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アイルランドの過去と現在の姿を、ミュージシャンや市井の人々の視点から捉えたドキュメンタリー『ケルト・ユートピア』

アイルランドの過去と現在の姿を、ミュージシャンや市井の人々の視点から捉えたドキュメンタリー『ケルト・ユートピア』
『ケルト・ユートピア』© MDEMC & SVERIGES TELEVISION SVT 2025

2025年「ロカルノ国際映画祭」批評家週間でグランプリを受賞した、アイルランドの過去と現在の姿をミュージシャンや市井の人々の視点から捉えたドキュメンタリー映画『ケルト・ユートピア』が、8月22日(土)より公開される。このたび、本編映像の一部が解禁となった。

路上演奏を横目に川へ大胆ダイブ!?

街角、パブ、荒涼とした海岸や丘陵……いつも音楽があふれている島・アイルランド。激動の歴史を生きてきたこの島の人びとは、ユーモアと皮肉まじりに、自由への抵抗や日々の悲哀を美しい旋律にのせて長く歌いついできた。イギリスから部分的な独立を果たしてから100年。今なお植民地時代の影が残るなか、フォーク・リバイバルと呼ばれる新たなムーブメントがアイルランドで起きている。担い手は、アイリッシュ・フォークの伝統を受け継ぎながら、R&Bやヒップホップ、パンクなど多様なジャンルから影響を受けた新しい世代のミュージシャンたち。「フォークは基本、毒舌だ」「独自の言葉や文化が消えていくのを見て、学ばなきゃ!って」と、現代的な感覚で祖国に向い合う彼らが社会の矛盾を鋭く突きながら歌うのは、未来への希望。

本作は、アイルランドの音楽シーン、そしてこの島のひとつの側面を捉えたドキュメンタリー。人びとの心に響く豊かな音楽に、ポストコロニアル時代のアーカイブ映像を交え、歴史の傷跡に向いあうアイルランドの現在を浮かび上がらせる。過去の抑圧と明るい未来への夢が自由に歌われる島。ここは音楽のユートピアだ。

今回解禁されたのは、『ケルト・ユートピア』撮影初日の場面。ダブリンを拠点に活動するバンド、ザ・デッドリアンズのフロントマンを務めるショーン・フィッツジェラルドが橋の上で弾き語りを始めると、横に並び絡み始めたのは酔っ払いの男性。気がつくと服を脱ぎ始め、ショーンは川に飛び込むのでは?と危険を察知。「酔ってるだろ 溺れるぞ」というショーンの警告に対し男性は「泳げる」と豪語する。

心配する撮影一行をよそに男性は川へと大胆ダイブ。よろよろと泳ぎ、ハシゴを上り、橋へと戻ってくると見せかけて……またもダイブ。大きな水飛沫を上げるのだった。本作では、「演奏と観客との間にある隔たりを限りなくなくす」ことを軸にした監督の意図が生かされており、屋外での演奏はアーティストとそれを取り巻く人々の環境までもをそのまま捉えている。ライブハウスやステージではなく、彼らの生活する家や街などで演奏するシーンをスクリーンで確かめてほしい。

『ケルト・ユートピア』© MDEMC & SVERIGES TELEVISION SVT 2025

『ケルト・ユートピア』は8月22日(土)よりユーロスペースほかにて全国公開

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