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『メイドインアビス』TVシリーズ・劇場版 全5作 DMM TV見放題|10月23日公開『目覚める神秘』の前に、リコとレグとナナチの降下を最初から辿る
『メイドインアビス』とは、つくしあきひとの漫画を原作に、巨大な縦穴「アビス」の底を目指す少女リコ(富田美憂)とロボットの少年レグ(伊瀬茉莉也)の旅を描いたアニメで、2017年のTVシリーズ第1期(全13話)、総集編の劇場版2作、2020年の『深き魂の黎明』、2022年の『烈日の黄金郷』(全12話)が作られてきました。DMM TVではこの5作品が見放題です。10月23日には劇場シリーズ第一部『目覚める神秘』が公開されます。丸い顔の少女が出てくる絵柄で敬遠してきた大人に向けて、この作品がどれほど深い場所へ連れていくかを書きます。
絵柄に騙されないでください。これはホラーであり、冒険であり、祈りです
『メイドインアビス』を初めて観る人が、最初に戸惑うのは絵柄です。丸い頬、大きな目、柔らかい線。子ども向けの絵本のような画面で、物語は始まります。私もそうでした。第1話を観て、これは可愛らしい冒険もので、たぶん途中で観るのをやめるだろうと思っていました。
やめられませんでした。理由は、この作品の世界の仕組みにあります。アビスという縦穴は、深く降りるほど、上に戻るときに身体が壊れる。「上昇負荷」と呼ばれるその呪いは、浅い層では目眩と吐き気で済みますが、深く降りるほど、人間の形を保てなくなる。つまり、降りるということは、戻れなくなるということです。リコは、母を探して、それでも降りることを選びます。
可愛い絵柄で、いちばん残酷なことをする。この作品の作り手は、その落差を意図的に使っています。柔らかい線で描かれた少女の身体が、呪いに侵されていく。丸い目から流れる涙が、絵本の涙ではなく、本当に痛い涙に見えてくる。第1期の後半、リコが受ける「ある処置」の場面を、私は今でも正視できません。あれは、この絵柄だからこそ耐えがたい。
ナナチとミーティ。第1期第13話を、私はこの作品の到達点だと思っている
『メイドインアビス』を人に勧めるとき、私はいつも第1期の第13話の話をします。ナナチ(井澤詩織)という、身体を持たないような存在と、ミーティという、もう人間の形をしていない存在の話です。
二人は、かつて人間の子どもでした。アビスの深い層で、ある実験に使われ、片方は「祝福」を受け、片方は「呪い」を受けた。祝福を受けたほうは、呪いを受けたほうを、殺すことも救うこともできずに、ただ一緒にいた。第13話は、その一緒にいた時間が終わる回です。
ここから先は書きません。書けないというより、書いたら壊れてしまう種類の場面だからです。ただ、この回を観たあとで、この作品が「子ども向けの冒険もの」だと言う人はいなくなります。井澤詩織のナナチの声、あの独特の語尾と、その語尾が消える瞬間。音楽のケビン・ペンキンが用意した旋律。すべてが、一つの別れのために組まれています。
そしてこの回の残酷さを支えているのが、黎明卿ボンドルド(森川智之)という人物です。第1期で影として現れ、『深き魂の黎明』で正面から描かれる。子どもたちを実験に使い、それを「祝福」と呼ぶ男。森川智之は、この人物を怪物としてではなく、どこまでも穏やかな、信念の人として演じました。悪意がないことが、いちばん怖い。『深き魂の黎明』は、その怖さを一本の映画にした作品です。
『メイドインアビス』TVシリーズ第1期、劇場版総集編2作、『深き魂の黎明』『烈日の黄金郷』はDMM TVで見放題です。初回14日間無料(初回登録の方が対象)、月額550円。10月23日の新作の前に、全作を通して降りてください。
『烈日の黄金郷』で、この作品は「人間とは何か」を問い始めた
2022年の第2期『烈日の黄金郷』は、第6層「還らずの都」を舞台にした12話です。そこにいるのは、かつて人間だった者たちの村。呪いによって人間の形を失った彼らが、それでも価値を交換し、共同体を作り、生きている。
私はこのシーズンで、この作品の問いが変わったと感じました。第1期は「どこまで降りられるか」の物語でした。『烈日の黄金郷』は「人間の形を失っても、人間であり続けられるか」の物語です。ヴエコとイリミューイの過去が明かされていく構成は、冒険ものというより、一つの共同体の創世記でした。
そして、この第2期で描かれたことのすべてが、10月23日公開の『劇場シリーズ【第一部】メイドインアビス 目覚める神秘』へつながります。監督は第1期から続く小島正幸、制作はキネマシトラス。TVシリーズではなく劇場シリーズとして、第一部という形で続きが届く。リコとレグとナナチが、第6層の先へ降りていく。
ひとつ正直に書くと、『烈日の黄金郷』は第1期より「分かりにくい」。時間軸が入れ子になり、登場人物の呼び名が複数あり、一度観ただけでは関係が掴めない場面があります。私も二度観てようやく整理できました。ただ、その分かりにくさは、人間の形を失った者たちの世界を、人間の側の言葉で説明することを拒んだ結果です。二度観る価値のある12話です。
なぜ今、DMM TVで全作を観るのか
DMM TVには、TVシリーズ第1期、劇場版『旅立ちの夜明け』『放浪する黄昏』、『深き魂の黎明』、『烈日の黄金郷』の5作品が揃っています。これらは他の配信サービスでも観られる作品で、DMM TVだけの独占ではありません。それは正直に書いておきます。
それでも私がDMM TVを勧めるのは、全作が一か所にあることと、月額550円という枠の中で、10月23日までの三週間に全作を通せることです。第1期13話、『深き魂の黎明』約105分、『烈日の黄金郷』12話。総集編2作を飛ばしても、合計で12時間ほど。週末二回で、第6層の底まで降りられます。
『深き魂の黎明』はR15+指定の映画です。子どもと一緒に観る作品ではありません。この作品の残酷さは、年齢制限に値するものです。それを承知のうえで、降りてください。
この作品を観るべきなのは、こんな人
まず、絵柄で敬遠してきた大人。第1期第13話まで辿り着けば、敬遠していた自分を恥じることになります。
次に、『進撃の巨人』や『HUNTER×HUNTER』のように、世界の仕組みそのものが恐怖になる作品を好む人。アビスという縦穴は、そうした仕組みの中でも最も美しく、最も残酷なもののひとつです。
そして、10月23日の劇場で『目覚める神秘』を観るつもりの人。第一部から入っても物語は成立するでしょうが、ナナチが誰で、ボンドルドが何をしたかを知っているかどうかで、劇場の座席で受け取るものがまったく違います。
『メイドインアビス』の5作品はDMM TVで見放題、初回14日間無料(初回登録の方が対象)、月額550円です。10月23日までに、リコとレグと一緒に、戻れない場所まで降りておいてください。