「女は台所にいろ」へのアンチテーゼ。スケボーは武器 『スケート・キッチン』インタビュー

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ライター:野中モモ
「女は台所にいろ」へのアンチテーゼ。スケボーは武器 『スケート・キッチン』インタビュー
実在のガールズスケートクルーが主演する青春ムービー『スケート・キッチン』2019年5月10日(金)の公開を記念して、スケート・キッチン・クルーのメンバーが来日。ということで、NYでおすすめのスケートパークなどライター/翻訳家・野中モモさんが聞き出す!!

スケボーがもたらすエンパワーメント、NYのパーク事情

(左から)カブリーナ・アダムズ、アジャニ・ラッセル、ジュールス・ロレンゾ、ブレン・ロレンゾ

ニューヨークを拠点に活動するガールズスケートクルーの魅力がはじける映画『スケート・キッチン』。実在のスケーターたちが自分自身と重なるキャラクターを演じた青春映画だ。

このたび日本での劇場公開を記念して、スケート・キッチンの7人の主要メンバーのうち、アジャニ・ラッセル、カブリーナ・アダムズ、ジュールス・ロレンゾ、ブレン・ロレンゾの4人が来日。映画とスケートのある生活について話してもらった。

短編映画が注目を浴び長編化! 「スケボーは生活と切り離せない」

『スケート・キッチン』©2017 Skate Girl Film LLC.

―『スケート・キッチン』の撮影はいつ、どれくらいの期間でおこなわれましたか?

ブレン2ヶ月ぐらい?

カブリーナ:37日間だね。

ジュールス:2年前だっけ? 2016年に短編映画『That One Day』を作って、それから2017年の夏に『スケート・キッチン』が撮影されることになりました。

―スケートボードをはじめたことによって、日々の生活でいちばん変化したことは何ですか?

アジャニ:移動が速くなった。

ブレン:本当に生活と切り離せなくなってるから、なんて説明したらいいかわかんないな。

ジュールス:いま一緒に遊んでる子たちは、みんなスケボーを通して出会ったし。

アジャニ:前より安全に感じるようになった。ニューヨークで夜とかひとりで歩いてると、あとをつけられたり、やっぱり危険に感じることがあるんだけど、そういう時スケボーに乗っていれば逃げられるし、最悪の場合、武器として使える。だから本当にエンパワーされた感じ。

NYでオススメのスケートパークは? 男性スケーターとの関係

『スケート・キッチン』©2017 Skate Girl Film LLC.

―映画の中のスケートパークは、ときどきいざこざが起こっても基本的にみんな助け合っていてすごくいい雰囲気だったけど、現実もああいう感じだと思っていいですか?

ジュールス:ちょっと誇張されてる部分もあるけどね。映画に出ているのはほとんどが友達だから、ボーイズとガールズで敵同士みたいに対立することはない(笑)。もちろん女の子に対して失礼な男はいるし、マンスプレイニング(※男性が女性に対し上から目線でものごとを説明すること)してきたりすることもあるけど、だいたいは協力的だし、多様性があるし、基本いい雰囲気。あと、どのパークに行くかにもよるよね。チルで穏やかでいい感じのところもあれば、もっと威圧的なところもある。

カブリーナ:攻撃的すぎたり……。

ジュールス:そうそう、攻撃的な男どもがすごいスピードで飛ばしててさ!

―東京に住んでいる身からすると、そういう風にパークの選択肢がいろいろあることがうらやましいです。普段はどんなところを滑るのが好きですか?

ジュールス:ニューヨーク中のストリートを滑るのが好き。パークだと、チェルシーにクールなパークがあるんだ。すごく大きくて、怖く感じる人もいるだろうけど楽しいところ。ブルックリンのクーパー・スケートパークもクール。この映画で主に使われてる「LESスケートパーク」は人が多くて、みんなすごいスピードで滑ってたりするんだけど、いちばん有名。

―日本で滑ってみたい場所はありますか?

ジュールス:難しいかもだけど、もっとストリートを滑ってみたいな。京都にも行きたいし。

アジャニ:沖縄に行きたい。

ジブリからホラー映画まで、クルーのみんなが好きな映画はコレ!

―みんなの好きな映画は?

ジュールス:いっぱいあるから選べないけど、今まっさきに思いついたのはギレルモ・デル・トロの『パンズ・ラビリンス』(2006年)。私のいちばん好きな映画で、キャラクターもいちばん好き。

アジャニ:『もののけ姫』(1997年)。人生で最初に観た映画。

ブレン:『スクリーム』(1996年)かな。ホラー映画は観ちゃう。

アジャニ:あれ、すごくいいよね。

ジュールス:『PERFECT BLUE パーフェクト ブルー』(1998年)は観た? 日本のアニメでサイコロジカル・スリラー。私あれも好き。1本に決めるのは無理!

カブリーナ:むずかしいなあ……。

ブレン:『トイ・ストーリー』(1995年)?(※この日のカブリーナは『トイ・ストーリー』のスニーカーを片足に着用)

カブリーナ:違う(笑)。うーん……。

―では、カブリーナが動画の撮影をはじめたきっかけを教えてください。

カブリーナ:4年前、スケート動画を撮るためにカメラを買って、YouTubeにアップするようになったんです。直接的に影響を受けたのは他のYouTuberってことになるかな。

「女は台所にいろ!」というステレオタイプな悪口へのアンチテーゼ

『スケート・キッチン』©2017 Skate Girl Film LLC.

―もう何度も聞かれていると思いますが、“スケート・キッチン”という名前の由来を教えてください。

ブレン:まずレイチェル(※主役のカミーユを演じたレイチェル・ヴィンベルク)がYouTubeに動画をアップしてたんだけど、よく男の子たちに「女は台所にいろよ」ってコメントを書かれてたんだよね。

アジャニ:レイチェルに限った話じゃなくて、スケートする女の子たちは、そういう女性をステレオタイプ化する悪口を浴びせられてる。だから、逆に「ウチらのいるここがキッチンだ」ってことで。

―スケート・キッチンはSNSのアイコンでも映画のキーヴィジュアルでもバナナを使っていますよね。どうしてバナナ?

ジュールス:レイチェルがヴィーガンでバナナをいっぱい食べるし、彼女は黄色も好きだったから。よく話し合って決めたわけじゃなくてなんでかそうなってるんだけど、たぶんそのふたつが理由かな(笑)。

ファッションのこだわりも披露!NYからクルー来日! 女の子×スケボー×青春映画『スケート・キッチン』インタビュー

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『スケート・キッチン』

内気なカミーユはある日、“スケート・キッチン”と呼ばれるガールズスケートクルーと出会い、スケートボードと共に自分探しの旅に出る。

制作年: 2018
監督:
出演:
  • BANGER!!!
  • 映画
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