“こんなの撮れるのかと恐怖すら覚えた” 『西部戦線異状なし』リアリティを極めた舞台裏映像が公開中

“こんなの撮れるのかと恐怖すら覚えた” 『西部戦線異状なし』リアリティを極めた舞台裏映像が公開中
Netflix 映画『西部戦線異状なし』独占配信中

“オスカー最有力作”誕生までの軌跡

Netflixにて独占配信中の映画『西部戦線異状なし』より、制作の舞台裏映像が公式YouTubeにて公開された。映像では、メイキングやインタビューなどの撮影風景が記録され、“映画史に名を刻むかもしれない”本作のリアリティを徹底的に追求した制作のこだわりが語られている。

本年度のアカデミー賞で、作品賞や国際長編映画賞など9部門にノミネートされるという快挙を果たし、英国アカデミー賞では最多14ノミネート/7部門にて受賞、ゴールデングローブ賞でも最優秀非英語映画賞ノミネートという高評価を獲得し話題を集めている本作は、“絶望”と“恐怖”に溢れた第一次世界大戦の西部戦線で戦う若きドイツ軍兵士の心情と体験をリアルに描き出す人間ドラマ。

「映像化できるのか不安だった」

祖国ドイツのために戦おうと志願した17歳の青年・パウルとその仲間たちは、最前線で互いの命をかけて戦ううち、参戦した当初の高揚感が、いかにして“絶望”と“恐怖”へと変貌していくかを、身を持って経験していくことになる——。

映像では、緊張感に包まれた本編映像の一部と、監督を務めるエドワード・ベルガー(『パトリック・メルローズ』『ぼくらの家路』)による緻密な撮影手法が次々と明かされていく。ベルガー監督は「今作のチームは本当に優秀だった。すばらしいメンバーに恵まれて幸運だよ。最高の顔ぶれが集まった、あのメンバーを超える制作陣はない」と、思い描く映像を高いレベルで形にしていく制作陣を絶賛。また、「どう撮影するべきか技術的な悩みもあった。こんなの撮れるのかと恐怖すら覚えた。映像化できるのか不安だった」「(塹壕での撮影について)撮影可能だと確信できるまで信じられないほど長い期間を要した」など、リアリティにこだわり抜いた故の苦労も振り返った。

撮影監督のジェームズ・フレンドも、「戦争当時も塹壕は人であふれていたはず。撮影中も100人以上がごった返していた。(美術担当は)塹壕を拡張したんだ。(撮影に合わせて)大きすぎず小さすぎず、的確なサイズにね。史上最高のセットだったと思う。撮影に携われて光栄だ」と、作品の出来栄えに自信を覗かせている。

Netflix『西部戦線異状なし』

映像のクオリティを底上げしているのは、撮影技術や美術だけではない。兵士を演じるキャストたちは撮影に向けて特別な訓練を受けたそうで、主人公のパウルを演じるフェリックス・カメラーは「ぬかるみで転ばなかったのは訓練のおかげだよ。爆破シーンでの身のこなし方も覚えた。40キロの荷物を背負って200メートルを20回走った。途中で体が言うことを聞かなくなった…満身創痍だよ」と、兵士さながらの徹底した訓練について解説。

映像では、特殊効果や衣装、サウンドトラックなど様々な角度から制作陣の思いが語られ、アカデミー賞をはじめ世界的な映画賞に多数ノミネートされる本作の魅力に説得力を与えている。エリッヒ・マリア・レマルク著による1928年のベストセラー書籍「西部戦線異状なし」を原作にしたこの渾身作は、今だからこそ観る者の心に強烈なメッセージを伝えてくるに違いない。映画史に深く名を刻むかもしれない本作が、どのようにして生まれたのか、賞レースの行方とともに、本映像も併せて堪能してほしい。

『西部戦線異状なし』はNetflixにて独占配信中

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