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掲載日:2026年10月8日/最終更新日:2026年10月8日 文:BANGER!!!編集部
※本記事の情報は2026年10月8日時点の情報です。最新情報は公式サイトにてご確認ください。
※本記事は各作品の結末に触れています。
秋は、婚活と出会いを始めるのに最も向いた季節です。10月に動き出せば、クリスマスと年末年始までに約3か月。出会い、何度か会い、気持ちを確かめるのにちょうどいい長さが残っています。そして婚活を始める前に、恋愛映画とドラマを観ておくことをおすすめします。自分がどんな出会いを望み、どんな結婚をしたいのか。その答えは、物語に心が動いた場面の中にあります。
金木犀の匂いがすると、なぜか人恋しくなる。日が短くなり、帰り道のコンビニにおでんが並び、街がクリスマスの準備を始める頃、「今年もひとりか」と思う。15年以上、映画とドラマの原稿を書いてきた筆者にも、そういう秋が何度もありました。
その気持ちは、弱さではありません。合図です。
この記事は、婚活を考え始めた方、出会いがないと感じている方に向けて書きました。前半で「婚活とは何か」「なぜ秋なのか」「出会いの方法はどう選ぶか」を整理し、後半で婚活前に観てほしい映画・ドラマ8作品を、結末まで踏み込んで紹介します。ネタバレを避けたい方は、各作品の冒頭だけ読んで、先に本編をご覧ください。
この記事でわかること
・婚活とは何か、いま出会いはどこで生まれているのか
・秋が婚活と出会いのチャンスである3つの理由
・マッチングアプリ、婚活パーティー、結婚相談所など出会いの方法の違い
・婚活前に観ておきたい映画・ドラマ8作品と、それぞれが教えてくれること
・秋から始める婚活の5ステップ
婚活とは? 結婚につながる出会いを、自分から探しに行くこと
婚活とは「結婚活動」の略で、結婚相手と出会うために自分から行動することを指します。社会学者の山田昌弘氏とジャーナリストの白河桃子氏が提唱した言葉で、2008年には新語・流行語大賞にノミネートされました。就職活動を「就活」と呼ぶのと同じ発想です。待っていれば誰かが縁談を運んでくれる時代が終わり、結婚も自分で動いて探すものになった。婚活という言葉は、その変化を言い当てています。
数字を見ると、変化ははっきりしています。国立社会保障・人口問題研究所の「第16回出生動向基本調査」(2021年実施)によると、18〜34歳の未婚者のうち「いずれ結婚するつもり」と答えた人は男性81.4%、女性84.3%。8割以上が結婚を望んでいます。一方、同じ調査で「恋人として交際している異性がいる」と答えた未婚者は男性21.1%、女性27.8%にとどまりました。
結婚したい人は多い。けれど、相手がいる人は少ない。その差を埋めるものが「出会い」であり、出会いを増やす行動が婚活です。
出会いの場所も変わりました。同調査では、最近結婚した夫婦の13.6%が、SNSやマッチングアプリなどインターネットを通じて知り合っています。職場や友人の紹介による結婚は減りました。自然な出会いを待つ人より、出会いを探しに行った人が結婚している。これが、いまの日本の現実です。
婚活と恋活の違いは?
婚活と恋活の違いは、目的地です。恋活は恋人を作ることが目的で、婚活は結婚相手と出会うことが目的です。恋活では「一緒にいて楽しいか」が判断の中心になり、婚活ではそこに「一緒に暮らしていけるか」が加わります。どちらが上ということはありません。ただ、結婚を望んでいるのに恋活の場所にいると、相手との温度差に悩むことになります。自分がいまどちらを求めているのかを決めることが、出会いを探す最初の作業です。
婚活は何歳から始めるもの?
婚活を始める年齢に決まりはありません。結婚したいと思った時点が始めどきです。ブリジット・ジョーンズが日記を書き始めたのは32歳、『逃げるは恥だが役に立つ』の津崎平匡が初めて人と向き合ったのは35歳でした。早すぎることも、遅すぎることもなく、あるのは「始めた人」と「まだ始めていない人」の違いだけです。
なぜ秋は「婚活」と「出会い」のチャンスなのか? 3つの理由
秋が婚活に向いている理由は、年末までの残り時間、季節の過ごしやすさ、気持ちの動きやすさの3つです。以下はBANGER!!!編集部の見立てです。
理由1:クリスマスと年末年始まで、約3か月ある
10月に婚活を始めると、12月のクリスマス、年末年始まで約3か月あります。はじめましてから、3回、4回と会って、お互いを知るのに無理のない期間です。「今年のクリスマスは誰かと過ごしたい」「新年は新しい気持ちで迎えたい」という目標が、そのまま行動の締め切りになります。締め切りのない婚活は、たいてい先延ばしになります。
理由2:気候がよく、会いやすい
秋は、初対面の相手と会うのに適した季節です。真夏の汗も真冬の寒さもなく、紅葉、美術館、映画館、食事と、会う口実に困りません。服装も整えやすい。婚活で最初につまずくのは「会うまでの億劫さ」ですが、秋はその壁がいちばん低くなります。
理由3:人恋しさが、背中を押してくれる
日が短くなると、誰かと一緒にいたいという気持ちが強くなります。この感情を「寂しいだけ」と片づけないでください。行動のエネルギーは、理屈ではなく感情から生まれます。年末の帰省で家族に「いい人はいないの」と聞かれる前に、自分の意思で動き出せるのも秋の利点です。
映画ファンには、もうひとつ理由があります。後ほど紹介する『(500)日のサマー』のラストです。夏(サマー)という名の女性との恋が終わった主人公の前に現れる新しい女性の名前は、オータム。秋でした。夏の恋が終わったあとに、本当の出会いが始まる。映画がそう言っています。
出会いがない人はどうすればいい? 婚活の方法を比較する
出会いがないと感じている人は、出会いの「場所」を変えるのが最短の解決策です。職場と自宅の往復を続けても、出会う人の数は増えません。主な婚活の方法は次の4つです。
| 出会いの方法 | 向いている人 | 強み | 注意点 |
| 結婚相談所 | 結婚の意思がはっきりしている人/ひとりで進めるのが不安な人 | 結婚を望む人同士が出会える。相談できる担当者がいる。独身証明書などの提出を求める相談所が多い | 費用とサポート内容は相談所ごとに異なるため、公式サイトで確認が必要 |
| マッチングアプリ | 自分のペースで多くの人と知り合いたい人 | 手軽に始められ、出会える人数が多い | 結婚への温度感が人によって違う。やり取りから会う判断まで自分で行う |
| 婚活パーティー・イベント | 文章のやり取りより、直接会って話したい人 | 短時間で複数の人と顔を合わせられる | 一度の会話時間が短く、第一印象に左右されやすい |
| 友人・職場の紹介 | 信頼できる人の目を通した相手と会いたい人 | 人柄がある程度わかっている安心感 | 紹介の数に限りがあり、断りにくい場合がある |
どれが正解ということはありません。大切なのは、自分の性格と目的に合った方法を選ぶことです。「恋人がほしい」のか「結婚したい」のかで、選ぶべき場所は変わります。結婚を目的に、誰かに相談しながら進めたい人には、結婚相談所という選択肢があります。
結婚相談所とマッチングアプリの違いは?
結婚相談所とマッチングアプリの最大の違いは、「あいだに人が入るかどうか」です。マッチングアプリは出会いから交際まで自分ひとりで判断します。結婚相談所は、担当者に相談しながら進める形が一般的です。後半で紹介する映画『花束みたいな恋をした』の二人が別れた理由を知ると、この違いの重みがわかります。
なぜ婚活前に映画・ドラマを観るべきなのか?
婚活前に恋愛映画やドラマを観るべき理由は、自分の結婚観を言葉にできるようになるからです。
婚活を始めると、すぐに聞かれます。どんな人がいいですか。どんな家庭を築きたいですか。ここで「優しい人」「普通の人」としか答えられない人は、相手選びで迷い続けます。条件の一覧を眺めても、自分が何を大切にしているかは見えてきません。
ところが映画を観ると、わかるのです。どの場面で泣いたか。どの台詞に腹が立ったか。誰の選択を「自分ならこうしない」と思ったか。心が動いた場所に、その人の価値観がそのまま出ます。恋愛映画は娯楽であると同時に、自分の結婚観を映す鏡になります。
もうひとつ。物語は、恋と結婚でつまずく典型的な場面を2時間で見せてくれます。言えなかった一言、確かめなかった将来、見落としていた身近な人。他人の失敗を先に体験しておけることは、婚活を始める人にとって大きな財産です。
ここからの8作品は、婚活の流れに沿って4つの段階に分けて並べました。自分を知る。出会いに行く。伝え、話し合う。そして、続ける。
婚活前に必ず観る映画・ドラマ8選|STEP1 まず自分を知る
1.映画『ブリジット・ジョーンズの日記』――「ありのままの君が好きだ」と言われるまで
監督:シャロン・マグワイア/出演:レニー・ゼルウィガー、コリン・ファース、ヒュー・グラント/2001年・イギリスほか
婚活を始める人が最初に観るべき一本は、『ブリジット・ジョーンズの日記』です。主人公が、理想の自分になろうとあがく姿から、そのままの自分を受け入れてくれる相手にたどり着くまでを描いているからです。
ロンドンの出版社で働く32歳、独身のブリジット(レニー・ゼルウィガー)は、新年に日記をつけ始めます。体重を減らす、お酒とタバコを控える、そしてまともな恋人を見つける。実家の新年パーティーで母親から紹介された弁護士マーク・ダーシー(コリン・ファース)は、トナカイ柄の悪趣味なセーターを着た無愛想な男で、第一印象は最悪でした。
ブリジットが惹かれたのは、色気のある上司ダニエル(ヒュー・グラント)。しかし彼は別の女性と婚約していました。傷ついたブリジットは会社を辞め、テレビ局へ転職。消防署の取材で滑り棒を降りる姿を全国に放送される大失敗をしながらも、少しずつ自分の足で立っていきます。
忘れられない場面があります。友人宅の夕食会の帰り際、口の悪いはずのマークが、言葉を探しながらブリジットに告げる。君が好きだ、ありのままの君が、と。痩せたら、タバコをやめたら、ではなく、今のまま。友人たちが「ありのまま?」と聞き返して大騒ぎするのが、この映画の優しさです。
ラスト、日記に書かれた自分への悪口を読んでマークが部屋を出ていったと思い込んだブリジットは、雪のロンドンへ下着にカーディガン姿で飛び出します。マークは怒って去ったのではなく、新しい日記帳を買いに行っていました。新しい始まりのために。雪の中のキスで映画は終わります。
20年以上前の作品で、職場の描写には今の感覚では眉をひそめる場面もあります。それでも婚活前に観てほしい理由は明快です。婚活は、自分を別人に作り替える作業ではありません。条件の良さそうな人より、取り繕わない自分でいられる相手を選ぶ。そして第一印象の悪かった人が、運命の相手である場合がある。この二つを、笑いながら教えてくれます。
2.映画『(500)日のサマー』――夏の恋が終わり、秋が来る
監督:マーク・ウェブ/出演:ジョセフ・ゴードン=レヴィット、ズーイー・デシャネル/2009年・アメリカ・96分
『(500)日のサマー』は、秋に婚活を始める人のための映画です。恋が実らなかった理由を自分の側に見つけ、次の出会いへ歩き出すまでの500日を描いています。
グリーティングカード会社で働くトム(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)は、運命の恋を信じる青年。新しく入ってきたサマー(ズーイー・デシャネル)に、エレベーターで同じバンドが好きだと話しかけられ、恋に落ちます。ただしサマーは最初から言っていました。真剣な関係は求めていない、と。トムは、それを聞かなかったことにします。
物語は500日間を行ったり来たりしながら進みます。家具店でふざけ合った幸せな日。同じ店で会話が噛み合わなくなった日。別れのあと、サマーのパーティーに招かれたトムの「期待」と「現実」を、画面を二つに割って同時に見せる場面は、片思いの経験がある人の胸をえぐります。期待の画面では二人は寄り添い、現実の画面でトムが見たのは、彼女の薬指の指輪でした。
サマーは別の男性と結婚します。公園のベンチで彼女は言うのです。ある朝目が覚めて、わかった。あなたとのときには、確信が持てなかったことが。残酷ですが、正直な言葉です。
トムはカード会社を辞め、あきらめていた建築の道へ戻ります。面接の待合室で出会った女性に、勇気を出してコーヒーに誘う。名前を尋ねると、彼女は答えます。オータム。日数のカウンターが(1)に戻り、映画は終わります。
時系列が前後する構成は、初見ではやや混乱します。けれど二度観ると、サマーが出していたサインをトムがことごとく見落としていたことに気づく仕掛けです。相手そのものではなく、自分の理想を相手に重ねて恋をしていなかったか。過去の恋を振り返り、次は相手の言葉をそのまま聞こうと思える。婚活の前に済ませておきたい心の整理が、この96分でできます。
婚活前に必ず観る映画・ドラマ8選|STEP2 出会いに行く
3.映画『8年越しの花嫁 奇跡の実話』――すべては「気乗りしない飲み会」から始まった
監督:瀬々敬久/脚本:岡田惠和/出演:佐藤健、土屋太鳳、薬師丸ひろ子、杉本哲太/2017年12月16日公開・119分・配給:松竹
『8年越しの花嫁 奇跡の実話』は、出会いの場に足を運ぶことの意味を教えてくれる実話です。岡山県の実在の夫婦の体験が元になっています。
自動車修理工の尚志(佐藤健)と麻衣(土屋太鳳)が出会ったのは、合コンでした。尚志は腹痛で無愛想にしており、盛り上がりもしない。帰り道、その態度を麻衣が叱ったことから、二人の関係は始まります。
婚約し、式場を予約した二人を病が襲います。結婚式の3か月前、麻衣は抗NMDA受容体脳炎に倒れ、意識不明に。尚志は毎朝、出勤前に病院へ通い、眠る麻衣に宛てて携帯電話で動画を撮り続けました。麻衣の両親から「もう忘れてほしい」と言われても、通うのをやめませんでした。
やがて麻衣は目を覚まします。しかし、尚志の記憶だけが失われていました。思い出そうとして苦しむ彼女を見て、尚志は自ら身を引き、小豆島へ移ります。
残された麻衣は、式場を訪ねて知ります。尚志が結婚式の予約を毎年入れ直し続けていたこと。そして携帯電話に残された、数えきれない動画。記憶は戻らないまま、麻衣は画面の中の人にもう一度恋をして、小豆島へ会いに行きます。約束から8年後の結婚式。バージンロードの先で泣き崩れる佐藤健の姿に、涙をこらえるのは難しいでしょう。
音楽で泣かせにくる演出は、好みが分かれます。それでも婚活前に観てほしいのは、この大きな愛の物語の入口が、ごく平凡な飲み会だったからです。あの夜、尚志が体調を理由に欠席していたら。出会いは、行った人にしか訪れません。
4.映画『アバウト・タイム~愛おしい時間について~』――時間を戻せる男も、足で会いに行った
監督・脚本:リチャード・カーティス/出演:ドーナル・グリーソン、レイチェル・マクアダムス、ビル・ナイ/2013年製作・イギリス
『アバウト・タイム~愛おしい時間について~』は、結婚生活の具体的な姿を想像させてくれる映画です。出会いから結婚、子育て、親との別れまで、一人の男性の半生を描きます。
21歳の誕生日、ティム(ドーナル・グリーソン)は父(ビル・ナイ)から、一族の男は過去に戻れると知らされます。その力で何をしたいかと聞かれて、彼は答えます。恋人がほしい。
ロンドンで、照明のない真っ暗なレストランで出会ったメアリー(レイチェル・マクアダムス)に恋をしたティム。ところが別の用件で時間を戻したせいで、出会いそのものが消えてしまいます。連絡先もない。彼は、彼女がケイト・モスのファンだという記憶だけを頼りに写真展へ何日も通い、もう一度出会い直しました。特別な力を持っていても、最後は足を運ぶしかなかったのです。
結婚式の日は暴風雨。テントは飛ばされ、花嫁はずぶ濡れ。それでも二人は笑っています。別の日にやり直そうかと尋ねるティムに、メアリーは首を振ります。
終盤、ティムは病に倒れた父から幸せの秘訣を教わります。同じ一日を二度生きてみること。二度目には、一度目に見落とした小さな喜びに気づける、と。父を見送り、3人目の子を迎えたティムは、やがて時間を戻すのをやめます。今日を、未来から戻ってきた一日のつもりで生きる。子どもを送り、妻にキスをする朝が、宝物に見えるラストです。
タイムトラベルの設定には矛盾があります。細部を気にする方は引っかかるかもしれません。ただ、この映画が見せたいのは仕組みではなく暮らしです。結婚はゴールではなく、普通の一日を誰かと分け合う毎日の始まり。婚活の先にあるものを、これほど温かく見せてくれる作品はほかに思い当たりません。
婚活前に必ず観る映画・ドラマ8選|STEP3 伝える、話し合う
5.韓国ドラマ『キム秘書はいったい、なぜ?』――「結婚したい」と口に出した日から、すべてが動いた
出演:パク・ソジュン、パク・ミニョン、イ・テファン/韓国tvNにて2018年6月6日〜7月26日放送・全16話
『キム秘書はいったい、なぜ?』は、結婚したいという望みを言葉にする大切さを描いたラブコメディです。全16話、最終回は結婚式で終わります。
大企業の副会長イ・ヨンジュン(パク・ソジュン)は、自分の完璧さに酔うナルシスト。彼を9年間支えてきた秘書キム・ミソ(パク・ミニョン)が、ある日、退職を申し出ます。理由は、自分の人生を生きたい、恋愛も結婚もしたいから。家族の借金を返すために20代を仕事に捧げてきた女性が、初めて自分の望みを口にした瞬間でした。
動揺したヨンジュンは引き留めに奔走するうち、9年間そばにいた彼女のことを何も知らなかったと気づきます。そして物語は、二人が幼い頃に同じ誘拐事件の被害者だったという過去へ。ミソが捜し続けていた「守ってくれたお兄ちゃん」はヨンジュン本人で、彼は家族を守るために、記憶を失ったふりをして真実を一人で抱えてきました。
傷を打ち明け合った二人は、両家への挨拶、プロポーズを経て結婚式へ。ドレス姿のミソを前に言葉を失うヨンジュンの表情が、16話分の締めくくりです。
御曹司と秘書という設定は韓国ドラマの定番で、後半は甘い場面が続いて展開がゆるみます。けれど婚活前に観る価値は、第1話のミソの一言にあります。「結婚したい」と声に出さなければ、9年間動かなかった関係は10年目も動かなかった。望みを言葉にすることは、わがままではありません。婚活の最初の一歩です。
6.ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』――結婚を「二人で運営する」という発想
原作:海野つなみ/脚本:野木亜紀子/出演:新垣結衣、星野源、石田ゆり子、大谷亮平/TBS系にて2016年10月〜12月放送・全11話
『逃げるは恥だが役に立つ』は、結婚を恋愛の延長ではなく、二人で話し合って運営するものとして描いたドラマです。婚活を始める人が「結婚して、どう暮らすか」を考える教材として、これ以上のものはありません。
大学院を出ても就職先がなく、派遣の契約も切られた森山みくり(新垣結衣)。家事代行で通っていた会社員・津崎平匡(星野源)は、恋愛経験のない35歳で、自らを「プロの独身」と呼びます。みくりの提案で、二人は雇用主と従業員として「契約結婚」を始めます。給与、業務範囲、休日。結婚生活のすべてを話し合いで決める、奇妙な共同生活でした。
距離を縮める過程が、このドラマのいちばん愛おしい部分です。恋人らしいことに踏み出せない二人が決めた、火曜日はハグの日というルール。照れながら腕を広げる平匡に、日本中が身悶えしました。
そして終盤。両思いになった平匡は、レストランでプロポーズします。けれどその言葉には、結婚すれば家事への給与を払わなくて済む、という計算が混じっていました。みくりは答えます。それは、好きの搾取です、と。好きなら無償で尽くして当然、という考え方への、静かで鋭い異議でした。
最終話、二人は「共同経営責任者」として家事の分担を一から話し合い直します。完璧な答えは出ません。それでも話し合い続けると決めて、物語は終わります。
契約結婚という設定は現実離れしていますし、放送から10年が経ちました。それでも、家事、お金、働き方について言葉にして確かめ合う二人の姿は、今も古びていません。婚活で相手と話すべきことは、趣味や休日の過ごし方だけではない。このドラマが教えてくれます。
7.映画『花束みたいな恋をした』――趣味が合うだけでは、結婚にたどり着けなかった
監督:土井裕泰/脚本:坂元裕二/出演:菅田将暉、有村架純/2021年1月29日公開・124分
『花束みたいな恋をした』は、婚活前に最も観てほしい一本です。相性が完璧だった二人がなぜ別れたのかを知ることが、結婚相手を選ぶ基準を変えるからです。
終電を逃した夜に出会った大学生の麦(菅田将暉)と絹(有村架純)。好きな作家も、音楽も、履いているスニーカーまで同じ。本棚を見た絹が、ほぼうちの本棚だとつぶやくほどでした。二人は恋に落ち、多摩川沿いの部屋で一緒に暮らし始めます。
すれ違いは、就職から始まりました。イラストの仕事で食べていく夢をあきらめ、物流会社に入った麦は、残業に追われ、好きだった小説を読めなくなっていきます。絹は好きなことを仕事にしようと転職し、麦はそれを遊びだと切り捨てる。一緒に行くはずだった舞台、読むはずだった本。共有するものが、一つずつ減っていきました。
別れ話のために入ったファミレスで、麦は言います。別れたくない、結婚しよう、と。絹の心も揺れる。そのとき近くの席に、出会ったばかりらしい若い男女が座り、好きな本の話でおずおずと盛り上がり始めます。5年前の自分たちでした。麦と絹は声を出さずに泣き、恋は終わります。
固有名詞の多さに戸惑う方もいるでしょう。けれど、この映画の核心は誰にでも伝わります。二人に足りなかったのは相性ではありません。働き方、お金、住む場所、将来の暮らし。「好きなもの」ではなく「これからの生活」について話す機会を、二人は持たなかった。あいだに入って、すれ違いをほどいてくれる人もいませんでした。
恋は偶然で始められます。結婚は、対話で育てるものです。最初から結婚という同じ方向を向いた人と出会い、暮らしの価値観を先に確かめる。婚活という出会い方の意味を、別れの物語が教えてくれます。
婚活前に必ず観る映画・ドラマ8選|STEP4 あきらめずに続ける
8.映画『糸』――回り道の時間は、無駄ではなかった
監督:瀬々敬久/脚本:林民夫/出演:菅田将暉、小松菜奈、榮倉奈々、斎藤工、倍賞美津子/2020年8月21日公開・130分・配給:東宝
最後の一本は『糸』です。婚活がうまくいかない時期に思い出してほしい映画として選びました。中島みゆきの名曲に着想を得た、平成元年生まれの男女の18年間の物語です。
北海道・美瑛で13歳のときに出会った漣(菅田将暉)と葵(小松菜奈)。家庭で暴力を受けていた葵を連れて漣は逃げようとしますが、大人たちに引き離されます。8年後に東京で再会したとき、葵の隣には別の男性がいました。
漣は地元のチーズ工房の先輩・香(榮倉奈々)と結婚し、娘を授かります。けれど香は病で世を去る。葵はシンガポールで起業して成功し、仲間の裏切りですべてを失う。異国の食堂で、泣きながらカツ丼をかき込む小松菜奈の姿は、この映画の白眉です。きれいに泣くことをやめた芝居に、葵という人の生きる力が全部出ています。
平成最後の日。帰国した葵は、子どもの頃に世話になった節子(倍賞美津子)の子ども食堂で涙をこぼし、小さな女の子に抱きしめられます。泣いている人がいたら抱きしめてあげなさい。亡き香が娘に遺した教えでした。その子が漣の娘だと、葵は知りません。
葵が来ていたと知った漣は車を走らせ、函館のフェリーターミナルへ。令和へのカウントダウンの人波の中、13歳の日に届かなかった手が、18年後に届きます。
130分に不幸を詰め込みすぎだという批判は、もっともです。それでも筆者はこの映画を推します。漣も葵も、別々の場所でそれぞれの人生を懸命に生きた。だから再会したとき、相手を温められる人になっていました。婚活には、うまくいかない時期が来ます。その時間も、誰かと出会うための糸を紡いでいる時間です。
この秋、婚活と出会いの一歩を。
あなたも、『糸』のような素敵な出会いと恋をしませんか?
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サポート内容は【つむぐ】公式サイトでご確認ください。
婚活でつまずきやすい4つの場面と、映画が教えてくれる答え
婚活でつまずく場面は、始める前、会う前、会ったあと、続かないときの4つに集中します。8作品は、それぞれの場面に答えを持っています。
「自分なんかが婚活しても」と思ったとき
自信が持てないときは『ブリジット・ジョーンズの日記』を観てください。ブリジットは痩せてもいないし、失言も多い。それでも選ばれたのは、取り繕うのをやめた彼女でした。婚活で必要なのは、完璧な自己紹介ではなく、正直な自己紹介です。
「いい人がいない」と感じたとき
いい人がいないと感じるときは、『(500)日のサマー』と『キム秘書はいったい、なぜ?』が効きます。トムは理想を相手に重ねて、目の前の人を見ていませんでした。ヨンジュンは9年間、隣にいた人の価値に気づきませんでした。いい人がいないのではなく、見えていないだけという場合があります。条件を一つゆるめて、もう一度会ってみてください。
「何を話せばいいかわからない」とき
会話に迷うときは、『逃げるは恥だが役に立つ』と『花束みたいな恋をした』を続けて観ることをおすすめします。前者は暮らしの話をし続けた二人、後者は暮らしの話を避けた二人です。休日の過ごし方を尋ねるだけでなく、どんな毎日を送りたいかを尋ねる。それだけで、会話は結婚に近づきます。
「もう疲れた、やめたい」と思ったとき
婚活に疲れたときは、休んで構いません。その夜に『糸』か『8年越しの花嫁 奇跡の実話』を観てください。18年かかった二人と、8年かかった二人がいます。数か月うまくいかないことは、失敗ではありません。
誰と観る? 場面別のおすすめ
ひとりで結婚観を整理したい夜は『花束みたいな恋をした』。友人と笑いながら観るなら『ブリジット・ジョーンズの日記』。気になる相手と観るなら、全16話を少しずつ進められる『キム秘書はいったい、なぜ?』か、観終わったあとに家事やお金の話が自然にできる『逃げるは恥だが役に立つ』。親と観るなら『8年越しの花嫁 奇跡の実話』です。娘を思う両親の場面で、普段は言えない話ができるかもしれません。
婚活は何から始める? 秋からの5ステップ
婚活は、次の5つの順番で始めると迷いません。10月に始めて、年内にひと区切りをつける流れです。
ステップ1:映画を観て、心が動いた場面を書き出す(1週目)
この記事の8作品から2本を選んで観てください。そして、泣いた場面、腹が立った場面を3つ書き出します。『逃げるは恥だが役に立つ』の家事分担の場面に強くうなずいたなら、あなたは対等な関係を重視しています。『アバウト・タイム~愛おしい時間について~』の朝の場面に惹かれたなら、穏やかな日常を求めています。それがあなたの結婚観です。
ステップ2:「恋人がほしい」のか「結婚したい」のかを決める(1週目)
目的によって、選ぶ出会いの方法が変わります。結婚が目的なら、結婚を望む人が集まる場所を選ぶのが近道です。
ステップ3:出会いの方法を一つ選び、情報を集める(2週目)
比較表を参考に、自分に合う方法を一つ選びます。結婚相談所を検討する場合は、公式サイトで料金とサポート内容を確認してください。調べるだけなら、失うものはありません。
ステップ4:実際に会う(10月後半〜11月)
最初の一人で決めようとしないでください。ブリジット・ジョーンズがマーク・ダーシーに抱いた第一印象は、最悪でした。迷ったら、もう一度会ってみる。
ステップ5:暮らしの話をする(11月〜12月)
気になる相手ができたら、趣味の話だけで終わらせないでください。働き方、住む場所、お金、家事。麦と絹が話せなかったことを、みくりと平匡のように話す。それが結婚に近づく会話です。
婚活と出会いについて、よくある質問
婚活はいつ始めるのがいいですか?
婚活は、始めたいと思ったときが最適な時期です。季節で選ぶなら、クリスマスと年末年始まで約3か月あり、気候もよい秋が始めやすい時期です。
出会いがない社会人は、どうすれば出会えますか?
出会いがない社会人は、職場と自宅以外に出会いの場所を作ることが必要です。結婚相談所、マッチングアプリ、婚活パーティー、友人の紹介の中から、自分の目的と性格に合う方法を一つ選んで始めてください。
婚活前に観る映画を1本だけ選ぶなら、どれですか?
婚活前に1本だけ観るなら、映画『花束みたいな恋をした』です。趣味の合う二人が別れた理由を知ることで、結婚相手と何を話し合うべきかがわかります。
婚活に疲れたときに観る映画はありますか?
婚活に疲れたときは、映画『糸』をおすすめします。18年の回り道を経てめぐり逢う二人の物語が、うまくいかない時間にも意味があると思わせてくれます。
恋愛経験が少なくても婚活はできますか?
恋愛経験が少なくても婚活はできます。ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』の津崎平匡は恋愛経験のない35歳でしたが、相手と誠実に話し合うことで関係を築きました。
紹介した映画・ドラマはU-NEXTで観られますか?
2026年10月8日時点の編集部調べでは、『糸』『8年越しの花嫁 奇跡の実話』『アバウト・タイム~愛おしい時間について~』『キム秘書はいったい、なぜ?』『花束みたいな恋をした』の5作品がU-NEXTで見放題配信されています。『ブリジット・ジョーンズの日記』『(500)日のサマー』『逃げるは恥だが役に立つ』の配信状況は、各動画配信サービスの公式サイトでご確認ください。
結婚相談所【つむぐ】の料金やサポート内容は?
結婚相談所【つむぐ】の料金・サポート内容・対応エリアは、【つむぐ】公式サイトでご確認ください。
まとめ――この秋、あなたの物語の1日目を
秋は婚活と出会いのチャンスです。年末まで約3か月あり、会いやすい気候で、誰かと一緒にいたいという気持ちが背中を押してくれます。
8つの物語には共通点がありました。ブリジットは雪の中へ飛び出した。トムはオータムに声をかけた。尚志は気乗りしない飲み会に行き、ティムは写真展に通った。ミソは結婚したいと言い、みくりと平匡は話し合いをやめなかった。漣は車を走らせた。そして、話すべきことを話せなかった麦と絹だけが、別れを選びました。
運命の出会いに見えるものは、どれも誰かが動いた結果です。
8割以上の人が、いずれ結婚したいと考えています。あなたのその気持ちは、少数派でも、恥ずかしいものでもありません。今夜、8本のうち1本を観てください。観終わったら、ほんの少しだけ動いてみてください。『(500)日のサマー』のラストで、カウンターが(1)に戻ったように。
この記事を最後まで読んでくださったあなたに、映画よりも長く続く幸せが訪れることを、心から願っています。
出典:国立社会保障・人口問題研究所「第16回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)」2021年実施
※本記事の配信状況は2026年10月8日時点の編集部調べです。配信形態・配信期間は変更される場合があります。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。
※U-NEXTの無料トライアルは初回登録の方が対象です。無料期間終了後は月額2,189円(税込)が発生します。