声優・小野賢章が語る『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』出演の喜びと重圧!「僕もまだ勉強中」

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ライター:BANGER!!! 編集部
声優・小野賢章が語る『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』出演の喜びと重圧!「僕もまだ勉強中」
小野賢章

小野賢章が宇宙世紀シリーズに参戦!

1979から1980年に放送されたアニメ『機動戦士ガンダム』から続く『ガンダム』シリーズの最新作『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』が2021年6月11日(金)より公開となる。

『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』©創通・サンライズ

本作の主人公となるのは、『機動戦士ガンダム』でガンダムを搭載した地球連邦軍の強襲揚陸艦ホワイトベースの艦長を務めたブライト・ノアの息子、ハサウェイ・ノア。『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』(1988年)で伝説のニュータイプパイロットであるアムロ・レイと、大義のために人類粛清を掲げるシャア・アズナブルの生き様を目撃した第二次ネオ・ジオン戦争から12年後の世界を舞台に、戦場で初恋の少女クェスや多くの人々の死を経験したハサウェイが、戦士として腐敗した地球連邦政府に抵抗する生き様が描かれる。

『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』©創通・サンライズ

そんなハサウェイの声を演じるのは、『ハリー・ポッター』シリーズ(2001~2011年)でのダニエル・ラドクリフの吹替でもおなじみ、多くのアニメ作品で活躍する小野賢章。世界中のガンダムファンから注目を集める本作への参加について、CS映画専門チャンネル ムービープラスの新作映画情報番組「映画館へ行こう」のMC・小林麗菜が話を聞いた。

小野賢章

「『ガンダム』シリーズの“大きさ”を実感しています」

小林:実は私、ガンダムは今まで触れてこなかったんですけど、初心者の私が観ても非常に面白くて臨場感があって、これがきっかけで過去作も観てみたいなという興味がどんどん沸きました。

小野:ありがとうございます。

小林:個人的に『ハリー・ポッター』シリーズの大ファンなので、今日は小野さんにお会いできると聞いて、ドキドキワクワクで。ちょっと震えを抑えるのに大変です。

小野:ありがとうございます(笑)

『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』©創通・サンライズ

小林:早速ですが、ハサウェイ・ノアを演じるに至った経緯を教えてください。

小野:オーディションを受けて、選んでいただきました。

小林:いまだにオーディションを受けられるのですね。勝手なイメージですけど、小野さんレベルだとオファーが来るのかと……。

小野:オーディション、受けまくって落ちまくっています(笑)。声優は全員そうですよ。いま話題のあの作品も受けて落ちて、「出たかったな~」って(笑)。もう毎クール就活してるようなものです。3ヶ月に1回就活して、「アニメ出してください」って感じなので(笑)。

小野賢章

小林:受かった時のお気持ちはいかがでしたか?

小野:『ガンダム』シリーズは誰もが知っている作品で、まさかそのシリーズの主人公、ガンダムのパイロットを演じることができる日が来るなんて、とビックリしたのと同時にすごく嬉しかったんですけど……。そんなのは一瞬で、あとはもうプレッシャーのみでした(笑)。

小林:やはりプレッシャーは感じられたんですね。

小野:そうですね。日に日に感じます。いまがピークかもしれないですね。公開前なので取材していただく機会も多く、そのたびに『ガンダム』シリーズの大きさを実感しています。

『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』©創通・サンライズ

小林:本当に長きにわたって愛され続けている作品ですが、小野さんご自身は『ガンダム』シリーズはご覧になっていましたか?

小野:アニメ自体は観て育ってこなかったんですよ。

小林:世代がちょっと上ですもんね。

『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』©創通・サンライズ

小野:そうなんです。なので、僕も今回がきっかけで勉強させていただきました。やはりこれだけ歴史がある作品にはそれなりの理由があるというか、観れば観るほど複雑で何回も観たくなるし、“ロボットアニメ”というよりも群像劇というか、いろんな問題をメッセージに乗せて、観る側に問いかけてくる作品だなという印象です。

小林:シリーズものに急に仲間入りするのって、やはり違いますか?

小野:いや、もう、とんでもないですよ(笑)。オリジナルで完全新作ならもうちょっと楽にできたかなと思うんですが、それこそファーストガンダムから続く『逆襲のシャア』の事件から12年後という直結している物語なので、そのプレッシャーがすごくありますよね。初期から応援してくださっているみなさんが楽しみにされている作品なので、そのプレッシャーはすごく感じます。

小林:『ガンダム』シリーズをご覧になって、受けた影響はありますか?

小野:社会に目を向けるようになったというか、意識するようになったっていうのはありますね。それこそ「日本をより良い国にするにはどうしたらいいんだろう」って、考えるようになったというか。

今は温暖化なども問題視されて、地球の環境問題が一般的に認知されるようになってきていますが、『ガンダム』は「地球がやばい」みたいなことを世間一般に広がる何年も前から、ずっと提起してきているわけじゃないですか。それってすごいなって。そんなに前から現代がこうなるであろうと予想して、それを問題として定期してきたっていうのは、今考えるだけでも鳥肌が立ちますね。富野由悠季さんは未来人なんじゃないかって思うぐらい、すごいなって思います。

小林:私も過去作を観させていただいて、こんなにも昔から環境問題や国家のことについて、アニメを通して伝えていたんだっていう驚きがありました。

小野:大人になったいま観て逆に良かったというか。子どもの頃にあまり理解できずに観るよりも、大人になってある程度の知識が増えた状態でしっかりと観られたのはすごく良かったなと思います。

小野賢章

「何度でも観られて、無限に語りあってもらえる作品」

小林:小野さんが思う『ガンダム』の魅力って、ズバリどんなところでしょうか?

小野:それぞれが持っている正義と正義のぶつかり合いかなと思いますね。アニメでは主人公側が正義、それに敵対する側が悪として描かれがちですが、悪側から見れば自分たちがやっていることが正義で、それを貫いて行動していくわけじゃないですか。そこで双方がぶつかって、分かり合えないから戦いになってしまう。そのどちらも間違っていない、というところにガンダムの魅力を感じますね。「どっちを支持しますか?」と自分で考える機会を与えてくれるというか、ただモビルスーツ同士が戦って「勝った! はい、ハッピー!!」みたいなことじゃない。

『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』©創通・サンライズ

小林:『ガンダム』シリーズは他のアニメ作品と一線を画すところがあると思うのですが、何が違うと思いますか?

小野:複雑な人間関係や思惑のぶつかり合いが描かれるなかで、どの時代でも“愛”などの変わらないものがしっかりある……。そういう人間ドラマがものすごく複雑に絡み合って、その想いをのせてガンダムで戦うところが丁寧に描かれているのが、『ガンダム』が40年という歴史を作ってきたなかで重要なポイントのひとつかなって思いますね。

小林:声優という立場から観て、本作の見所はどこでしょう?

小野:う~ん、ハリウッド映画に近い感じかなと思ったり、思わなかったり(笑)。“アニメアニメしてない”という印象が強くて、そこが「この作品って、すごく大人だな」と思った要因でもあるんです。割と自然なお芝居を求められて、会話劇が続く作品なので、ガンダムが出てきた時に「あ、これガンダムだった!」と思うかもしれません(笑)。

会話ひとつをとっても、その言葉の裏に隠れている思惑だったり、表情と声色にちょっとズレがあったり。いろんなところに仕掛けや意図があるので、1回だけでは拾いきれない情報が散りばめられていると思います。何回も観ていただいて、観た人同士で「あそこのセリフさ……」って、無限に語りあってもらえるかもしれませんね。

小林:確かに、観れば観るほど見つかるものがありそうですよね。

小野:『ガンダム』シリーズを通しての専門用語だったり、過去作を観ていると繋がっている部分がより理解できたりするので、どんどんさかのぼって観てから、さらに本作をもう1回観ると「ああ! ここのセリフにはこういう意味があったんだ」って、より楽しめると思いますね。

小林:反復が楽しそうな作品ですよね。

小野:僕のおススメは『逆襲のシャア』を観て、そのテンションのまますぐに『閃光のハサウェイ』を観ると、ものすごく面白いです。ハサウェイ・ノアが大人になっているというだけで胸にくるものがありますよ。

小野賢章

小林:演じていて苦労した点はありますか?

小野:「苦労しかなかった」って言うのがぶっちゃけたところなんですけど(笑)。ハサウェイって、とんでもない経験を『逆襲のシャア』のなかでしていて、2人(アムロとシャア)の想いを背負って『閃光のハサウェイ』に繋がっていくんです。ブライトの息子ハサウェイという青年の印象が表にあって、裏ではマフティー(反地球連邦政府運動)としてもテロのような活動を起こそうとしている。もちろんバレてはいけないので、ハサウェイ・ノアという鎧を身にまとって、ケネス・スレッグやギギ・アンダルシアといった人たちと話をしていくんですけど、心の中では夜に、どういうことが起こって、どういう段取りで行動するかっていうのを常に持っているわけですよ。そういう心と体、表情と言葉がバラバラなのを悟られてはいけないっていうのが難しいバランスで。言葉のひとつひとつがとても難しかったですね。

小林:今回の作品に登場するモビルスーツの造形をご覧になっていかがでしたか?

小野:僕もまだまだガンダムやモビルスーツについて勉強しているところなので詳しいことはあまり言えないんですが、とにかく見た目がカッコいい。もう、それだけでいいかなって(笑)。解説は詳しい方にお任せしますけど、とにかくこんな機体に自分が乗って操縦するんだって思うと、それだけでテンションが上がりました。なにより、自分が演じているキャラクターが乗っている機体がガンプラとして発売されて、みなさんに作って貰えるって思うだけで、すごく嬉しいですね。

『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』©創通・サンライズ

「魅力的になるための努力は怠っちゃいけない」

小林:小野さんはアニメ以外に実写作品の吹替もされていますが、役作りで気をつけていることはありますか?

小野:最初にキャラクターに出会った時に受けた、自分のなかの第一印象を大事にするようにしています。オーディションの段階では、第一印象と設定上のキャラクターの性格などを鑑みて、原作がある作品だったら原作を読んでいろいろ想像しながら作っていきます。実際にオーディションを通って役をいただいた後は、しっかりイメージを膨らませつつ、あまり自分のなかでガチガチに固めないようにしていますね。

『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』©創通・サンライズ

小林:柔軟に対応できるように、ということでしょうか?

小野:そうですね。お芝居はコミュニケーションだと思っています。誰かの影響を受けて言葉を発したり行動すると思うので、自分ひとりで作っていくという感覚がなくて。共演するキャストや監督がどういう風にキャラクターを動かしていきたいのかということに柔軟に対応できるように、もちろん事前準備はしますが、あまり決めすぎずにフラットな状態を意識しています。それは自分の意思がないとか、言われた通りにやるっていうことではなく、監督のやりたいことも聞いて、違うなと思ったらもちろん言う。でも、なるべく柔軟に対応するということは心がけていますね。

『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』©創通・サンライズ

小林:小野さんの役の振り幅と言いますか、ハリー・ポッターからのハサウェイ・ノアっていう温度差にも感動なんですが、好きな作品や監督はいらっしゃいますか?

小野:湯浅政明監督が好きです。湯浅監督の作品は全部トガッてますよね(笑)。人間の汚いところをしっかり汚く表現するというか、すごくリアル。そうかと思えば『夜は短し歩けよ乙女』(2017年)みたいなファンタジーで不思議な話をポップに面白く作れたりもする。僕も『日本沈没2020』(2020年)に出演させていただいたんですが、嬉しかったですね。

小林:そういった監督や作品がご自身の声優というお仕事に、影響を与えている部分はありますか?

小野:やはり出演していて、すごく楽しかったです。今回の『閃光のハサウェイ』もそうですが、作品作りってあらためて楽しいなって思いますし、また面白い作品に呼んでもらえるような役者にならないといけないなと毎回、思いますね。そのための自分磨きだとか、より魅力的になるための努力は怠っちゃいけないって、いつも考えています。

『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』©創通・サンライズ

小林:ストイックですね。

小野:ストイックなんですかね。結局、評価されるのが“自分”な職業なので、納得できないものはあまり世に出したくないってところですかね。

小林:それでは映画を楽しみにしている皆様にメッセージをお願いいたします。

小野:すごく丁寧に作り上げられた作品ですので、大きいスクリーンと良い音で『ガンダム』の世界を全身で体感してもらえたらなと思います。ぜひ映画館でご覧ください。

小野賢章

取材:小林麗菜
写真:町田千秋
ヘアメイク:齋藤将志 スタイリスト:DAN
衣装:ジャケット SEVEN BY SEVEN(Sakas PR)/シャツ iori (TEENY RANCH)

『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』は2021年6月11日(金)より全国公開 Dolby Cinema™/ 4D同時公開 。公開劇場全館にて劇場限定版Blu-ray、6月11日(金)より公開と同時発売!

©創通・サンライズ

配給: 松竹ODS事業室

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『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』

第二次ネオ・ジオン戦争(シャアの反乱)から12年。地球連邦政府の腐敗は地球の汚染を加速させ、強制的に民間人を宇宙へと連行する非人道的な政策「人狩り」も行っていた。それに対して苛烈な行為で抵抗を開始したのが、反地球連邦政府運動「マフティー」。リーダーであるマフティー・ナビーユ・エリンの正体は、連邦軍大佐ブライト・ノアの息子ハサウェイ・ノアだった。アムロ・レイとシャア・アズナブルの意志を宿した戦士として道を切り拓こうとするハサウェイだが、連邦軍大佐ケネス・スレッグと謎の美少女ギギ・アンダルシアとの出会いがその運命を大きく変えていく。

制作年: 2020
監督:
声の出演:
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  • アニメ
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