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腐らせずに、時間をかけて変える。『まめとむぎ』は発酵居酒屋で人生をやり直す30歳と23歳のドラマ

腐らせずに、時間をかけて変える。『まめとむぎ』は発酵居酒屋で人生をやり直す30歳と23歳のドラマ

※ 本ページはプロモーションを含みます。
※本記事の情報は2026年9月30日時点の情報です。最新情報は公式サイトにてご確認ください。

ドラマ24『まめとむぎ』齋藤飛鳥×富田望生|テレ東深夜で始まる、発酵居酒屋〈大豆堂〉の再起の物語を10月2日の初回前に

『まめとむぎ』とは、谷口菜津子の漫画を原作に、キャリアも夢も恋も失った30歳の元ファッション誌編集者・清水麦(齋藤飛鳥)と、祖父から発酵居酒屋〈大豆堂〉を託された23歳の米田まめ(富田望生)が出会い、店と人生を立て直していくテレビ東京のドラマ24枠の作品です。放送は2026年10月2日(金)24時12分から、各話放送終了後にU-NEXTで見放題配信されます。人生の途中でつまずいた人、秋の夜に温かい湯気の立つドラマを観たい人に向けて書きます。

「腐る」と「発酵する」の違いを、ドラマが教えてくれる

発酵と腐敗は、科学的にはほとんど同じ現象だと聞いたことがあります。微生物が有機物を分解する。それが人間にとって都合がよければ発酵と呼び、悪ければ腐敗と呼ぶ。違いは現象ではなく、受け取る側の態度にある。

『まめとむぎ』の企画を知ったとき、私はまずこの話を思い出しました。30歳でキャリアも夢も恋も失った女が、発酵居酒屋に流れ着く。彼女の人生は、傍から見れば腐りかけています。でも、時間をかけて、正しい温度で置いておけば、それは別のものに変わるかもしれない。発酵居酒屋という舞台設定は、それ自体が主人公の再起の比喩になっています。

原作の谷口菜津子は、『じゃあ、あんたが作ってみろよ』の作者です。あの作品で、料理をめぐる男女の力関係を、説教くさくならずに、しかし容赦なく描いた人。その人が「発酵」という、時間を味方につける題材を選んだことに、私は納得しました。谷口菜津子の漫画に出てくる人物は、正しくないことを言い、正しくないことをします。それでも読者に嫌われないのは、その人物が変わろうとする過程を、作者が急がずに描くからです。

齋藤飛鳥の30歳、富田望生の23歳

清水麦を演じるのは齋藤飛鳥です。乃木坂46を卒業してから、彼女は少しずつ、俳優としての顔を作ってきました。私が印象に残っているのは、その目の使い方です。何かを言う前に、相手を測るように一度視線を止める。あれは、傷ついたことのある人の目です。麦という役は、元同僚の犬岡小太郎(橋本淳)と不倫関係にあり、その同僚の湊アリナ(八木アリサ)が自分の夢見た編集長の座に抜擢される、という設定を背負っています。恋も仕事も、自分の手で壊したのか、奪われたのか。その曖昧さを引き受けるには、齋藤飛鳥のあの目が要ります。

一方の米田まめを演じる富田望生は、23歳という年齢の役で、店を切り盛りする側に立ちます。富田望生という俳優は、画面の中でいつも「生活している」ように見える人です。台詞を言っているときより、何かを手に持っているとき、何かを食べているときのほうが強い。発酵食品を愛し、祖父(嶋田久作)から店を任された若い店主という役は、彼女の強みが真正面から生きる場所です。

私が二人の顔合わせで最初に想像したのは、店のカウンターの内と外です。まめは内側で手を動かし、麦は外側で口を動かす。編集者というのは、人の話を聞き、言葉を整え、店に置くべき「物語」を見つける仕事です。麦が大豆堂で見つけるのは、たぶん、まめの祖父が仕込んできた味噌や麹の背後にある時間でしょう。手を動かす人と、言葉にする人。二人が揃って初めて、店は「再起」の場所になる。

30歳と23歳。年上のほうが人生に迷い、年下のほうが地に足をつけている。この逆転が、二人の関係に緊張と可笑しさを生むはずです。まめの幼なじみで喫茶店〈金魚鉢〉を営む椎名種を濱尾ノリタカ、麦の親友でホラー小説家の雨貝ルリを石川瑠華、不倫スキャンダルで大豆堂に流れ着く「国民の妹」鳴海かもめを山谷花純が演じます。傷を持った人間が、一軒の居酒屋に集まってくる構図です。

『まめとむぎ』は各話の放送終了後にU-NEXTで見放題配信されます。初回登録なら31日間無料(初回登録の方が対象)で、10月2日の初回から無料期間内に追いつけます。

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テレ東深夜の「食べもの」ドラマには、信頼できる系譜がある

テレビ東京の深夜ドラマには、食べものを画面の真ん中に置いた作品の系譜があります。『孤独のグルメ』『晩酌の流儀』『きのう何食べた?』。それらに共通しているのは、食べものを「美味しそうに見せる」ことに全力を注ぎながら、食べている人間の孤独や疲れを、決して隠さないことです。

『まめとむぎ』は、この系譜の上に「発酵」という時間軸を加えました。味噌も、麹も、漬物も、一晩では出来ません。仕込んで、待って、時々様子を見る。ドラマの一話一話が、その「待つ時間」に寄り添う作りになるのだとしたら、これはテレ東深夜でしか成立しない企画です。ゴールデンの枠なら、待つ時間は退屈として切り捨てられるでしょう。

脚本は山田能龍、太田勇、畑中みゆき、金子学。監督は畑中みゆき、太田勇、原島孝暢。主題歌はBIBIの「Yochi!」、エンディングは仲川瑠夏の「朝にならないで」です。放送前ですから、私はまだ一話も観ていません。観ていないものを褒めるつもりはありませんが、企画と原作者と主演二人の組み合わせだけで、「観る理由」は十分にあると判断しました。

それから、不倫スキャンダルで大豆堂に流れ着く女優・鳴海かもめという人物の配置にも注目しています。麦は不倫を「した側」、かもめは不倫で「叩かれた側」。同じ言葉で括られる二人が、同じ店で発酵食品を口にする。谷口菜津子の原作なら、この二人を安易に和解させたりはしないはずです。ただ、同じ鍋を囲むうちに、お互いの事情が少しずつ見えてくる。その「少しずつ」を、ドラマがどう積み上げるか。

ひとつ懸念があるとすれば、「再起」を描くドラマが、再起を急ぎすぎることです。麦が第3話あたりで立ち直ってしまったら、発酵という題材が嘘になります。腐りかけた人生が変わるのには時間がかかる。ドラマがその時間を、ちゃんと待ってくれるかどうか。私はそこを見届けるつもりです。

このドラマを観るべきなのは、こんな人

まず、30歳前後で、仕事か恋か、あるいはその両方でつまずいている人。麦は、あなたの隣に座る客のような存在になるはずです。

次に、テレ東深夜の食べものドラマを愛してきた人。『晩酌の流儀5 〜秋冬編〜』が同じ日に始まる10月2日の金曜深夜は、テレ東が「食べる夜」を用意した日です。

そして、谷口菜津子の漫画を読んできた人。『じゃあ、あんたが作ってみろよ』で感じた、あの居心地の悪さと救いの混ざり具合が、実写でどう再現されるのかを確かめてください。

『まめとむぎ』は10月2日(金)24時12分テレビ東京で放送開始、各話放送終了後にU-NEXTで見放題配信。初回登録なら31日間無料(初回登録の方が対象)です。金曜の深夜に観るか、土曜の朝に配信で観るか。どちらでも、湯気は立っています。

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