島﨑信長「“諦め方が大人”って言われた」アフレコ秘話!信頼ゼロの異端ヒーロー物語『TO BE HERO X』インタビュー
島﨑信長
「自分も曲がりなりに成長しているなと、ちょっと実感できた」
―ヤン・チョンの役作りはどのように?
ヤン・チョンは素直なキャラクターでバックボーンも開示されていたので、割と印象のままに演じました。ただ、ちょっと印象的だったディレクションがあって。けっこう創作物の中の大学生って、リアルより大人に描写されることが多かったりするんですけど、ヤン・チョンは等身大の大学生で、今も迷える青少年というか(笑)。
すごく素敵だなと思って演じていたんですけど、ヤン・チョンが「どうせ俺なんて」と諦めを見せる芝居で、ディレクターさんに「諦め方が大人」って言われたんですよ。そう言われて、確かに少し物分かりが良すぎたかなと反省しました。
『TO BE HERO X』©bilibili & BeDream,Aniplex
でも、ディレクションを受けてハッとしたんです。以前と同じ感覚で演じても、今の自分の積み重ねてきた年季とか、説得力みたいなものが自然と演技に乗るようになっていっているんだなと思って、ちょっと嬉しさもあった。年々研鑽を積んで、人生経験を積んで、説得力が増し続けている先輩方をずっと見続けきたから、自分も曲がりなりに成長しているなと、ちょっと実感できたので。すみません! という気持ちと少しの喜びもありつつ、そのやり取りは印象深くて、そこで改めてヤン・チョンのピントをしっかりと合わせることができました。
『TO BE HERO X』©bilibili & BeDream,Aniplex
―アフレコ現場はどうでしたか? 共演者の方とは一緒に収録できたんでしょうか。
【魂電編】は、ほぼ皆さんいらっしゃいましたね。掛け合いながら収録ができてとてもよかったです。同じ空間で録っていると、距離感のズレやニュアンスのズレとかも当然分かりやすいじゃないですか。その場で掛け合って修正できるから、その辺のディレクションをちゃんとして頂いた印象がありました。
アフレコ終わりにシャン・チャオ役の広瀬(裕也)くんと2人で現場近くのカフェに入って、時間ギリギリまで芝居について話し込みました。クリエイティブな現場って話したくなるんですよね。学びや発見とかもあって、気持ちも高まるから、そういう良い現場だったなっていう印象がありました。
―普段ご自宅で映画やアニメをご覧になる際のこだわりはありますか?
職業病なんですが、話の筋とか構成、先の展開の予測とかは 自然としながら見ちゃったりします。アニメと実写でも見方が変わります。アニメだったら特に芝居が気になるし、 プロとして関わらせてもらっている視点で観たりすることも多い。音作りや、細かいこだわりとかを意識するのはすごい好きですね。 わりと自分の物差しみたいなものがはっきりしている人かなと思っていて、けっこう“ここ好き”っていうのは、よく思いながら観ています。
『TO BE HERO X』©bilibili & BeDream,Aniplex
「僕も台本をもらうたびにワクワクしながら収録した」
―BANGER!!!の読者に楽しんで欲しいポイントはありますか?
ある意味それぞれの映画のような物語があって、それが最終的に交わっていくので、 ひとつのエピソードだけ観ても全貌は見えないんですよ。とはいえ、いろいろな種は撒かれているし、 重厚な世界観は感じるし、話の流れも面白いので、 いろいろ想像を膨らませて楽しんで欲しいです。
でも、変に全貌を先読みして理解しようとすると分からなくなっちゃうかもしれないので、集中するところと、ちょっと気を抜いて柔らかく観るところ、そんな見方をして頂けると、より楽しんで頂けるのかなと思います。
―今後の展開への期待感と併せて、メッセージをお願いします。
オムニバス形式の作品って「やってやるぜ!」という気概がないと挑戦しづらいものだと思うんですが、そこにガッツリと取り組んでいる作品です。他のヒーローのシナリオに魂電が出てくることもあるので、物語の交わり方とか、事態の動き方に、僕もワクワクしていました。
物語が進んでいくにつれて、ちょっとずつ世界の秘密みたいなものが解き明かされていったり、そうかと思ったらもっと大きい秘密が出てきたりとか。闇が見えてきたり、魂電に関しても、きっとそういうことだよね……みたいな想像が膨らむ内容が出てきて。僕も一視聴者のように、台本をもらうたびにワクワクしながら収録したので、きっと皆さんにもそういう風に楽しんでいただけるんじゃないかなと。ぜひ最後まで一緒に追っていただけたら嬉しいなと思います。
島﨑信長
『TO BE HERO X』は毎週日曜日あさ9:30よりフジテレビほかにて放送中。【魂電編】最終話となる第7話は5月19日(月)12:00よりNetflix & Prime Videoにて最速配信
『TO BE HERO X』
異彩を放つヒーローたちが喝采を浴びる世界。
ここでは、「信頼」がスーパーヒーローを生み出す。
人々が「彼は空を飛べる」と信じれば、その男は飛行する能力を手に入れる。
逆に特殊な力を持つヒーローでも、信頼を失えば能力もまた失われる。
信頼はデータとして集計され、その数値によってヒーローのランキングが変動する。
2年に一度、トップランクのヒーローたちが集い繰り広げるヒーロートーナメント。
そこでのパフォーマンスによって「信頼値」が更新され、ランキングは再構築される。
ランキングの頂点に立つ絶対的なヒーロー、
人はそれを「X」と呼ぶ――
キャスト:宮野真守、花澤香菜、内山昂輝、中村悠一、松岡禎丞、佐倉綾音、水瀬いのり、山寺宏一、島﨑信長、花江夏樹 ほか
原作・監督:Haolin(リ・ハオリン)
オープニングテーマ:「INERTIA」SawanoHiroyuki[nZk]:Rei
エンディングテーマ:「KONTINUUM」SennaRin
メインテーマ:「JEOPARDY」澤野弘之
音楽:澤野弘之、KOHTA YAMAMOTO、ケンモチヒデフミ、DAIKI (AWSM.)、睦月周平、深澤秀行、馬瀬みさき、髙田龍一(MONACA)
制作:BeDream
製作:bilibili & BeDream, Aniplex
| 制作年: | 2025 |
|---|
毎週日曜日あさ9:30よりフジテレビほかにて放送中、毎週月曜12:00~Netflix&Prime Video にて最速配信