ローマ教皇との対話を映画化!巨匠スコセッシ監督が『タクシードライバー』以前に撮った異色作とは?
超豪華キャスト!あの名女優たちの若かりし姿も
主演のエレン・バースティンは本作でアカデミー主演女優賞を受賞し、その演技力が高く評価された。共演にはクリス・クリストファーソン、ジョディ・フォスター、ハーヴェイ・カイテルらが名を連ねており、バースティンはカイテルの演技に圧倒され撮影後に涙したという逸話もある。
2年後にスコセッシ作『タクシードライバー』に出演することになるフォスターは、若干12歳ながらも印象的な演技を披露。また、のちのオスカー女優であるローラ・ダーンも子役として出演しており、そのタフさをスコセッシが称賛したという(当時6歳)。
For ‘Alice Doesn’t Live Here Anymore’ (1974), Martin Scorsese required 19 takes to get a scene right and praised one particular 6-year-old extra:
“She ate 19 ice cream cones and didn’t get sick, that girl’s gonna be an actress”
That girl was future Oscar winner Laura Dern 🍦 pic.twitter.com/45T90SAIa1
— Film Facts 🎬 (@Factsonfilm) March 30, 2021
スコセッシを監督に起用したのはエレン・バースティンだった
『アリスの恋』はリアルな人間ドラマとスコセッシの斬新な演出が見どころだ。特に、アリスの成長と彼女を取り巻く人々の複雑な関係性を丁寧に描かれていて魅力的。「オズの魔法使」のオマージュでもある冒頭シーンは幻想的な雰囲気が漂う一方で、ダイナーのシーンではアリスの人間関係を描き観客の共感を呼ぶ。
『アリスの恋』© 2024 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.
じつは本作の制作権限を握っていたのはスコセッシではなく、『エクソシスト』(1973年)撮影中のバースティンだった。彼女はフレッシュな監督はいないかとフランシス・フォード・コッポラに相談し、そこで勧められたのが『ミーン・ストリート』(1973年)で、興味を示したバースティンがスコセッシを起用したのだという。本作がスコセッシの異色作と言われるのは、「女性のリアルな問題を描く映画」を求めたバースティンの手腕も大きな理由の一つだろう。
『アリスの恋』はCS映画専門チャンネル ムービープラスで2025年5月放送