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旧ソ連映画界の巨匠にして、不世出の映画作家アンドレイ・タルコフスキーの名作が蘇る『ノスタルジア 4K修復版』

旧ソ連映画界の巨匠にして、不世出の映画作家アンドレイ・タルコフスキーの名作が蘇る『ノスタルジア 4K修復版』
『ノスタルジア 4K修復版』©1983 RAI-Radiotelevisione Italiana.LICENSED BY RAI COM S.p.A.-Roma-Italy, All Right Reserved.

旧ソ連映画界における巨匠であり、現代映画に多大なる影響を与え続ける不世出の映画作家アンドレイ・タルコフスキー監督の『ノスタルジア』が、日本初公開から40周年の節目の年である2024年1月26日(金)より劇場公開が決定した。

不世出の映画作家アンドレイ・タルコフスキー

54年という短命な生涯ながら、全8作品の劇映画を世に送り出し、今なお多くの映画人や芸術家に影響を与え続ける、旧ソ連映画界の巨匠にして不世出の映画作家アンドレイ・タルコフスキー。イングマール・ベルイマンに「タルコフスキーは私にとって最も偉大な監督だ。」と言わしめ、クリストファー・ノーランやアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥといった現代の映画監督たちも彼からの影響を公言している。

1962年に長編1作目となる『僕の村は戦場だった』を監督、「ヴェネチア国際映画祭」でサン・マルコ金獅子賞等を受賞。1967年にロシアの伝説的な画家を描いた『アンドレイ・ルブリョフ』を完成させるが、歴史解釈をめぐってソ連当局の激しい批判を受け、5年間の上映禁止を言い渡される。一方で同作品は1969年の「カンヌ国際映画祭」で国際映画批評家連盟賞を受賞。その後も『惑星ソラリス』(72)、『鏡』(75)、『ストーカー』(79)と唯一無二の映像世界で批評家や観客たちを魅了し、世界的な評価を確立。だがソ連国内の厳しい検閲は依然としてあり、ソ連を出国。はじめてソビエト連邦国外のイタリアで製作されたタルコフスキー監督作が長編6作目となる『ノスタルジア』である。

4Kレストアで蘇る、映画の奇跡

モスクワからイタリアにやってきた詩人アンドレイ・ゴルチャコフと通訳の女性エウジェニア。ふたりは、ロシアの音楽家パヴェル・サスノフスキーの足跡を辿る旅をしていたが、旅の終盤アンドレイは病に冒されていた。そんな中、二人は、世界の終末が訪れたと信じ家族で7年間も家に閉じこもり、人々に狂信者と噂されるドメニコという男に出会うのだった—。

中世からルネサンス期のフレスコ絵画と近代美術が一体化したような美しい映像に、実父であり詩人のアルセーニイ・タルコフスキーの詩が読まれ、ヴェルディの「レクイエム」やべートーヴェンの「第九交響曲」、そしてロシアの民族音楽が印象的に使用されている。タルコフスキーは本作を3年半の歳月を費やして完成させ、1983年「カンヌ国際映画祭」で【この映画の創造に対する特別大賞】【国際映画批評家連盟賞】【エキュメニック審査員賞】の3冠に輝いた。

今回公開となる『ノスタルジア 4K修復版』は、2022年に撮影監督であるジュゼッペ・ランチ監修のもと、ローマのチネテカ・ナチオナーレの協力で4K修復が行われ、ボローニャ復元映画祭2022でワールドプレミアされたもの。高精細の4K修復版によって、空間、時間、そして人間の葛藤を巡る、タルコフスキーによる詩的宇宙の極致が、今、蘇る。

ポスタービジュアルは、本作の中心的な登場人物の一人であるエウジェニア(ドミツィアナ・ジョルダーノ)の後ろ姿を捉えたカットを用いている。デンマークの画家ヴィルヘルム・ハンマースホイの絵画を思わせる構図と色調は、静謐でいて、どこか心を騒がせる。これまでの本作のイメージを刷新するような現代性を持ったビジュアルに仕上がった。

『ノスタルジア 4K修復版』は2024月1月26日(金)よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほか全国順次公開

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