュ』というフラッシュを主人公にしたドラマ・シリーズがスタート。テーマ曲を映画『バットマン』同様ダニー・エルフマンが手掛けており、また主人公のコスチュームも“タイツ”ではなく、映画のバットスーツ同様、マッスル・スーツになっています。つまりこのフラッシュのドラマは、明らかに映画『バットマン』の成功をとりいれた作品なのです。

逆に、2001年からシーズン10まで続いた人気ドラマ『ヤング・スーパーマン』は、スーパーマンの若き日を描いた青春物語ですが、もともとはスーパーマンではなく、バットマンことブルース・ウェインの若き日を描くドラマとして検討されていたそうです。1997年に公開された映画『バットマン&ロビン/Mr.フリーズの逆襲』が不評で、映画シリーズが一旦打ち切り。TVドラマの方でバットマンを立て直そうとしていたと考えられます。

そして2012年、クリストファー・ノーランの映画『ダークナイト ライジング』が公開され、“ダークナイト3部作”が完結します。この年はマーベルの『アベンジャーズ』が大ヒットし、マーベルが勢いづいていた時です。DCにしてみればマーベルが盛り上る中、バットマン映画が終わってしまう。そこでTVドラマの方で、このダークナイト路線の成功を受け継ぐヒーロー物を求めた。そしてグリーン・アローにいきつきます。先ほど書いたように、グリーン・アローは元々バットマンを意識して作られたヒーローですから。

そしてバットマンが “ダークナイト”という別称で成功したように、このドラマもストレートに「グリーン・アロー」ではなく『ARROW/アロー』としました。僕は2012年のサンディエゴ・コミコンに参加した時に、DCが『ARROW/アロー』のプロモーションに気合を入れていた現場を見ています。“ポスト・ダークナイトは『ARROW/アロー』”という気合を感じました。

もうひとつ興味深いのは、マーベルの『アベンジャーズ』に弓のヒーロー、ホークアイが登場したことです。2012年は映画『ハンガー・ゲーム』も大ヒットしましたが、ジェニファー・ローレンス演じる主人公カットニスも弓の使い手でしたよね。つまり弓のヒーローが出そろった年でもあるのです(笑)。

『ARROW/アロー<ファイナル・シーズン>』©2020 Warner Bros. Entertainment Inc. ARROW™ and all pre-existing characters and elements TM and ©DC Comics.

『ARROW/アロー』から派生した“アローバース”は街を守る戦いから全宇宙を守る戦いへ!

『ARROW/アロー』はスタイリッシュなアクションとちょっとドロドロした人間ドラマをうまくミックスし、元のアメコミを知らなくても楽しめるTVシリーズに仕上がりました。その一方で、ラーズ・アル・グールやスーサイド・スクワッド、デスストローク、アトムといったDCファンにとってツボな要素も巧みにとりれていきます。

『ARROW/アロー<ファイナル・シーズン>』©2020 Warner Bros. Entertainment Inc. ARROW™ and all pre-existing characters and elements TM and ©DC Comics.

さらに『ARROW/アロー』が画期的だったのは、本作をベースに『THE FLASH/フラッシュ』(2014年~)『SUPERGIRL/スーパーガール』(2015年~)『レジェンド・オブ・トゥモロー』(2016年~)という新たなDCドラマをローンチさせたこと。これはマーベルがアイアンマンを主軸に様々なヒーローを紹介しマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)を立ち上げたように、DCはアローを主軸に“アローバース”と呼ばれる世界をTVにおいて作りあげました。

そして2016年から、こうした“アローバース”のヒーローたちが共演する『インベージョン! 最強ヒーロー外伝』(2016年)『クライシス・オン・アースX 最強ヒーロー外伝』(2017年)『エルスワールド 最強ヒーロー外伝』(2018年)『クライシス・オン・インフィニット・アース 最強ヒーロー外伝 』(2019年)を展開します。

この“最強ヒーロー外伝“では、“街を守る”ヒーローであったハズのアローが、“全宇宙を守る”戦いへと巻き込まれていきます。『ARROW/アロー<ファイナル・シーズン>』は、まさに宇宙を守るため、その身をさしだしたオリバー・クイーン(アローの正体)の物語であり、衝撃かつ感動のフィナーレをむかえます。

『ARROW/アロー<ファイナル・シーズン>』©2020 Warner Bros. Entertainment Inc. ARROW™ and all pre-existing characters and elements TM and ©DC Comics.

『ARROW/アロー』の成功は、それまでスーパーマンかバットマンに依存していたDCのヒーロー・ビジネスに対し、他のヒーローでも十分この世界をひっぱれること、そして広げられることを証明しました。『ARROW/アロー<ファイナル・シーズン>』をもって、スティーヴン・アメル演じるアローが見納めとなるのは寂しい限りですが、またいつか、どこかで彼と再会できることを信じています。ありがとう、アロー!

文:杉山すぴ豊

Presented by ワーナー・ブラザース ホームエンタ―テイメント

『ARROW/アロー<ファイナル・シーズン>』はブルーレイ&DVDは2020年9月2日(水)リリース

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