素敵な風景とともに心に爽やかな風が吹く。究極の「視覚デトックス」邦画5選

素敵な風景とともに心に爽やかな風が吹く。究極の「視覚デトックス」邦画5選
画像はイメージです

日差しが一段と明るくなり、木々の緑が目に眩しい5月。いよいよ梅雨の気配も近づいてくるこの時期、少し疲れが溜まってきた心に必要なのは、たっぷりの「深呼吸」かもしれません。

今回は、日本各地の美しい風景とともに、観終わったあと心に心地よい風が吹き抜けるような邦画5作品を厳選しました。画面いっぱいに広がる瑞々しい景色と、そこに流れる穏やかな時間は、まさに究極の視覚デトックス。窓を大きく開けて、初夏の風を感じながら楽しんでみてください。

心に風を吹かせてリフレッシュ

鹿児島:エメラルドの海で「たそがれる」贅沢

『めがね』(2007年)

監督:荻上直子
出演:小林聡美、市川実日子、加瀬亮 ほか

【あらすじ】
都会での生活に一区切りをつけ、南の島の小さな町へとやってきたタエコ。彼女がたどり着いたのは、不思議な一軒宿「ハマダ」でした。しかし、そこには観光名所もなければ、やることも何もない。ただ、マイペースすぎる住人たちが独自の距離感で過ごしているだけ。あまりに独特な空気に戸惑うタエコは、一度は宿を出て行こうとしますが……。

【おすすめポイント】
「何もしないこと」の豊かさを教えてくれる、荻上ワールド全開の一作。どこまでも透き通るブルーの海と、白い砂浜。そしてシュールで愛らしい「メルシー体操」。観ているうちに、自分を縛っていたこだわりが潮風に溶けていくような、心地よい解放感を味わえます。

北海道:湖畔のパンの香りと、凛とした空気を

『しあわせのパン』(2011年)

監督:三島有紀子
出演:原田知世、大泉洋、森カンナ ほか

【あらすじ】
東京から北海道・洞爺湖のほとりにある月浦(つきうら)へ移住し、パンカフェ「マーニ」を始めた水縞夫妻。夫の尚がパンを焼き、妻のりえが料理とコーヒーを添える。その店には、心に小さな穴が開いた人々や、忘れられない過去を持つ客たちが次々と訪れます。焼きたてのパンを分け合い、季節の移ろいを感じる中で、彼らの心は静かに癒やされていき……。

【おすすめポイント】
洞爺湖の神秘的な風景と、丁寧に作られた料理やパンの数々。スクリーンから北の大地の澄んだ空気と、小麦の香ばしい匂いが漂ってくるようです。「分け合うこと(companion)」の尊さが胸に響き、鑑賞後は優しい気持ちでいっぱいになれる、心の栄養剤のような一本です。

岩手:森の呼吸と、手仕事で紡ぐ日々

『リトル・フォレスト 夏・秋』(2014年)

監督:森淳一
出演:橋本愛、三浦貴大、松岡茉優 ほか

【あらすじ】
都会での生活に馴染めず、故郷である東北の山間の村・小森(こもり)に戻ってきたいち子。スーパーもコンビニもないこの村での暮らしは、自ら畑を耕し、山で恵みを採る自給自足の毎日。厳しい自然と向き合い、汗を流し、一から食事を作る。そんな地道な営みの繰り返しの中で、いち子は少しずつ、次の一歩を踏み出すための力を蓄えていき……。

【おすすめポイント】
岩手の深く瑞々しい緑、雨上がりの湿った土の匂い、そして鮮やかな色彩の旬の食材。自然のサイクルに身を任せることの厳しさと美しさが、圧倒的な映像美で描かれます。余計なノイズを削ぎ落とした静かな時間は、現代を生きる私たちの心に、爽やかな風と「生きる実感」を送り込んでくれます。

三重:巨木の静寂と、山が教える「なあなあ」の心

『WOOD JOB!(ウッジョブ)~神去なあなあ日常~』(2014年)

監督:矢口史靖
出演:染谷将太、長澤まさみ、伊藤英明 ほか

【あらすじ】
大学受験に失敗し、彼女にもフラれた都会育ちの勇気。ふとしたきっかけで林業研修に参加することになりますが、そこはケータイも圏外の超田舎「神去(かむさり)村」でした。過酷な労働と荒っぽい職人たちに、早々に逃亡を企てる勇気。しかし、村に住む美女の存在や、山に生きる人々の「なあなあ(ゆったり)」な精神に触れるうち、彼は100年後の未来を見据える林業の魅力に引き込まれていき……。

【おすすめポイント】
三重県の雄大な山々を舞台にした、笑いと感動の成長物語。どこまでも続く杉林の深い緑と、山頂から見渡すパノラマは圧巻です。山の神聖な空気感と、カラッとした笑いのバランスが絶妙で、観終わったあとは森林浴をしたあとのような清々しさに包まれます。

神奈川:潮風と紫陽花。鎌倉で育まれる家族の絆

『海街diary』(2015年)

監督:是枝裕和
出演:綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆 ほか

【あらすじ】
鎌倉の古い一軒家で暮らす香田家の三姉妹。15年前に家を出た父の訃報を受け、彼女たちは葬儀で異母妹のすずと出会います。身寄りのなくなったすずの、毅然としながらも寂しげな姿に、長女の幸は「鎌倉で一緒に暮らさない?」と提案。四女として鎌倉にやってきたすずと、三人の姉たち。季節の移ろいとともに、四人は本当の家族になっていき……。

【おすすめポイント】
是枝監督の繊細な演出が、鎌倉の原風景を見事に切り取っています。波打ち際を歩く四人の姿、満開の桜のトンネル、縁側で仕込む梅酒。そこにある光と風、音の一つひとつが瑞々しく、日常の美しさを再発見させてくれます。心の窓を全開にして浸りたい、透明度抜群のヒューマンドラマです。

美しい日本の風景とともに、私たちが忘れかけていた「心のゆとり」を思い出させてくれる5作品になったのではないでしょうか。

忙しい毎日の中で、ふと足を止めて遠くを眺めてみる。そんな時間をこの5本の映画と一緒に過ごしてみてください。鑑賞後、あなたの心にもきっと、爽やかな初夏の風が吹き抜けているはずです。

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