床下の散歩者さんの感想・評価
3.6清水豊国の原作、そしてフランキー堺や中居正広の主演でも知られる、日本の戦争映画史に深く残る重厚な一作。泥沼の戦争に巻き込まれた挙げ句、上官の命令に従っただけで戦後に「BC級戦犯」として死刑を宣告される理髪師の姿は、観ていて本当に理不尽だし胃が痛くなる。 ラストの「生まれ変わるなら、人間なんかになりたくない。…私は貝になりたい」というあまりにも有名な遺言の重みには、展開が分かっていてもやっぱり胸が締め付けられます。決して『午後ロー』あたりで気楽に流し見できるような作品ではないけれど、国家という巨大な狂気に踏みつぶされた個人の悲劇として、日本人が一度はガチで向き合うべき傑作だと思います、ハイ。