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唯一の手掛かりは高級ドレス、殺人の動機は? フランスの名匠パトリス・ルコント監督最新作『メグレと若い女の死』

唯一の手掛かりは高級ドレス、殺人の動機は? フランスの名匠パトリス・ルコント監督最新作『メグレと若い女の死』
『メグレと若い女の死』©2021 CINÉ-@ F COMME FILM SND SCOPE PICTURES.

『仕立て屋の恋』監督&原作コンビ再び

3月17日(金)より公開されるフランス映画『メグレと若い女の死』より、ポスタービジュアルと本編映像が解禁となった。

本作は、「第42回カンヌ国際映画祭」にノミネートされた『仕立て屋の恋』(89)や、「第16回セザール賞」にて7部門ノミネートされた『髪結いの亭主』(90)など、大人の恋愛劇に定評のあるフランスの名匠パトリス・ルコント監督が8年ぶりに制作した最新作。原作は、彼の出世作でもある『仕立て屋の恋』の原作者でもあるジョルジュ・シムノンの傑作ミステリー小説。シムノンの代表作である〈メグレ警視シリーズ〉の中でも、深い余韻に包まれる読後感からファンにも人気の高い、1954年に発行された映画と同名の小説「メグレと若い女の死」を基にルコント節全開で描かれる。

『メグレと若い女の死』©2021 CINÉ-@ F COMME FILM SND SCOPE PICTURES.

〈メグレ警視シリーズ〉は、世界中で数え切れないほど映像化されており、日本でも〈東京メグレ警視シリーズ〉として1978年にテレビ朝日系列で放送。愛川欽也がメグレを演じたが、今回ルコント版で主人公メグレ警視役を務めるのは、フランスきっての名優ジェラール・ドパルデュー。身長180センチ、体重100キロという原作に忠実と言える大柄な体型を活かしつつ、重厚さと渋みを漂わせる名演も見どころとなっている。

パイプがトレードマークなのに……

このたび公開された本編映像は、最近老いを感じ出していたメグレが医師から禁煙を命じられる様子を捉えたシーン。その後、別日に判事の元を訪れたメグレは、いつもの癖でパイプを口に運んでしまう。判事はメグレが禁煙中であることなど知る由もないが、日本海で見つけられた珍しい熱帯魚たちを部屋で大事に育てていたことから「ノンノン!魚たちが嫌がるからパイプはだめ!」とメグレの喫煙を静止。急に注意されてメグレも我に返ったのか、キョトンとした表情でぽつりと、「そうですね」とつぶやく。一見無骨なメグレが少し可愛らしく感じ、彼の人柄が垣間見える場面だ。

日本オリジナルのポスタービジュアルは、ミッフィーで知られる世界的グラフィックデザイナーのディック・ブルーナが装幀を手掛けていた〈メグレ警視シリーズ〉のペーパーバックにインスパイアされて制作したもの。どっしりしたメグレ警視のシルエットを愛らしくキャラクター化し、トレードマークであるパイプからはカラフルな輪っかの煙があがっている。彼の周りには捜査に必要な証拠写真が散らばっており、モダンなデザインの中にメグレの世界観が見事に描かれている。

唯一の手掛かりである血塗られた高級ドレスが導き出す真相とは?シムノン・ファンであることを以前から公言していたルコントにとって渾身の一作である『メグレと若い女の死』は、3月17日(金)より、新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開。

『メグレと若い女の死』©2021 CINÉ-@ F COMME FILM SND SCOPE PICTURES.

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『メグレと若い女の死』

1953年のパリ。ある日モンマルトルのヴァンティミーユ広場で、シルクのイブニングドレスを着た若い女性の刺殺体が発見される。血で真っ赤に染まったドレスには 5 か所もの執拗な刺し傷。この事件の捜査を依頼されたメグレ警視は、死体を見ただけで複雑な事件になる予感がするのだった......。
死体のそばに持ち物類は何もなく、事件を目撃した人もいない。彼女が誰なのか、どんな女性だったのかを知る人もいない。そんな状況で、靴や下着など若い女性が身につけていた他のものとは明らかに不釣り合いな高級なドレスが彼女を特定する唯一の手掛かりに。メグレ警視は捜査を進めていくうちに、身元不明の彼女がどうして殺されなくてはいけなかったのか、彼女はどんな人生を送ってきたのかを探っていく。この事件に異常にのめり込んでいくメグレ警視。何が彼をこれほどまでに駆り立てるのか......。

原作:ジョルジュ・シムノン「メグレと若い女の死」
監督:パトリス・ルコント
脚本:パトリス・ルコント、ジェローム・トネール
撮影:イヴ・アンジェロ
音楽:ブリュノ・クーレ
出演:ジェラール・ドパルデュー、ジャド・ラベスト、メラニー・ベルニエ、オーロール・クレマン、アンドレ・ウィルム