福島第⼀原発事故を3つの視点で描く
全8話からなる本作は、入念なリサーチに基づき、3つの異なる視点から事故を克明にとらえた重層的なドラマ。「あの日、あの場所で何があったのか」を、政府、会社組織、そして原発所内で事故に対峙する者たち、それぞれの視点から描いた実話に基づく物語。企画・脚本・プロデュースは、『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』など大ヒット作を手掛ける一方、『白い巨塔』『はだしのゲン』といった骨太な社会派ドラマを世に送り出してきた増本淳。『コード・ブルー』シリーズの監督として増本と長年タッグを組んできた西浦正記と、『リング』シリーズの中田秀夫がダブル監督を務める。
「世界中の人たちにこの事実を知っていただきたい」
2011年3月11日、三陸沖を震源とするマグニチュード9.0の巨大地震とそれに伴う大津波は、東日本一帯に甚大な被害をもたらした。それは人類がかつて経験したことのない危機の始まりでもあった。本作の製作陣は徹底的にリアリティを追求し、安易な英雄譚や美談に仕立てることを避け、3つの視点による重層的なドラマによって、真実をあぶり出していく。国家の命運をも左右する危機の裏側で重大な決断を迫られた政府、会社組織はどのように向き合ったのか。政府や本店からの錯綜する指示に翻弄され、タイムリミットに追われた最前線の現場で、原子炉の暴走を阻止するためにどんな戦いがあったのか。ドラマシリーズだからこそ実現した濃密な人間模様の描写には、忖度や誇張を排除した強靱なリアリズムが息づいている。
未曾有の事故が起こった福島第一原子力発電所で陣頭指揮を執る吉田所長を演じた役所広司は、「プロデューサーの増本さんからこの企画のコンセプトを聞いた時に、「あの日、あの時、何が起きていたのかを丁寧に描いて、世界中の人に伝えるべきではないか」という話を聞いて、それに加えてプロデューサーの思いというのが…この事故はあの7日間だけでなく、これからどんどん廃炉に向けて日本だけではなくて世界中が注目するだろうと。それを何とか描き続けてみたいと想いを聞いて、素晴らしいと思い、これは是非参加したいと思いました」と、製作陣の並々ならぬ覚悟や想いに感銘を受けて出演を決めたと明かしている。
日本政府、内閣総理大臣として難しい役どころに挑んだ小日向文世は、出演を決める時に「ためらいはなかったですね」と断言する。「やはり3.11の首相官邸の混乱、あの渦の中にいた首相を演じるということは経験できないことだと思いましたし、そのような役を頂くのも最初で最後だと思ったし…その時の首相はどのような葛藤があったのか、それを演じる楽しみがありましたね」と、役者人生の中で希有な機会が訪れたと確信し、葛藤が滲む役柄を見事に演じきった。
福島第一原発の現場、1, 2号機 ベテラン運転員を演じたのは小林薫だ。実在の人物を演じるにあたって、「やはり自分の会社を愛しているとか、それだけに留まらない。自分の仕事に誇りを持っている人たちが、こんなにいるんだなと思いました。本当に命がけの作業に手を挙げて「行く」と言うんですもんね」と当時の命がけで働いていた人たちに敬意を示し、「現場で働いている職員の人たちはやはりすごいなと思いましたね」と現場を振り返っている。
さらに事故発生現場に最も近い中央制御室の当直長を体現した竹野内豊が登場し、「世界中の人たちにこの事実を知っていただきたい」と強い想いを口にする。竹野内は「一人でも多くの方が何かこの映像の中から感じていただくことに大きな意味があるのではないかなと思っています」と語り、『THE DAYS』によって、世界中の人々の意識に変化が生まれ、この作品が誕生した意味が生まれるのではないかと結んでいる。
『THE DAYS』(全8話)はNetflixにて世界独占配信中