2022年も残すところあと3カ月。アカデミー賞受賞歴を持つ気鋭の米制作会社A24が配給する、今後日本で公開予定の最新作5作を紹介する。辛口批評家が集う米映画批評サイト「ロッテントマト」でも話題になったA24の注目作をチェックしよう!
まもなく公開のA24作品5選!!
『アフター・ヤン』 2022年10月21日(金)TOHOシネマズ シャンテ他全国ロードショー
『コロンバス』(2017年)のコゴナダ監督最新作『アフター・ヤン』。舞台は“テクノ”と呼ばれる人型ロボットが、一般家庭にまで普及した未来世界。茶葉の販売店を営むジェイク(コリン・ファレル)、妻のカイラ(ジョディ・ターナー=スミス)、中国系の幼い養女ミカ(マレア・エマ・チャンドラウィジャヤ)は、慎ましくも幸せな日々を送っていた。しかしAIロボットのヤン(ジャスティン・H・ミン)が突然の故障で動かなくなり、ヤンを本当の兄のように慕っていたミカはふさぎ込んでしまう。修理の手段を模索するジェイクは、ヤンの体内に一日ごとに数秒間の動画を撮影できる特殊なパーツが組み込まれていることを発見。そのメモリバンクに保存された映像には、ジェイクの家族に向けられたヤンの温かな眼差し、そしてヤンがめぐり合った素性不明の若い女性の姿が記録されていた……。
『グリーン・ナイト』 2022年11月25日(金)TOHOシネマズ シャンテ他全国ロードショー
A24史上、最も美しく、最も壮大なダークファンタジーと話題を集める『グリーン・ナイト』。本作は「指輪物語」の作家J・R・R・トールキンが現代英語に翻訳した、14世紀の作者不明の叙事詩「サー・ガウェインと緑の騎士」を脚色し映画化した作品。アーサー王の甥であるガウェインは、正式な騎士になれぬまま怠惰な日々を送っていた。そして、クリスマスの日。円卓の騎士たちが集う王の宴に、まるで全身が草木に包まれたような風貌をした緑の騎士が現れ、恐ろしい首切りゲームを持ちかける。それは呪いと厳しい試練の始まりだった。1年後、ガウェインは約束を果たすべく、未知なる世界へと旅立ってゆく。
監督・脚本は『A GHOST STORY/ア・ゴースト・ストーリー』(2017年)のデヴィッド・ロウリー。示唆に富んだ斬新で濃度の高い魅惑的な映像と、ファンタジーを舞台装置としてロウリー監督が紡ぐ一人の人間の野望と挫折、愛と欲望の物語は「魔法にかけられたように美しい」「歴史に名を残す騎士道物語」「唯一無二」など世界中の評論家や観客から絶賛を浴びた。未熟でどこか頼りない主人公ガウェインを演じるのは『スラムドッグ$ミリオネア』(2008年)のデヴ・パテル。『リリーのすべて』(2015年)でアカデミー助演女優賞を受賞したアリシア・ヴィキャンデルが、一人二役の難役を演じている。他にジョエル・エドガートン、ショーン・ハリス、バリー・コーガンなど個性派俳優たちが脇を固める。
『MEN 同じ顔の男たち』 2022年12月9日(金)TOHOシネマズ 日比谷他全国公開
『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』(2021年)のロリー・キニアが、同じ顔をした不気味な男たちを演じたことで本国で話題を呼んだサスペンススリラー『MEN 同じ顔の男たち』。物語はハーパー(ジェシー・バックリー)は夫ジェームズ(パーパ・エッシードゥ)の死を目の前で目撃してしまうところから始まる。彼女は心の傷を癒すため、イギリスの田舎街を訪れる。そこで待っていたのは豪華なカントリーハウスの管理人ジェフリー(ロリー・キニア)。ハーパーが街へ出かけると少年、牧師、そして警察官など出会う男たちが管理人のジェフリーと全く同じ顔であることに気づく。街に住む同じ顔の男たち、廃トンネルからついてくる謎の影、木から大量に落ちる林檎、そしてフラッシュバックする夫の死。不穏な出来事が連鎖し、“得体の知れない恐怖”が徐々に正体を現し始める——。監督は『エクス・マキナ』(2015年)でアカデミー脚本賞にノミネートされたアレックス・ガーランド。
『Never Goin’ Back/ネバー・ゴーイン・バック』 2022年12月TOHOシネマズ シャンテ他全国ロードショー
『HOT SUMMER NIGHTS/ホット・サマー・ナイツ』(2017年)のマイア・ミッチェル×『デス・ウィッシュ』(2018年)のカミラ・モローネ主演の青春映画『Never Goin’ Back/ネバー・ゴーイン・バック』。最悪な日常から飛び出すべくビーチリゾートでのバカンスを目指す2人組の奮闘を描く。米俳優のオーガスティン・フリッゼルが自身の実体験をもとに脚本を執筆した。
年明け公開!!『EVERYTHING EVERYWHERE ALL AT ONCE』2023年3月公開
A24史上最大のヒットを記録した『EVERYTHING EVERYWHERE ALL AT ONCE(原題)』は、本年度のハリウッド批評家協会賞で作品賞を含む7部門を受賞した超話題作。ハリウッドを牽引し続けるアジア系女優、ミシェル・ヨーが主演をつとめ、『グーニーズ』(1985年)などで当時一世を風靡し、今作で20年ぶりのハリウッド復帰を果たしたキー・ホイ・クァンが共演する。監督は、生者と死者のコンビをユーモラスにブラックジョークたっぷりに描いた『スイス・アーミー・マン』(2016年)のダニエル・シャイナート&ダニエル・クワン。国税庁の監査官に厳しい追及を受ける主人公エブリンは、突然、気の弱い夫・ウェイモンドといくつもの並行世界(マルチバース)にトリップ!! 「全宇宙に悪がはびこっている。止められるのは君しかいない」と告げられ、マルチバースにはびこる悪と戦うべく立ち上がる。