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掲載日:2026年10月10日(2026年10月10日時点の情報)文=BANGER!!!編集部
※本記事の情報は2026年10月10日時点の情報です。最新情報は公式サイトにてご確認ください。
来週なにが起きるのか、検索しても出てこない。原作のないアニメを毎週追う楽しさは、突き詰めればその一点に尽きる。
漫画や小説のアニメ化なら、先を知っている人がどこかにいる。結末を踏んでしまう心配をしながら感想を探すことになる。オリジナル作品にはそれがない。作り手のほかに先を知る人はいなくて、視聴者は全員が同じ地点に立っている。土曜の夜に観て、日曜に誰かの考察を読み、次の土曜に答え合わせをする。その一週間がまるごと作品の一部になる。
『バーテックスフォース』は、この秋に始まったオリジナルアニメだ。U-NEXTでは10月3日から見放題で配信されていて、地上波と同時の最速配信。更新は毎週土曜の23時30分になる。3連休の初日、10月10日の夜に、休止がなければ第2話が加わる。初回登録の人は31日間の無料トライアルで観られる。
オキナワ、停電、光る額
公開されているあらすじは短い。
オキナワ北部に住む中学生の東道明は、姉の晴香、母と三人で暮らしている。ある日、世界中のネットワークが麻痺する「パワーダウン」が起きる。そのとき、姉の額が光り始める。
ここまでだ。光の正体も、パワーダウンの原因も、明かされていない。第2弾のPVは燃え盛る飛行場や工場の場面から始まり、「エンジン」と呼ばれるメカで戦う少女たちの姿が映る。穏やかな三人暮らしと、炎の上がる飛行場。そのあいだに何があるのかを、これから毎週少しずつ知らされていくことになる。
私が引っかかったのは、物語の入口が戦う当人ではなく、その家族に置かれているところだ。額が光るのは姉で、それを見ているのが明。力を持ってしまった人のいちばん近くにいる者の目から始まる話は、力そのものよりも、暮らしが変わっていく痛みを描きやすい。そういう方向に進むのではないかと読んでいる。外れたら笑ってほしい。それもオリジナルを追う楽しみのうちだ。
高村和宏が、また空とメカを描く
監督とキャラクターデザインは高村和宏。シリーズ構成にも、鈴木雅詞と並んで名前がある。
高村和宏は2008年のテレビアニメ『ストライクウィッチーズ』で監督とキャラクターデザインを務め、2013年にはオリジナル作品『ビビッドレッド・オペレーション』を監督した人だ。どちらも、少女たちが機械の力を借りて空で戦う話だった。そして『ビビッドレッド・オペレーション』もまた、海に囲まれた島から物語が始まり、世界を支えるエネルギーが鍵になっていた。南の島、世界規模のインフラの異変、メカで戦う少女。今回の設定を並べると、この監督が十数年かけて同じ主題に戻ってきたように見える。
同じ主題に戻る作り手を、私は信用する。一度では描き切れなかったものがあるから戻ってくるのだし、二度目、三度目は前より遠くまで行けるからだ。
メカデザインは海老川兼武とJNTHED。海老川兼武は『機動戦士ガンダム00』のガンダムエクシアや、『フルメタル・パニック!』のアーバレストを手がけたデザイナーだ。細身で、関節の動きが想像できる機体を描く人が、少女たちの乗る「エンジン」を設計している。副監督は久慈悟郎、アニメーション制作はSMDE。
声の配役にも触れておく。東道明は小市眞琴、姉の晴香は本渡楓。エレノア・ノースブルックに小清水亜美、ララ・ズーデンシュタインに潘めぐみ、仁科陽子に高橋李依、アランに浦和希。そしてEDVAという役名で水樹奈々がいる。人名らしくないこの役が何者なのか、気になって仕方がない。オープニングはClariSの「シンクロブルー」、エンディングははしメロの「エメラルド」。
保証はない、と先に言っておく
オリジナルアニメには外れがある。これは隠さず書く。
原作つきなら、物語が最後にきちんと着地するかどうかを先に確かめられる。オリジナルではそれができない。序盤で広げた謎がうまく畳まれないまま終わる作品を、私たちは何本も観てきた。『バーテックスフォース』がそうならない保証はどこにもない。全部で何話になるのかも、この原稿の時点で私は確認できていない。
始まったばかりという事情もある。3連休の時点で観られるのは、休止がなければ2話まで。まだ人物の名前を覚える段階で、評価を下すには早い。完結してから評判を確かめて観たい、という人の判断は正しいと思う。
それでも今から追うことを勧めるのは、オリジナル作品の毎週の楽しさは、後からでは手に入らないからだ。完結後にまとめて観れば、結末の出来は分かる。けれど、何も分からないまま一週間待つ時間は、放送と並んで走っている人にしか味わえない。外れるかもしれない賭けに、2話目という早い段階から乗っておく。当たったとき、最初から観ていたと言えるのは今だけだ。
土曜の深夜に向く人
ロボットやメカの出るアニメが好きで、近ごろ原作つきばかりだと感じている人。まずここに勧めたい。
『ストライクウィッチーズ』や『ビビッドレッド・オペレーション』を観ていた人にも勧める。あの監督がいま何を描くのかを、同じ時間を重ねた側として確かめてほしい。
考察が好きな人にも合う。額の光、パワーダウン、エンジン、EDVA。説明のない言葉がこれだけ並んでいるのだから、材料には困らない。
地上波と同時に届くので、放送を待っている人と同じ瞬間に観られる。第3話は休止がなければ10月17日の23時30分。連休中に第1話と第2話を続けて観ても、そう長い時間は取られない。2話まで追いついておけば、そこからは毎週土曜の夜が答え合わせの時間になる。
土曜23時30分の更新と料金
『バーテックスフォース』はU-NEXTの見放題対象で、地上波同時の最速配信。毎週土曜23時30分に新しい話が加わる。U-NEXTの月額は2,189円(税込)。初回登録の人は31日間の無料トライアルが使え、期間内に解約すれば料金は発生しない。
先を知っている人のいない物語は、いまのところこの秋、そう多くない。
※本記事は2026年10月10日時点の情報です。配信状況・料金・配信期間は変更される場合があります。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。