【2026年8月28~29日公開の日本映画5選】
🎬️『平行と垂直』
兄の大貴は自閉スペクトラム症。現在は清掃の仕事に就き、周囲のサポートを受けながら自立した生活を送っている。妹の希は、カウンセラーとして働きながら兄を支えて生きてきた。
ふたりの生活は変わることなく続くと思っていたが、希の結婚話をきっかけに、お互いのこれからに向き合うことになる。それは、ふたりのこれまでに向き合うことでもあった――。
本作に企画段階から参加した安田章大は、山野海によるオリジナル脚本に深く心を動かされ、大貴役に真摯に向き合った。専門家のレクチャーを重ね、丁寧に役を掘り下げたその姿勢は、作品の核となる“人を想うこと”の真実味を支えている。一方、希を演じるのんも、実際に障がいのあるきょうだいを持つカウンセラーから話を聞き、役に息を吹き込んだ。
監督は『毎日かあさん』、『マエストロ!』などで温かな人間ドラマを紡いできた小林聖太郎。大阪・堺を舞台に、ささやかな日常の中に潜む“支えること/支えられること”の揺らぎを、やわらかく、確かな眼差しで描き出す。
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🎬️『時には懺悔を』
探偵が一人、殺された。「死んだほうがマシな人間」と呼ばれた男・米本(佐藤二朗)。
その事件を調査することになったのは、元同僚の一匹狼・佐竹(西島秀俊)。
探偵事務所の上司・寺西(役所広司)から、修行中の聡子(満島ひかり)を助手に付けるよう言われる。
佐竹と聡子は反発し合いながらも、調べを進めるうちに9年前に起こった新生児誘拐事件に辿り着く―。
殺された米本が死の間際に調査していたのは、9年前に失踪し、
今は父親の明野(宮藤官九郎)と二人で暮らす、重い障がいのある少年だった―。
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🎬️『私はあなたを知らない、』
日本アカデミー賞ほか数々の映画賞を席巻した『湯を沸かすほどの熱い愛』の中野量太監督が、10年ぶりに完全オリジナル脚本で挑んだ意欲作。
愛する人を殺めてしまうという重い罪を犯した孤独な青年と、母を奪われた娘が13年の時を経て対峙する本作は、“家族”をテーマに作品を撮り続けてきた中野監督が、日仏共同製作でたどり着いた圧巻の新境地である。「母を殺した男」と「被害者の娘」という、本来交わるはずのない二人の運命をサスペンス形式で映し出し、「知る/知らない」をめぐる優しさと残酷さを、ユーモアと愛に満ちた視点で描く。
狂おしいまでに“家族”という幸せの形を追い求め、破滅へと向かっていく主人公・西山夕平を演じるのは、日本のみならずグローバルに活躍を続ける俳優・坂口健太郎。温もりへの執着の果てに罪を犯してしまう青年を、圧倒的な繊細さと確かな存在感で体現し、観る者の倫理観を揺さぶる。
西山夕平(28)は天涯孤独の身。
粛々と働き、自分の中で決められたルーティンで生活をし、
たった一人のその環境を寂しいとも感じずに生きてきた。
職場にやってきた新しいパート職員・紗月と出会うまでは。彼女と出会い、生きる喜びを得て、夕平の毎日は輝いていった。
そしてある日、紗月から自分の5歳の娘・朝子を紹介される。
彼女は実はシングルマザーだった。紗月と朝子との生活で、これまで知らなかった“家族”という幸せの形に触れ、夕平は心を開放していくが……。
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🎬️『見えない娘 – THE INVISIBLES -』
もしも、生まれた娘が透明人間だったら?
とある島で、ひっそりと暮らす父と三姉妹の家族。
この家族には、ちょっと変わった秘密があった。
それは、末娘(ひかり)が生まれつき“透明人間”であること。
娘たちを朗らかに育てた母親が亡くなった後、
心配性の父は、三姉妹を人目から隠すように暮らしていた。
そんなある日、
東京で暮らす大女優の祖母が入院したという知らせが入る。
祖母に、ひかりが透明人間であることを打ち明けられないまま、
家族は東京へと出発することに。
しかし、透明人間の娘との旅は、危険と困難だらけ。
果たして父は、先行き不透明な旅を無事に終えられるのか?
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🎬️『ナウ・アンド・ゼン』
百年前の死は、今日も繰り返されている
2023年、日本の国会では難民についての法改正が議論を呼んでいた。政府による難民認定を更に厳格化しようというものだ。不認定となった者が収容される入管施設では死者も出ており、その環境は長年、問題視されている。この現状を変えようと、多くの市民が声を上げはじめた。
日本人による外国籍の人々への迫害は今に始まったことではない。1923年、関東大震災の混乱の中で、警察や自警団などが朝鮮人や中国人を虐殺するジェノサイドが起きた。犠牲者は6,000名とも言われている。しかし、いまだ日本政府はこの問題を公式に認めていない。そして2026年、排外主義を掲げる政党が躍進をしている。
過去と今の“声”を繋ぐドキュメンタリー
過去の虐殺と、現在の入管問題は、未だ精算されていない「植民地主義」で繋がっている。カメラは、様々な立場の人間たちの思いを記録する。登場するのは、難民支援をつづけるアクティビスト、仮放免中の当事者、朝鮮人虐殺の証言を継承する市民グループやドキュメンタリー監督、そして研究者。それらの断片が全体を構成し、「今とあの時」が浮かび上がってくる。
本作の監督を務めるのは『百年と希望』『わたしの自由について』の西原孝至。10年来、若い世代の社会運動を記録しつづける映画監督は、百年前の大虐殺と日本の難民制度の根底にある「差別」の歴史を掘り起こし始める。やがて東京の風景には、植民地主義の歴史と向き合うという未解決の課題が響き渡るようになる。