なぜ朝鮮は海戦で日本に勝てたか?双方の立役者は?手に汗握る戦アクション『ハンサン ―龍の出現―』

なぜ朝鮮は海戦で日本に勝てたか?双方の立役者は?手に汗握る戦アクション『ハンサン ―龍の出現―』
『ハンサン ―龍の出現―』©2022 LOTTE ENTERTAINMENT & BIGSTONE PICTURES CO.,LTD.ALL RIGHTS RESERVED.
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海戦の歴史と朝鮮vs日本

朝鮮水軍の将軍として日本軍から国を守り抜いたイ・スンシンと、豊臣秀吉の家臣として加藤清正らとともに「賤ヶ岳の戦い」で名を馳せた猛将・脇坂。本作は互いの実力を認め合う両雄を中心に、自軍それぞれの政治的ゴタゴタに翻弄されながらもガチンコ戦に挑む姿が描かれている。

特定の海域をめぐり紀元前から行われていた海戦は、海上交易が盛んだったヨーロッパが一歩先んじていた。日本でも古墳時代から船による戦は行われていて、飛鳥時代には中国(唐)との海戦に大敗したという記録も残されているとか。

『ハンサン ―龍の出現―』©2022 LOTTE ENTERTAINMENT & BIGSTONE PICTURES CO.,LTD.ALL RIGHTS RESERVED.

本作は日本の戦国時代、つまり大航海時代と被る時期のお話なので海戦も進化を遂げていて、大砲ドンパチ戦も繰り広げられたようだ。ちなみに秀吉は当時フィリピンを占領していたスペインに対してオラオラな姿勢をとっていたとも言われていて、海戦によって世界がつながっていたことを感じさせる。

劇中では火縄銃によって現代のライフル銃レベルの精度で敵を仕留めるシーンなど考証的に無茶なところも多々ありつつ、歴史シミュレーションゲームなどに親しんだ人も楽しめるであろうエンタメ度高めの仕上がり。日本軍側のセリフは吹替(日本公開版)なのでそこに気を取られることもなく、軍略バトルに集中できる。

『ハンサン ―龍の出現―』©2022 LOTTE ENTERTAINMENT & BIGSTONE PICTURES CO.,LTD.ALL RIGHTS RESERVED.

同じくパク・ヘイル主演の『神弓-KAMIYUMI-』(2011年)で知られる監督のキム・ハンミン。2014年の『バトル・オーシャン/海上決戦』と本作を挟んで2023年の『ノリャン ―死の海―』で三部作として完結させているので、併せて観ればより深く楽しめるだろう。

『ハンサン ―龍の出現―』はCS映画専門チャンネル ムービープラス「今月の韓国映画」で2025年3月放送

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