アクション俳優の重鎮に「プーチンがロシア国籍を授与」「装甲車をPR」謎すぎるキャリアと主演映画を振り返る
あのアクション俳優は今?
スティーヴン・セガールの映画界での活動を今も追えている人は、筋金入りのセガールファンだろう。1980年~1990年代に一斉を風靡したセガールだが、2000年代以降は劇場公開された主演映画は片手で数えられるほどしかない。
言わずもがな、セガールがブレイクしたのは1992年の『沈黙の戦艦』で、私たちはテレビ放送で脳に刷り込まれるほど繰り返し鑑賞してきた。いわゆる「沈黙シリーズ」と呼ばれる邦題が冠された作品群は約50本ほど存在し、漢字2文字で構成されたパンテラ風のタイトル作も同時進行で公開/リリースされている。
日本で修行したという合気道の黒帯を持つセガールは日本語も流ちょうで、ハリウッドで最もネイティブに近い日本語発音/演技ができる俳優の一人である。セガールフィルターを通した関西弁なのでクセも強く、日本を舞台にした主演作では映画自体に良くも悪くもシュールなバイブスをもたらしてきた。
『沈黙の断崖』© Warner Bros. Entertainment Inc.
セガールは「潰瘍を抱えた仏教徒のよう」
2009年にはリアリティ番組『実録! スティーヴン・セガール警察24時!』が数シーズンにわたって放送。たびたび警察組織へのリスペクトを口にしていたセガールがパトカーに乗って軽犯罪者たちを確保し、ときには同僚たちを鼓舞する姿が視聴者に色んな意味で衝撃を与えた。これまでフィクションの世界で存在感を示してきたセガールだが、現実世界でも私たちが知るセガールのまんまであった。
かつて『グリマーマン』(1996年)で共演した名優ブライアン・コックスはセガールのことを「潰瘍持ちの仏教徒」という言葉でその矛盾した二面性を表現していたが、2010年代以降はセクハラ疑惑などのスキャンダルで仕事が激減。2016年にはプーチン大統領から勲章とロシア国政を与えられるという、謎のキャリアを歩んでいる。最近もアブダビで開催された装甲車のお披露目会に参加するなど、セガールの挙動は常に予想の斜め上を行く。
そんなセガールの黄金期の主演作が、CS「暴走注意!24時間 ワイルド・アクション特集」でTV放送中だ。同特集では日本語吹替版も放送されるので、大塚明夫ほかおなじみのベテラン声優たちの名演で観れば、より一層楽しめるだろう。
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