GG賞受賞! “声優”ヒュー・ジャックマンが命を吹き込む超絶技巧アニメ『ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒』

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ライター:森本康治
GG賞受賞! “声優”ヒュー・ジャックマンが命を吹き込む超絶技巧アニメ『ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒』
『ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒』© 2019 SHANGRILA FILMS LLC.

フルCGが主流となったアメリカのアニメーション映画界において、今なお根強い人気を誇るストップモーション・アニメーション作品。『フランケンウィニー』(2012年)や『映画 ひつじのショーン~バック・トゥ・ザ・ホーム~』(2015年)、『犬ヶ島』(2018年)など数々の傑作が世に送り出されているが、スタッフの技術力、クリエイターの表現力ともに、現代最高峰のアニメーション制作会社のひとつとして知られているのが、今年設立15周年を迎えたスタジオライカである。『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』(2016年)のヒットで日本でも知名度がアップした同社の最新作『ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒』(2019年)が、2020年11月13日(金)に日本公開となる。

『ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒』© 2019 SHANGRILA FILMS LLC.

ライカの新作は英国紳士と“伝説の生き物”の世界を股にかけた冒険活劇!

『コララインとボタンの魔女 3D』(2009年)、『パラノーマン ブライス・ホローの謎』(2012年)、『ボックストロール』(2014年)などダークファンタジー系の作風を持ち味とするライカだが、今回の『ミッシング・リンク』はクラシカルな冒険活劇とバディ・ムービーのテイストが強めの内容となっている。

『ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒』© 2019 SHANGRILA FILMS LLC.

探検家で未確認生物ハンターのライオネル・フロスト卿が、「貴族クラブの連中の鼻を明かしてやる」と意気込んで冒険に出る展開は、名作アドベンチャー映画『80日間世界一周』(1956年)を彷彿とさせるものがある。

『ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒』© 2019 SHANGRILA FILMS LLC.

そして本作でもライカの超絶技巧は健在。酒場での大乱闘や、嵐で激しく揺れる船内でのチェイスアクション、クライマックスの宙吊りアクションなど、素人目に見ても撮影にものすごく手間がかかっていそうなシーンが次々と登場し、業界随一の職人技に「どうやって撮ったんだ?」と思わず見入ってしまう。

『ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒』© 2019 SHANGRILA FILMS LLC.

魅力的な“声”を持つ俳優たちがキャラクターに命を吹き込む

個性あふれるキャラクターに命を吹き込むのは、豪華な顔ぶれの俳優たち。野心家で気取り屋だが、温かみのある声に生来の人の良さが滲み出るライオネル役のヒュー・ジャックマン。全身毛むくじゃらの巨体と、本人の髭モジャな風体が見事にシンクロした“伝説の生き物”ビッグフット=Mr.リンク役のザック・ガリフィアナキス(『ハングオーバー!』シリーズ[2009~2013年]など)。

そして『アバター』(2009年)や『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズ(2014~2017年)に続いて逞しいヒロインのアデリーナを演じるゾーイ・サルダナなど、キャラクターのツボを押さえた絶妙なキャスティング。筆者は特徴的なハスキーボイスを持つ『ダイ・ハード4.0』(2007年)のティモシー・オリファントが、悪辣なバウンティハンターのステンク役を憎々しげに好演しているのが嬉しかった。

『ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒』© 2019 SHANGRILA FILMS LLC.

コーエン兄弟監督作品の常連作曲家が音楽を担当

本作の音楽を担当したのは、『ファーゴ』(1996年)や『バスターのバラード』(2018年)など、コーエン兄弟監督作品で知られるカーター・バーウェル。アカデミー賞作曲賞にノミネートされた『キャロル』(2015年)のトッド・ヘインズと『スリー・ビルボード』(2017年)のマーティン・マクドナー、そして『マルコヴィッチの穴』(1999年)のスパイク・ジョーンズなど、名だたる鬼才監督たちから厚い信頼を寄せられている作曲家である。

『スリー・ビルボード』オリジナル・サウンドトラック
音楽:カーター・バーウェル
発売・販売元:Rambling RECORDS Inc.
品番:RBCP-3238

シリアスで示唆に富んだ音楽に定評があり、それゆえ賑やかで分かりやすい音楽が必要とされるファミリー向けアニメ作品への登板機会は極めて少ない。チャーリー・カウフマン監督・脚本の『アノマリサ』(2015年)はストップモーション・アニメーション映画だが、朗読劇を原作とする完全に大人向けの内容だった。そんな彼にあえて本作のスコア作曲を依頼するのが、ライカのユニークなところと言えるだろう。

クリス・バトラー監督のリクエストに添って、バーウェルは本作でスケール感のある伝統的なオーケストラ・スコアを作曲。ライオネルがネッシーと遭遇するシーンで流れる雄大なメロディのメインテーマが、冒険の幕開けを予感させる。そして物語の舞台が英国→アメリカ北西部→インド~ヒマラヤへと展開していくと、スコアもウエスタン/アメリカーナ音楽やインド音楽など、その土地の雰囲気を反映したサウンドになっていく。

『ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒』© 2019 SHANGRILA FILMS LLC.

滑稽なシーンで意図的にシリアスな音楽をつけた『バーン・アフター・リーディング』(2008年)や、サウンドの微妙な変化でふたつの時代と登場人物の内面を暗示した『ワンダーストラック』(2017年)など、深遠かつ難解な音楽を書くイメージが強いバーウェルだが、今回はキャラクターの喜怒哀楽がストレートな形で表現された音楽に仕上げている。

そしてサウンドトラックアルバムには、賑やかなエンドクレジットを彩ったウォルター・マーティン書き下ろしのテーマソング「Do-Dilly-Do (A Friend Like You)」も収録されているので、こちらも要チェック。

『ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒』オリジナル・サウンドトラック
音楽:カーター・バーウェル
発売・販売元:Rambling RECORDS Inc.
品番:RBCP-3375

文:森本康治

『ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒』は2020年11月13日(金)より新宿バルト9ほか全国順次公開

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『ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒』

ヴィクトリア朝時代のロンドン。孤独な探検家のライオネル卿は、伝説の生物の存在を探し求めてアメリカ北西部へと旅立つ。そこで発見したのは、巨体で全身毛むくじゃら、人間の言葉を話す少しおっちょこちょいの生きた化石だった!

ひとりぼっちで仲間に会いたいと願う、その名も“Mr.リンク”と野心家のライオネルは、地球の裏側にある伝説の谷シャングリラを目指す。超ユニークな凸凹バディが、壮大な旅路の果てに発見する、世界の常識を覆す“驚くべき真実”とは――?

制作年: 2019
監督:
声の出演:
  • BANGER!!!
  • アニメ
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