なぜ朝鮮は海戦で日本に勝てたか?双方の立役者は?手に汗握る戦アクション『ハンサン ―龍の出現―』
歴史海戦アクション『ハンサン ―龍の出現―』
韓国公開時には730万人を超える観客動員を記録したという歴史アクション大作『ハンサン ―龍の出現―』(2022年制作)。本作は今から430年ほど前に韓国と日本の間で起こった海戦の一つである<閑山島海戦>を描いた戦アクションだ。
1592年4月。明国征服を狙う豊臣秀吉の命で朝鮮に侵攻した日本軍はわずか20日で首都・漢陽を陥落。漢陽奪還のために集結した朝鮮勤王軍も日本の武将・脇坂安治の奇襲で壊滅状態に。敗戦の続く朝鮮水軍のイ・スンシン将軍は、破竹の勢いで閑山島沖へ出陣した日本軍をある奇策で迎え撃つ――。
『ハンサン ―龍の出現―』©2022 LOTTE ENTERTAINMENT & BIGSTONE PICTURES CO.,LTD.ALL RIGHTS RESERVED.
天下統一を成し遂げた豊臣秀吉は中国大陸の明国を次なるターゲットとし、その侵攻の足がかりとして朝鮮半島に出兵(文禄・慶長の役)。その戦の中でも日朝両軍の大きな分岐点となったのが閑山島海戦で、本作は日本軍によって占領されている港(釜山浦)のシーンから始まる。
『ハンサン ―龍の出現―』©2022 LOTTE ENTERTAINMENT & BIGSTONE PICTURES CO.,LTD.ALL RIGHTS RESERVED.
主人公は“救国の英雄”と呼ばれるイ・スンシン(李舜臣)で、演じるのは時代劇『王の願い ハングルの始まり』(2019年)からサスペンス恋愛劇『別れる決心』(2022年)まで幅広く活躍するパク・ヘイル。日本側の武将・脇坂安治(わきざかやすはる)を演じるピョン・ヨハンは、作品ジャンルが変わるとイメージも猛烈に変わるカメレオンぶりを本作でも披露している。『犯罪都市』シリーズでおなじみパク・ジファンのシリアス演技が観られるのも嬉しい(お笑い要員も兼ねているが)。
なお、秀吉の朝鮮出兵については昨年公開されたスリラー映画『破墓/パミョ』を観た人ならば共通点に気づくかと思うが、これは大きなネタバレになるのでいったん忘れて欲しい。
『ハンサン ―龍の出現―』©2022 LOTTE ENTERTAINMENT & BIGSTONE PICTURES CO.,LTD.ALL RIGHTS RESERVED.