【日本映画】今週公開の注目7作:2026年6月5日【BANGERピックアップ】
『FUJIKO』© 2026 FUJIKO Film Partners
©田村茜/コアミックス ©映画「モブ子の恋」製作委員会
【2026年6月5~6日公開の日本映画7選】
🎬️『Never After Dark/ネバーアフターダーク』
霊媒師一家に生まれた愛里(穂志もえか)と、ある事件によって霊となった姉・美玖(稲垣来泉)。霊と交信できる力で全国の怪事件を解決して回る姉妹のもとに「屋敷に出る男の亡霊を祓ってほしい」という依頼が舞い込む。
目撃した張本人の禎子(木村多江)は愛里の仕事に興味津々だが、息子・群治(賀来賢人)は霊の存在に懐疑的。しかし屋敷では怪現象が相次ぎ、除霊の儀式を始めた愛里はさっそく亡霊に遭遇する。
おぞましい見た目をし、部屋の壁に隠された“何か”を必死に探す亡霊の願いとは? 真実のベールがはがされるにつれて浮かび上がってくる、屋敷にひそむ秘密、姉妹を縛る恐ろしい過去、亡霊の驚愕の正体。そしてついに惨劇の幕が上がる――。
『Never After Dark/ネバーアフターダーク』© 2025 Signal181, Inc. All rights reserved.
「忍びの家 House of Ninjas」(24)でNetflix週間グローバルトップ10(非英語シリーズ部門)第1位、世界92カ国でトップ10入りを果たすなど、一大ブームを巻き起こした俳優・プロデューサー:賀来賢人×監督:デイヴ・ボイル。勢いそのままに、共同で映像製作会社「SIGNAL181」を設立。その初陣となる劇場映画第1作に彼らが選んだのが『Never After Dark/ネバーアフターダーク』である。
主演を飾るのは、歴史的快挙を成し遂げたドラマ『SHOGUN 将軍』での好演が記憶に新しい穂志もえか。過酷な運命を背負ったどこか危うさのある主人公・愛里を演じる。幽霊となった姉・美玖には、『糸』『366日』ほか話題作の出演が続く稲垣来泉。依頼者の親子に扮したのは「忍びの家」でも安定感を発揮した木村多江と賀来賢人。さらに鬼才・黒沢清の監督作『Chime』で異彩を放った吉岡睦雄、名バイプレイヤー・正名僕蔵など個性的な面々が、作品に豊かな奥行きを生み出している。
🎬️『FUJIKO』
1977年の静岡。嵐がひどく停電した病院で娘・麻理を出産した富士子。母親になった喜びも束の間、夫の実家から理不尽な仕打ちを受け続けたあげく、姑と義姉に麻理を奪われてしまう。
愛する幼な子と引き離された絶望の中、実母・千代の力を借りなんとか麻理を取り返した富士子は、周囲の反対を押し切りシングルマザーとして麻理を育てることを決める。しかし、その先に待ち構えていたのは、図らずも自身が憧れていたロックンロールのような波乱万丈の人生だった――。
『FUJIKO』© 2026 FUJIKO Film Partners
映画『AFTERGROWS』、King GnuのMVやNIKE等のCMで活躍する木村太ー監督がメガホンを取り、映画『零落』やNetflix「ラヴ上等」で近年プロデュース業にも進出している俳優・MEGUMIが企画・プロデュースを担う。
原案・監督:木村太一、脚本:我人祥太、國吉咲貴
出演:片山友希、渡辺友那、寺田楓、諏訪珠理、橋本淳、MEGUMI、馬場園梓、瀬戸さおり、ミズモトカナコ、成松修、関口アナン、YOU、リリー・フランキー、うじきつよし、竹下景子、イッセー尾形、岸本加世子
🎬️『モブ子の恋』
モブ(mob)とは、群衆、脇役、背景と同化しているキャラクターのことである。田中信子(桜田ひより)は、その定義に自分を重ね合わせ、常に誰か別の主人公たちが輝く世界を遠くから眺めて生きてきた。
そんな彼女の視線の先に、スーパーで働く入江博基(木戸大聖)が現れる。誰も気づかぬ足元の小さな花を、力いっぱいカートを操って避ける入江の姿。その自然なやさしさに触れた信子は、次第に入江に惹かれはじめる。
その出会いをきっかけに、「人とちゃんと関わりたい」――自らを縛っていた殻を破ろうともがき始めた信子。しかし、現実は甘くない。就職活動の面接では「あなたのことを話して」という問いに言葉が詰まり、厳しい現実を突きつけられる。
そんな彼女の背中を静かに押してくれるのは、お節介なほど明るい後輩の安部ちゃんや、厳しくも温かい先輩の篠崎さんといった仲間たち。一方の入江もまた、彼女が隅っこで魅せる静かなやさしさに気づき、その存在をまっすぐに見つめていた。
お祭りの灯りや、二人で運ぶ荷物の重みといったささやかな日常の積み重ねが、やがて二人に前を向く強さを与えはじめる。誰かに見つけてもらうのを待つだけではない、新しい人生のあり方を見つけた二人に待つものとは…?
出演:桜田ひより、木戸大聖、早瀬憩、唐田えりか、草川拓弥、荒木飛羽、中村優子、古舘寛治 ほか
🎬️『山口くんはワルくない』
恋に夢見る平凡女子・皐の前に現れた、コワモテの転校生・山口くん。
「何見とんねん!」と言わんばかりの鋭い眼差しに、怯えるクラスメイトたち……
その素顔は、照れ屋でやさしい、ピュアボーイだった。
「みんなにも知ってほしい。……でも、本当の山口くんを知っているのは、私だけ。」
そんなとき、クラスのイケメン男子・石崎からまさかの”告白”をされる皐。彼もまた、山口くんに特別な想いを抱いていて―?
皐と山口くん、そして石崎の予測不能な恋のトライアングルが急発進! すれ違う3人の恋は思わぬ展開に―!? 知れば知るほど、”ひとりじめ”したくなる。コワモテくんとの”照れキュン”な恋 がはじまる―
出演:高橋恭平 髙橋ひかる 岩瀬洋志
🎬️『シーシュポスたちのまなざし』
主人公・黒田真優が在籍する大学では、ドキュメンタリー作品の制作を行う授業があった。真優は、高校時代に男性教諭・新田が男子生徒・野島へ不適切な性的行為をしてしまう不祥事を起こし、週刊誌の記事、当事者の実名を晒すSNSの投稿などから当事者である野島の人生が変わってしまった経験から、その当時を振り返ることをテーマにしたドキュメンタリーの企画案を提出すると採用され、真優がその作品の監督を務めることになる。
真優は当事者の野島を放送部の先輩として慕い、好意を抱いていたのだが、野島はその騒動をきっかけに、今までのように学校に来ることがなくなり、普通の生活ができなくなってしまう。そんな事の顛末に対する理不尽さを感じていた真優は、些細なきっかけで噂やSNSの情報などに影響されてしまう集団心理の危うさを検証し、そういった情報社会に警笛を鳴らすような作品を目指すつもりだった。
撮影や取材を進めるにつれ、その騒動を掘り起こすことを地域として歓迎していないことを肌で感じ、徐々に自身の構想通りに取材が進まなくなり、当時真優が知らなかった事実や、忘れてしまっていた騒動に纏わる自身の行為、野島の知らない一面、そして不適切な性的行為を行なった新田と野島の関係を知っていくことになっていくことになる。苦き青春の想い出を遡りながら、知られざる様々な思惑によって隠された過去の事実に遭遇していく――。
🎬️『ぼったくり家族』
乾大輔(里中将道)は、借金取りに追われるコンビニ店員。仲間の樋口拓馬(佐藤永典)も多重債務者で、二人は「暴露系インフルエンサー」として荒稼ぎしようと企む。
タレコミをもとに詐欺師へ突撃する動画で勢いづいた二人は、次に“ぼったくりバー”の潜入調査に挑むが、逆に半グレの橘兄弟(二葉勇・要)に嵌められ多額の請求と脅迫を受けてしまう。抵抗の末に店員・宍戸秀太(鈴木秀脩)を拉致して連れ出すが、橘兄弟はさらなる支払いと報復を宣告。身を隠そうとする中、秀太にも裏事情があると知る。そして裏切られた者は何を選ぶのか…?
一方、学校の同級生から不良扱いされる少女・高遠美咲(白石望莱)が家族の問題に苦しみながらも必死に抗っていた。大輔たちの追い詰められた逃走劇と、美咲の孤独な闘いが、やがて一つの線で交錯し始める――。
現代の若者を狙ったSNS詐欺を題材に、ある一軒家をめぐり繰り広げられる金と欲望にまみれた騙し合い、そして“信じること”を巡る心理戦を描く本格サスペンス。監督は、ホラーをはじめ100本以上の作品を手掛け、その独特な世界観と巧みなストーリー構成に定評がある松本了。
🎬️『聴く隣人のいるところ』
島根県江津市、 浅利富士の中腹に佇む全寮制の愛真(あいしん)高校。生徒数わずか34名のこの学校では、生徒たちは親元を離れ、仲間と寝食をともにしながら3年間を過ごす。スマートフォンもインターネットもない生活の中にあるのは、学友や教師との対話、そして音楽。少し不便で外界から距離を置いた環境だからこそ、人と向き合う時間が自然に生まれる。
ここでは、意見を述べるだけでなく、相手の言葉を聞き、受け止め、ときにぶつかることが当たり前に繰り返される。 生活の指針である「決まり心得」もまた、「全体会」と呼ばれる場で生徒と教職員が議論を重ねながら更新されてきた。生徒は自分の声を持つことが他者の声に耳を澄ますことへつながるということを知っていく。
いま、声はあふれている。けれど、その声は互いに届いているだろうか。「自分の意見を持て」と求められ続けた時代の先で、私たちは他者の声を引き受ける力を手放してはいないか。国内外から集まった若者と教師が共に暮らす愛真高校の1年を記録したドキュメンタリー。
監督は同校出身の早川嗣(ゆずる)。写真家・映画監督の本橋成一の制作に携わってきた早川が、母校にカメラを向け完成させた。熱心なキリスト教の家庭で育った監督が、自身の青春時代を省みながら撮り溜めた記録であり、彼の本格的デビュー作でもあると同時に2025年12月に逝去した本橋が支援し、最後に世に送り出した作品となった。映画は、学生たちの喜怒哀楽とともに、小さな学舎で対話が生まれる時間を映し出す。