バットマン生誕85周年
ご存知「バットマン」が1939年に<ディテクティブ・コミックス>に初登場してから、2024年で85年を迎える。ティム・バートン監督、マイケル・キートン主演の映画版『バットマン』(1992年)はいまだ色あせないスーパーヒーロー映画の金字塔だが、その後数十年のあいだに映像技術は飛躍的に進歩し、バットマンも様々な進化を遂げた。
日本でも80年代から翻訳コミックが出版され、90年代には初代ドラマ版も再放送。アメコミ映画ブーム以前から幅広い世代に刷り込まれていた、元祖輸入ヒーローの一人と言えるだろう。いまだに無関心層が”バッドマン”なんて表記しているのを目にしたりはするものの、もはやあらゆるエンタメを語るうえでスルーすることは不可能な存在になっている、
クリストファー・ノーラン『バットマン』トリロジーに再注目
そんなバットマンの最近の関連トピックといえば、アカデミー賞8部門にノミネートされアメコミ映画の風向きを決定的に変えた『ダークナイト』(2008年)の監督であるクリストファー・ノーランが、最新作『オッペンハイマー』で同賞の作品賞、監督賞ほか最多7部門を獲得したこと。おかげで『バットマン ビギンズ』(2005年)、『ダークナイト』、『ダークナイト ライジング』(2012年)からなるトリロジーが改めて注目を集め、アメコミ映画の第一歩を踏み出す新規ファンも増えていることだろう。
同トリロジーで最高の悪役といえば故ヒース・レジャーが演じた『ダークナイト』のジョーカーだが、もうひとり忘れられない悪役がいる。それが、『オッペンハイマー』でアカデミー賞主演男優賞を受賞したキリアン・マーフィーがトリロジーを通して演じた、スケアクロウことジョナサン・クレイン。悪夢のような幻覚を操るスケアクロウの怪しさがキリアンの好演によって増幅され、ある意味もっとも厄介な存在として記憶に刻まれることとなった。
また、現時点での最新バットマン映画『THE BATMAN-ザ・バットマン-』(2022年)には、ポール・ダノ演じるリドラーことエドワード・ナッシュトン、コリン・ファレル演じるペンギンことオズワルド・“オズ”・コブルポットなど、お馴染みの悪役が登場。ペンギンはスピンオフ製作にもGOが出たようで、バリー・キオガンが演じたジョーカーらしき存在の今後も気になるところだ。
そんなゼロ年代『バットマン』の重要2作が現在、CS映画専門チャンネル ムービープラス「特集:バットマン生誕85周年記念!DCヒーロー特集」で放送中。同特集ではバットマンと並んでDCコミックを代表するヒーローであり、ジャスティス・リーグの一員であるスーパーマンやアクアマンの単独作も一挙放送する。ジェイソン・モモア演じるアクアマンは言わずもがな、70~80年代にクリストファー・リーヴが演じて一時代を築いたスーパーマン映画4作は、アメコミ映画全盛の今こそ新鮮に映るはずだ。