カルト的名作の“主演が降板”→『マトリックス』俳優を起用…その〈理由〉が20年後に判明

カルト的名作の“主演が降板”→『マトリックス』俳優を起用…その〈理由〉が20年後に判明
※イメージ画像

『Vフォー・ヴェンデッタ』主役交代の真相

公開から20年の節目となる2026年、映画『Vフォー・ヴェンデッタ』のジェームズ・マクティーグ監督が、長らく謎とされてきた”主演俳優の交代劇”の真相を明らかにした。スクリーン・ラントほか複数メディアが報じている。

「V フォー・ヴェンデッタ」
ブルーレイ(2D)価格:2,619 円(税込)
DVD 価格:1,572 円(税込)
販売元:Happinet
©2006 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

本作は、ファシズム体制下の架空の英国を舞台に、仮面の革命家・Vが圧政に立ち向かう姿を描いたアラン・ムーアの同名グラフィックノベルの映画化作品。劇中でVを演じたヒューゴ・ウィーヴィングの圧倒的な存在感と数々の名台詞は高く評価されているが、当初この役はジェームズ・ピュアフォイが演じる予定であり、実際に数週間の撮影も行われていた。降板の理由についてはこれまで”クリエイティブ面での相違”と囁かれてきたが、このたびマクティーグ監督はインタビューでその見方を明確に否定した。

監督いわく「仮面を受け入れられるかどうかが、すべてだった」とのことで、ピュアフォイは優れた俳優だが、演技の核心である”顔の表情”を完全に封じられた状態での演技に大きな困難を感じていたようだ。40年近く磨いてきた表現手段を奪われることは、いかなる役者にとっても容易ではない。しかし監督は彼をV役に最適なキャストとは判断できないと結論づけ、監督デビュー作にして主演俳優を交代させるという異例の決断を下した。

「仮面こそ自由」ウィーヴィングが作品を救った瞬間

後任として起用されたのが、マクティーグが『マトリックス』シリーズの助監督を務めていた頃から交流のあったヒューゴ・ウィーヴィングだった。彼は仮面を制約とは捉えず、むしろ”解放”として熱狂的に受け入れた。演劇学校で仮面劇の訓練を積み、舞台経験も豊富なウィーヴィングは、表情に頼らない身体表現と発声に精通していた。監督はウィーヴィング参加後の最初の撮影――イヴィ(ナタリー・ポートマン)が幽閉から解放されシャドウ・ギャラリーにいたと悟るシーン――を見て、「この男が作品を救ってくれた」と確信したという。

なお、Vの仮面は構造上、現場での音声収録が困難だったため、ウィーヴィングは全セリフをADR(ポストプロダクションでの音声収録)で録り直している。この際も彼はスタジオでナイフを投げる動作を交えながら現場の演技を完全に再現し、呼吸の変化や声の抑揚に至るまで忠実に表現したそうだ。

20年を経ても色褪せない「反逆のシンボル」

公開から20年を経た現在も、本作は辛口批評サイト「ロッテン・トマト」で90%の観客スコアを維持するなど、腐敗した権力への抵抗を描いた普遍的な作品として評価され続けている。Vのトレードマークである「ガイ・フォークス」のマスクが世界中で反逆と自由のシンボルとなっている事実が、あの配役が正しかったことを証明しているとも言えるだろう。

現在、HBOでは本作のドラマシリーズ化が進行中で、ピーター・ジャクソンが監督・脚本、ジェームズ・ガンとピーター・サフランがプロデュースを担う予定とのこと。一方、ピュアフォイは『ザ・フォロイング』や『ウィッチャー』シーズン4などで着実にキャリアを重ね、2026年後半には実写映画『マスターズ・オブ・ザ・ユニバース』への出演も控えている。

 

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