直木賞作家・千早 茜のロングセラー小説「男ともだち」(文春文庫)が映画化、主演に松岡茉優、共演に成田凌を迎え、国内外で高い評価を得る三島有紀子監督(『幼な子われらに生まれ』)最新作として、11月6日(金)より公開される。このたび、神名とハセオの物語を彩るキャラクターたちを演じるキャスト陣が発表された。
直木賞作家 千早茜のロングセラー傑作小説が映画化!
京都に暮らす29歳のイラストレーター・神名。仕事もプライベートも順調に見えるが、実は描きたいものを見失い、惰性や不毛な恋愛に逃げる日々を送っていた。そんなある日、神名の元に大学時代の先輩・ハセオから突然電話が入り二人は7年ぶりに再会、あの頃も今も変わらない温度で接してくれる“男ともだち”と過ごす3つの夜が、神名の人生を大きく動かしていく。
主人公の神名を演じるのは『勝手にふるえてろ』(17/大九明子監督)、『万引き家族』(18/是枝裕和監督)の松岡茉優。才能はあるが、身勝手で人間関係に不器用なクリエイターの孤独や不安定な心情を繊細に体現し、30歳を目前に人生に行き詰まるキャラクターをリアルに演じ切る。出会ったころからなぜか神名を深く理解している男ともだち・ハセオには『愛がなんだ』(19/今泉力哉監督)や『窮鼠はチーズの夢を見る』(20/行定勲監督)の成田凌。ぶっきらぼうに見えるが、松岡演じる神名に対しては独特の距離感で接する“男ともだち”として唯一無二の存在感を放つ。7年ぶりに再会を果たす神名とハセオと同じく、松岡と成田も7年ぶりの共演が実現した。
主人公・神名の恋人で同棲相手・彰人役は、着実に演技のキャリアを積み上げている井上祐貴。恋人同士の気持ちが冷めていく様を痛々しく絶妙なトーンで好演。妻子ある身だが神名と関係を持っている医師・真司役に、話題作への出演が相次ぐ中島歩。神名の大学時代のともだち・美穂には、宝塚歌劇団出身で女優・歌手として活躍の場を広げる咲妃みゆ、神名とハセオの先輩でライブハウスのオーナー・岩佐に三浦貴大、各々がキーパーソンとしての役目を担い、神名が通う映画館の映写技師の女役の余 貴美子、美術館のキュレーター・楢崎役の池畑慎之介が作品に深みを与える。
原作は、『しろがねの葉』で「第168回直木賞」を受賞した千早茜が2014年に発表し、根強い人気を誇る傑作同名小説。著者作品初の映像化となる。三島監督が、登場人物の心の奥底にある揺らぎや体温をロングテイクで見つめ続け、その場に流れる神名とハセオの時間をスクリーンに刻む。
スタッフ陣も、劇場でこそ真価を発揮する映画の醍醐味を追求する面々が集結。脚本は『愛がなんだ』の澤井香織。原作のエッセンスを活かしながら、複雑な登場人物の感情を浮かび上がらせた。撮影は、『室町無頼』(25/入江悠監督)の大塚亮が、照明は『ちょっと思い出しただけ』(22/松居大悟監督)の藤井勇が担当。生きたロングテイクの中で、俳優陣の体温や息づかい、その場所の景色や空気を余すところなくリアルに映し取った。
さらに美術を手掛けるのは、『国宝』(25/李相日監督)で「第49回日本アカデミー賞」最優秀美術賞を受賞した下山奈緒。神名やハセオの生活空間、或いは神名のアトリエなど、どのアングルから切り取っても登場人物の過去を想像させる豊かな“痕跡”や“記憶”を宿した美術を創り上げた。
本作は、2026年2月、京都、福井、広島で撮影を敢行。神名とハセオが過ごす“3つの夜”を通して、清濁が混ざり合った一人の女性の心情をリアルにとらえ、そこにしかない曖昧で確かな男女のつながりを映し出す。甘く、苦く、ひりひりとした“語らずにはいられない物語”が誕生した。
<コメント>
井上祐貴(彰人役)
不思議な関係と絆で繋がっている2人の、お互いを思いやる愛情が印象的な作品でした。僕自身としては、演じさせて頂いた彰人が神名との冷めていく関係をどう感じて向き合っているのか、をとても考えさせられた作品です。撮影時は、松岡さんはじめ監督やスタッフの皆さんと何度もリハーサルを重ねる事で、彰人というキャラクターにより深みを持たせられたのでは、と思っています。1カットで撮影をする長回しのシーンが多く、その緊張感を全身で感じながら過ごした刺激的な撮影現場でした。決して綺麗ではないけれどそこかしこに何故か共感できる部分がある、そんな作品になっていると思います。是非お楽しみに。
中島歩(真司役)
松岡さん演じる神名はピリピリしていて隣にいるだけで緊張しました。そう感じさせられる松岡さんにとても刺激を受けました。そんな神名は観客を「男ともだち」というロマンチックな関係に陶酔させることを許さず、容易に感情移入もさせてくれません。しかしそれを作品の魅力にしてしまう三島監督の演出が本当に素晴らしかったです。私はというと、出たよ中島と思われるかもしれない役回りですが懲りずに楽しんでいただけたらと思います。
咲妃みゆ(美穂役)
言葉にし難い“絶妙な関係性”は往々にしてあるだろうし、断定的に言語化するなんてそもそも出来るはずないのかもしれません。この物語に触れながらそんなことを漠然と考え、何処か心が救われたような気持ちになりました。辻田美穂は神名の抱く複雑な感情に理解を示し共鳴し合う稀な人物です。美穂にとっても神名との結びつきは唯一無二の光であることを胸に留め大切に演じさせていただきました。映画を愛する三島監督の並々ならぬ情熱を全身で感じ、松岡茉優さんの圧倒的な集中力に惹きつけられた撮影期間でした。この映画に携われたことを幸せに思います。人間ならではの複雑さと愛おしさを、ぜひ劇場でお楽しみください。
三浦貴大(岩佐役)
自分と他人との関係は、実はひどく曖昧で、それに名前を付けることでしか確認できないのかもしれない。生きてく上で無意識に感じている寂しさや言語化できないような感情を、そっと差し出してくれるような映画でした。岩佐という役柄を演じるにあたって、迷う部分は沢山ありましたが、現場で監督と話をする中で「現実も映画も色んな人がいて良い」という言葉に救われました。多くの人にこの映画が届くことを願っています。
余貴美子(映写技師の女役)
三島監督から、原作にはない「映写技師の女」、映画の神様、という畏れ多いお役を承りました。ほんのちょいの間の登場ですが、その役はかつてロマンポルノに出演したことのある女優らしい。と、それだけで、演じるのがワクワクしました。京都にある映画館出町座で、主人公が自分の気持ちを吐露する場面。皆様も映画館でモヤモヤした気持ちをしっとりと味わって頂きたいと思います。
池畑慎之介(楢崎役)
第一線で活躍されるお二人が出演する本作に参加でき、大変光栄に思っております。初めて挑んだキュレーター役では大きな感情表現がない分、後ろ姿の佇まいや絵と向き合う静かな時間、そして楢崎呉羽というキャラクターをどのように表現するか、丁寧に向き合いました。皆様の思い描く“キュレーター像”として映っていれば幸いです。松岡さんのお誕生日に撮影をご一緒でき、私にとても印象深い一日となりました。映像の美しさとお二人の織り成す世界観をぜひご堪能ください。私もささやかではありますが、この作品にお力添えさせていただいております。
©︎2026『男ともだち』製作委員会
『男ともだち』は11月6日(金)より全国ロードショー