『JAWS/ジョーズ』誕生秘話! サメロボット“ブルース”を生んだ美術監督が語った数々の困難とは?

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ライター:ニュース編集部
『JAWS/ジョーズ』誕生秘話! サメロボット“ブルース”を生んだ美術監督が語った数々の困難とは?
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元祖サメ映画ともいえる衝撃のパニックスリラー『JAWS/ジョーズ』(1975年)が、2020年で公開45周年を迎える。その当時無名だったスティーヴン・スピルバーグの名を世界的に知らしめることとなった本作だが、予想以上に製作費がかかり、予定された撮影日数もオーバーするなど、トラブル続きだったことでも有名だ。その要因のひとつとなったのは、主人公といっても過言ではないほどの存在感を見せつけた巨大人喰いザメ。スタッフから“ブルース”と呼ばれていた撮影用ロボットのサメを制作し、リアルさを追求した当時の製作秘話が、米SYFY WIREのインタビューで美術監督のジョー・アルヴスが明かした。

約8メートルの大きなサメを作って海で撮影!

アルヴスは、スティーヴン・スピルバーグが本作の監督に決まる前から製作に携わっていた。ジョーズより前に、スピルバーグ監督の初の長編劇場作品『続・激突!/カージャック』(1974年)の美術監督として一緒に仕事をしたことがあったという。

「スピルバーグから、サメ映画のアイデアを製作会社に売り込むために、ガレー船を調べてたくさんのイラストを描いてくれないかと頼まれたんだ。彼はまだ『JAWS/ジョーズ』の監督に決まっていなかったから、おそらく1973年の8月か9月の話だったと思う。」

アルヴスがスピルバーグにイラストを見せたところ、彼の口からは大胆なアイデアが飛び出したという。

「もしこれをやるなら、約8メートルの大きなサメを使って、実際の海で撮影するべきだと彼は言ったんだ。野外撮影用の水槽とかじゃなくてね。」

ブルースを制作してから本物の海で撮影するとなれば、明らかに苦難が待ち受けていることは予測できそうなものだが、何故その苦労に飛び込んでいったのか? アルヴスは明かす。

「今までいくつか大きなカジキなどを使った映画を見たことがあったけど、全部本物には見えなかったんだ。背景がペイントされた水槽は本物の海には見えない。実際の海での撮影は、今までに誰もやったことがないアイデアだったよ。ディズニーはシャチなどを作っていたと思うけど、水槽で撮影されていた。だから、これをやりたいしやるんだ、と言ってみたら、製作会社に、それはできないよ、1年半はかかるだろう、誰もやったことがないじゃないか、と言われたんだ。」

サメロボットに問題が発生…!!

最終的に、ユニバーサル・ピクチャーズの製作責任者はアルヴスにロボットのサメ・ブルースの制作を進めるよう伝え、アルヴスは優秀なチームを組み、取り掛かることにした。しかし、撮影までの時間は刻一刻と迫っていた。

「1973年の11月だったと思うんだけど、1974年2月に脚本が出るから、2ヶ月後に撮影を始めると製作会社に言われたんだ。ブルースを開発して、十分にテストする時間がなかったから、のちに問題を引き起こすことになった。問題が発生するかどうか自体も、今までに経験したことがなかったことだから、そのときは想像つかなかったんだ。結局4〜5ヶ月間テストをしているうちに動くようになって、3匹のサメのロボットを組み立てたんだ。
最初にわかった問題は、塩水と電子機器の相性が悪いということだった。塩水の中で動かし始めると、サメのブルースが故障するんだ。すぐ引っ張り出してきては、やり直さなければならなかった。スピルバーグはできる限りサメなしで撮影していたよ。」

しかし、最終的には彼らが求めていた“リアル”を手に入れることができた。アルヴスは次のように語る。

「ブルースのシーンは、最終的に全て私の描いたもともとの絵コンテ通りだったんだ。ブルースをいっぱい使わなかったのは上手く動かなかったからだとみんなは言うけれど、そんなことはないよ。絵コンテに描いた通りのシーンを十分に表現することができた。時間がかかってしまっただけで、全てうまくいったんだ。」

撮影時のトラブルが続く!! サメ以外に横切るものが…

実はブルースに限らず、本物の海自体も厄介な問題の一つだったとアルヴスは明かしている。1973年12月までに、観光地として有名なアメリカ東海岸のマーサズ・ヴィニヤードをロケ地に決めており、水深約8mの入り江、潮の干満も十分にあり、スピルバーグの望み通りでサメのブルースにとっても完璧な場所だったという。しかし、ここでも違った問題に直面した。

「6月から8月にかけて、いろんな船が来るようになってしまったんだ。スピルバーグは、誰もいない、孤立した状態を求めていた。私たちは彼らがいなくなるのを待たなければならなかった。協力してくれる人もいれば、なかには協力してくれない人もいた。水平線上にボートがないショットが撮れるのを待っていたことで、撮影に遅れが出てしまったんだ。」

また、ブルースを作品に登場させすぎないように慎重に進めた意図もアルヴスによって明かされている。

「サメを登場させすぎると、以降のサメ映画でも映しすぎるようになってしまう。スピルバーグは非常に賢い選択をしたと思うよ。船が通り過ぎて“もっと大きな船が必要だ”と言うシーンにはとても満足した。映画のベストシーンのひとつは、サメが酸素ボンベを咥えて去っていくシーンだ。あのシーンは本当に良くできていると思うよ。」

104日も余分に製作する時間がかかってしまい「スタッフはみな疲れ果てていた」とも明かしたアルヴス。製作陣の汗と涙の結晶の作品となったのは間違いない。

『ジョーズ3』日本テレビ「映画天国」で2020年6月22日(月)放送!

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『ジョーズ』

小さな海水浴場で女子大生が行方不明になり、翌朝、無惨な遺体が浜に打ち上げられた。巨大ザメの仕業とにらんだ警察署長ブロディは海岸の閉鎖を訴えるが、市長のボーンはそれを拒否。やがて海開きの日がやってくる。

制作年: 1975
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