ゴジラのマネージャーから聞き出した 裏話や見どころ『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』

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ライター:BANGER!!! 編集部
ゴジラのマネージャーから聞き出した 裏話や見どころ『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』
『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』© 2019 Legendary and Warner Bros. Pictures. All Rights Reserved.
ついにハリウッド版ゴジラ最新作が2019年5月31日(金)から公開! 特ソンBAND・科楽特奏隊のメンバー・タカハシヒョウリと大内ライダーが、ゴジラのマネージャーこと東宝の社内組織<ゴジコン>の中枢を担う2代目ゴジラ博士・海野航平さんと『ゴジラ』映画の元助監督・清水俊文さんから秘話を聞きだした!!

ズバリ<ゴジコン>が考える最新作の見どころは?

タカハシヒョウリ:さて、いよいよ2019年5月31日に公開される『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』について、いろいろ聞かせてください。まずは本作の最大の見どころは?

『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』© 2019 Legendary and Warner Bros. Pictures. All Rights Reserved.

海野航平:(僕自身)世代的には『VS』と『ミレニアム』の直撃世代なんですが、「なんで僕らって、ああいう怪獣が好きなんだろう?」っていうことを、まざまざと思い出させてくれる映画です。『キング・オブ・モンスターズ』にはゴジラ、キングギドラ、モスラ、ラドンという有名な4怪獣が出てきて大暴れするんですけれども、ただ大暴れするだけじゃなくてそれぞれの個性とか、過去に彼らが出ていた作品への「あの作品のあの描写をこう引っ張ってくるの?」みたいなオマージュが信じられないぐらい丁寧に散りばめられているんです。ゴジラ映画を知らない人が観ても、とにかくテンポがいいのでブロックバスターとしてお世辞抜きにすごくよくできてますし、歴代の『ゴジラ』映画を観た人が観ても多分すぐに語りたくなるようなシチュエーションがすっごくたくさん散りばめられていて。

『ゴジラ2000』TM & © TOHO CO., LTD.

去年末にマイケル・ドハティ監督にお会いしたとき、一緒にタクシーに乗っていて「どの映画が好きなの?」「どの怪獣が好きなの?」と質問をしたら、信じられないぐらいマニアックな切り返しをしてくるんですよね。言い方は雑ですけど、例えばゴジラやキングギドラが一番好きだとかっていう、いわゆる月並みな回答ってあると思うんですけど、「ビオランテも最高だよね」「メガギラスもあそこが良かったよね」みたいなことをすごく語る監督だったんです(笑)。だから『キング・オブ・モンスターズ』は、そういう愛情が全部散りばめられている映画なんですよ。「僕らってなんで怪獣映画が好きなんだっけ?」っていう根本的なものを心の底から呼び起こすような、子どものころを追体験するような、僕にとってゴジラ映画として100点満点の映画だったなという印象があります。

『ゴジラ×メガギラス G消滅作戦』TM & © TOHO CO., LTD.

タカハシ:“ゴジラ博士”が100点つけるとは……間違いないってことですよね!

(一同笑)

編集部:ゴジラ博士的には100点だとして、特撮に詳しくない人が観たらどうでしょう?

海野:僕の考えなんですけど、『シン・ゴジラ』(2016年)以降に思ったのは「女子だから女の子的なものがいい」とか「男子だから男の子的なものがいい」っていうのは、今はもうほとんどないんじゃないかと思っていて。周りの友達でも「怪獣ってカッコイイよね」って言う女性もいれば、いわゆる女の子的なジャンルが好きな男の子ももちろんいて、共通するのは“好きなもの自体の魅力”だと思うんですよね。単純に、怪獣の持っている魅力が誰に作用するか? っていう違いだと思っていて。それで言うと怪獣の魅力って正直、今までの展開は男性向けの方が多かったと思うんですけど、今回の『キング・オブ・モンスターズ』は、さっき言った通り「怪獣っていうものの魅力ってなんだっけ?」っていう“そもそも”を呼び起こしてくれる作品なので「怪獣映画は観たことない」っていう女性とかが、もしかしたらこれを観て「怪獣っていいな」って思ってくれるかもしれない。そういう、いろんな意味で僕らに自信をつけさせてくれるような映画だったかなって思います。

『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』© 2019 Legendary and Warner Bros. Pictures. All Rights Reserved.

清水:一緒に観た女性スタッフも「清水さんとゴジラについて語りたいです! めちゃめちゃ面白かったんですけど!」って言ってくれて。全然ゴジラを知らない人だったので「一般の方々がこんなに反応してくれるっていうのは期待できるな」という気がしましたね。

タカハシ:『シン・ゴジラ』が公開されたときも、ゴジラに興味がなかった人たちが突然僕らとゴジラの話をしてくれるっていう時代が来て「えっ! いいんですか!?」みたいな、パラダイムシフトが起こりました(笑)

大内:(『シン・ゴジラ』が公開された)2016年7月は完全なるエポックメイキングの年でしたね。

『シン・ゴジラ』TM & © TOHO CO., LTD.

清水:はじめてゴジラに興味を持った人に、どの作品を勧めるか悩むでしょう?

タカハシ:サンダ対ガイラ(『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』1966年)ですね!

(一同笑)

海野:わかるな~。

タカハシ:映画として面白いと思うし、本当に怖いので。結構、観ていてキャーキャー言える。

大内:なによりも子どたちに“怪獣の魅力”をちゃんと提示したいですよね。

海野:僕がもし、5~6歳のときに『キング・オブ・モンスターズ』を映画館に連れて行ってもらって観ていたら、間違いなくゴジラが大好きになってただろうなっていう映画だったんですよ。ゴジラ映画の良さって、子どもを意識してはいるんですけど“媚びない面白さ”があると僕は思っていて。明らかに子ども向けに作るよりも、大人向けのものを子どもがちょっと頑張って背伸びをして観て「面白いじゃん」ってなるのが良さだと思っているんです。そういう意味でもすごくよくできていると思うので、ぜひ劇場でご覧いただきたいですね。

『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』© 2019 Legendary and Warner Bros. Pictures. All Rights Reserved.

タカハシ:前回のギャレゴジ(ギャレス・エドワーズ監督『GODZILLA ゴジラ』2014年)との作風の違いは?

清水:前回はゴジラとムートーとの戦いを描きつつ、人間ドラマも描きつつ、という感じだったじゃないですか。それに比べると今回は、本当に怪獣同士のバトルシーンが多いんですよね。要所要所で見せる感じだった前回よりもたくさんのバトルを、お腹いっぱいになるまで見られるという感じがあります。昼間(=明るい映像)のシーンもあるので、どういう戦略でお互いが戦っているのかがすごく分かりやすくて、全ての怪獣が感情を持っていることもよく分かる。生き生きしていて、怪獣ごとの戦い方がよくわかるのが前作との違いかなと思いましたね。

大内:前作のムートーはかなり無機質な怪獣でしたしね。

タカハシ:前作では空港での戦いのシーンがテレビのニュース映像越しだったから「なんでだよ!?」って(笑)。そういうところをバシっと見せてもらえるのは楽しみですね。

『GODZILLA ゴジラ』TM & © TOHO CO., LTD.

清水:そういう点で言うと出し惜しみがないです、今回は。

タカハシ:前作はゴジラが出てくるまでの時間が長くて、10年ぶりにゴジラが出てくるっていう感動もあったので、そういう意味では良かったんですけど。今回さらにゴジラの活躍が見られるっていうのは、めっちゃ嬉しいですね。

清水:ドハティ監督も言っていたと聞きましたが、前作が『エイリアン』(1979年)だとしたら今回は『エイリアン2』(1986年)だと。まさにそんな感じです。

タカハシ大内:なるほど、それは分かりやすい!(笑)

清水:前回は結構マジメでダークなイメージもちょっとあったと思うんですけど、今回は大量に戦って、テンポも本当に早いですね。

『キング・オブ・モンスターズ』が大ヒットすれば登場怪獣たちの単独作もあり得る?

『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』© 2019 Legendary and Warner Bros. Pictures. All Rights Reserved.

タカハシ:今回はラドン、モスラ、キングギドラという超メイン級の怪獣たちが登場するわけですが、怪獣のチョイスとかっていうのは(製作会社の)レジェンダリーがやっていることなんですか? 例えば日本側から「こういう怪獣を」っていう意見を言ったりとか?

海野:多分いろんなアイデアがあって、双方向的に意見を交わすことはあると思うんですけれども、少なくとも今回はレジェンダリー側からですね。

清水:恐らくまず最初に「この怪獣を出したいです」ってレジェンダリーから言ってきて、東宝内で「じゃあこの怪獣も」みたいなやり取りは多分あったんじゃないかと思いますけれども。

大内:次の『対キングコング』(『Godzilla vs. Kong(原題)』2020年公開予定)も先方からのオファーですか?

海野:そうですね。

タカハシ:『キング・オブ・モンスターズ』が大ヒットして怪獣一体一体の魅力が知れ渡ったら、例えばラドンやモスラの単独映画化もあり得る?

『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』© 2019 Legendary and Warner Bros. Pictures. All Rights Reserved.

海野:“モンスターバース構想”というか……いまシェアード・ユニバースものが世の流行りじゃないですか。去年末ドハティ監督にお会いしたとき「いま“ユニバースもの”って色々あるけど、世界で最初にやったのは東宝だよね」ってずっと言っていて。それは『モスラ』(1961年)や『空の大怪獣ラドン』(1956年)、細かいところだと『大怪獣バラン』(1958年)とかもそうじゃないですか。……『ガス人間第一号』(1960年)とかも入れたいですけど。

(一同笑)

タカハシ:『三大怪獣 地球最大の決戦 』(1964年)は完全に『アベンジャーズ』ですからね。

『三大怪獣 地球最大の決戦 』TM & © TOHO CO., LTD.

海野:そう考えると、逆に「そういう可能性がいくらでも広がってるよ」っていうことなんじゃないかなとも思います。モスラがまたすごく人気が出てフィーチャーされていくこともきっとあると思いますし、僕ら<ゴジコン>としては今後ハリウッドに限らず、ゴジラだけじゃないキャラクターたちの魅力っていうのをできるだけ発信していきたいなと思っているんですよね。「ちびゴジラ」にしても「ちびモスラ」とか「ちびアンギラス」も登場させたりしているのも、そういうことなので。

タカハシ:もしかしたら、さらに広がりをみせてくるかもしれない?

海野:かもしれないですね。

タカハシ:じゃあ『バラン』やるかもしれないですね!

海野:『シン・バラン』とか観たいですよね。

(一同笑)

清水:個人的にはメッチャ観たいですね。

タカハシ:“真・婆羅陀魏様”みたいな(笑)

海野:造形とかカッコいのになぁと思って、ホントに。

『キング・オブ・モンスターズ』マイケル・ドハティ監督は超オタク!?

『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』© 2019 Legendary and Warner Bros. Pictures. All Rights Reserved.

編集部:ドハティ監督との会話の中で、紹介していただけるエピソードがあれば。

海野:ドハティ監督が東宝スタジオに遊びに行きたいというお話があって。2018年の年末に<東京コミコン>で来日してくださったので、清水さんと僕とあと数名でアテンドしたんです。「とにかく楽しんでいって欲しい」っていう、マスコミも一切呼ばないクローズドなイベントだったので、僕らも半分手弁当というか本当に少人数でやってたんですよ。
撮影所に伊福部先生の写真や、当時の撮影中のスチールを並べておいたら、監督は撮影所に入るやいなや大興奮されて。そのスタジオには今も当時の助監督だった方々がかなりいらっしゃるので、当時の台本も全部並べておいたんです。そしたら監督が「日本の台本って表紙あるからいいよね」って言ったんです。ゴジラの歴代の台本って全部表紙にゴジラが描かれていて、タイトルロゴも印刷されているんですよ。向こう(ハリウッド)は全部文字だけで味気ないから「なんかいいなぁ」って。中身を見ると絵コンテ集とかあったりして。ドハティ監督も自分の絵コンテ集を出してきて、「やってることは変わんないよね」みたいなことを言ったりとか(笑)。

『ゴジラ』TM & © TOHO CO., LTD.

海野:個人的に一番「おおっ!」と思ったのは、オキシジェン・デストロイヤーをこっそり用意しておいてあげたんです。当時の本物を。それに布をかぶせて、本当に雑多な倉庫の一角にこっそり置いて「この布取ってみて」って言って。そして取った瞬間に……僕らが期待していた反応だと、騒いで写真を撮るのかなと思ったら「ハッ!……」って一瞬止まったあと自分のスマホを出して、カメラロールを漁りだしたんですよ。「どうしたんだろう、写真撮るのかな?」と思ったら、「昔これの1/1レプリカをオークションで落としたんだけど、写真がスマホに入ってるからどれぐらい精巧なのかちょっと見比べていい?」って。

(一同笑)

タカハシ:それは筋金入りだなあ!

海野:それを聞いた時に「あ、本当に好きなんだなぁ」と思いましたね。

タカハシ:公なコメントでも「今回ビオランテが出なくてごめんね」みたいに言ってましたもんね。「ガイガンも本当は出したかったんだけど」みたいな(笑)。

編集部:科楽特奏隊は音楽家ということで、言える範囲で新作のサウンドトラックのことも教えて下さい。東京コミコンでのお披露目の時に伊福部さんの曲がアレンジされて使われていました。

海野:サンディエゴのコミコンの時にも監督が「往年のテーマ曲を使うよ」と公言をしているのでぜひ期待していただきたいんですが、個人的にはテーマ曲っていうのはただ流せばいいってわけじゃないと思っていて。最近、こういう過去作リスペクトとかリブート映画が多いぶん、音楽で感情を持っていかせる演出って邦洋問わずいっぱいあると思うんです。中には使い方がうまいものもあれば、「とりあえずファンサービス的に流したぜ」みたいなものも正直あるじゃないですか。それで言うと今回のゴジラは「なるほど、ここで使うのね」っていうのがすごくうまく構成されていて、メインテーマがかかるところで普通に泣きました。

大内:おお~、楽しみですね!『シン・ゴジラ』でも第4形態で出てくるところであれが流れるじゃないですか。僕もあの時、泣きましたもん。

海野:やっぱり音楽って、往年のものを知っていれば知っているほど、そこに対する思い入れとかも込みで色んな感情が湧き上がってくると思うんですけど、今回もちろん新曲というか新しいスコアも良かったんです。ドハティ監督が来日された時にメインテーマの収録風景をiPhoneで見せてくれたんですが、大聖堂みたいなところにオーケストラを集めて録音していてたんです。

清水:すごい人数のオーケストラでしたね。

海野:いわゆるオーケストラホールとか、僕らがよく洋画の特典DVDとかで見るようなスコアの演奏風景じゃなくて。たぶん普段は音楽を演奏しないところで録っていて。「神々しさを出すためにあえてそういうところで演奏してるんだよ」みたいな話をしていて。

大内:その現場にも撮影は入ってるんですかね。メイキングとかで?

海野:あれは入ってるかもしれませんね。もしかしたら何かで見られるかもしれないです。

編集部:アレンジはいかがでしたか?

清水:良いと思いますよ。過去のゴジラをかなり観込んでる人じゃないと分からないというか、使わないであろう曲まで結構使っているので。

大内:メインテーマ以外にも使ってるっていうことですか?

タカハシ:それは楽しみですね!

海野:僕もそこらへんで泣いちゃいましたね。“ゴジラ65周年”の年に観られて良かったな、って思いました、うん。

大内:意味深な発言がいっぱいあって、期待が膨らみますね!

(一同笑)

日本版“モンスター・バース”はあり得るのか? 今後の国内展開は!?

『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』© 2019 Legendary and Warner Bros. Pictures. All Rights Reserved.

タカハシ:それでは今後のゴジラ、特に国内の展開について色々お話を伺いたいのですが、『キング・オブ・モンスターズ』の後、日本国内で「ゴジラをどうしていこう?」みたいなビジョンはあるんでしょうか?

海野:もちろんあります。ただ流動的なものだと思うんですよ、エンタメの世界って。だからガッチガチに固めるというよりは、今のお客さんの反応とか、やっぱりゴジラって時代を反映していくものなので、これからの世の中がどう動いていくかな? というところも見つつ、もちろんみんな「次はこうしたらいいんじゃないか」というアイデアはいっぱいあって、いろんな議論は日々交わしていますが、ちょっと言えない話があまりにも多いのでアレなんですけど。

タカハシ:やっぱり『シン・ゴジラ』の後となると……すごくハードルが高いというか、あれだけ話題になった作品の後なので新しいものを作るのはすごく大変だと思うんです。そういう“産みの努力”みたいなことをずっとやってらっしゃるって感じなんですか?

清水:そうですね、我々はゴジラのマネージャーなのでゴジラに仕事がなくなると困りますから(笑)。「いまアメリカにゴジラ出張してます。それが終わったあと、今度どうしましょう」っていうことは、常に考えてますね。

海野:僕ら<ゴジコン>のトップにいる“CGO(チーフ・ゴジラ・オフィサー)”が言っていたんですが、「とにかくいろんな発想をして、それこそゴジラに限る必要もないんじゃないか」と。例えばキングギドラで何か別の方向で面白いことができないか、とにかく映画に限らず、そういうコンテンツがあってもいいんじゃないかっていう議論をし尽くして、最善の策を見つけるのが僕らの仕事だと思っているので。多分みなさんが思っているよりは、みんな真面目に考えています。

(一同笑)

タカハシ:ズバリ“日本版モンスター・バース”みたいなこともあり得るかもしれないですよね?

海野:そうですね……本当に会社関係なく個人的な話をすると(笑)、僕が世界観的に好きな映画があって、手塚昌明監督の“機龍二部作”がすごく好きなんです。その理由は、1作目の『ゴジラ』がありました、それ以外には『モスラ』もいました、『サンダ対ガイラ』もありました。たぶん『ラドン』とかもあったんじゃないかっていう中で、ゴジラは1作目の『ゴジラ』だけの世界観。だけど、その他の怪獣たちもちゃんと並行して存在していたっていう世界観じゃないですか。あれがすごく僕の中では、ある意味“理想形”ってうか。いろんなキャラクターの魅力があったうえでのベースの世界観だから、モスラが出てきたり機龍が出てきたり、カメーバが漂着してるとかっていうのも、あの世界観だから成り立つことで。個人的にはああいうものが観たいなって思ったりしています。

タカハシ:それは僕らも観たい……!

『ゴジラ×メカゴジラ』TM & © TOHO CO., LTD.

編集部:“スーツ(=スーツアクター)”みたいなことは?

清水:ケースバイケースかなと思うんですよね、スーツを使うかCGを使うかっていうのは。日本は伝統的にスーツを使ってきたので「スーツを使って欲しい」っていうファンも多いと思うんですけれども、実は大切なのは“どういう画面が作れるか?”っていうことだと思うんですよ。その画面を作るのにスーツが一番適してるのであればスーツを使えばいいし、CGが一番良いというのであればCGを使えばいいかなと思うんですね。だから「絶対に日本のゴジラはスーツじゃなくちゃいけない」っていう固定概念は逆に、我々は捨てた方がいいかもしれないのかなと思いますね。

タカハシ:僕も個人的には、CGで良いと思ってるんですよね。今の若い世代、基本的にアニメとかを観て育ってきた人たちにとっては“スーツ”っていうだけで、ひとつハードルを作ってしまう。『シン・ゴジラ』にはそれがなかった。だからこそ、あれだけ普通の劇映画として観られるっていうところがあって。僕らはスーツを観て育ったので違和感は感じないんですけど、これからの若い世代にスーツがハードルになっちゃうんだったら、ストーリーとか怪獣の魅力を伝える上でCGのほうが良いだろうなっていうのは、個人的に思ってます。だから、生粋の特撮ファンが楽しめるスーツ作品と、若い世代も楽しめるCG作品、二つの方向性に進んでくれたらいいなと思ってるんですよね。

清水:僕なんかは、ハイブリッドがいいなと思っていますね。“スーツじゃなきゃできない表現”ってあるんですよ。何かっていうと“偶然性”なんですよね。CGはすべて計算の上で成り立ってるんですけど、実際に助監督としてゴジラのそばで見ていると、本番では1回1回同じ演技ができないんですよ。でもその中で、ちょっとした仕草がすごく良かったりする。そういったところは逆にスーツじゃないと表現できないし、ミニチュア特撮、爆発とかも含めて“リアルなもの”を撮影するっていうところで一番利点があるかなと思っていて、その辺はたぶんハイブリッドにするのが一番良いかなと。
ギャレス・エドワーズ監督に「なんでスーツ使わないんですか?」「なんでミニチュア使わないんですか?」って聞いたら、「1回壊したら、もう撮り直しができないじゃないか。僕、何回もやりたいんだ」って言ってたんですよ(笑)。逆に、一発勝負の撮影ができる日本ってすごいなって思ったんですよね。その中で偶然性……というか、計算を超える爆発や動きをしてくれるところがあると思うので。スーツ自体も好きなので、スーツがおもちゃに見えない、等身大のものに見えないような表現方法をうまくハイブリッドできたらいいかなと思うんです。

今後『ゴジラ』はさらに自由なコンテンツになっていく?

大内:『シン・ゴジラ』はもちろん、2018年はアニメ三部作などの取り組みを初めてされました。今後のターゲット層、新しいファン層を開拓してくことは考えていますか?

清水:もちろん、常にいろんな層に向けて発信していくことは考えています。「ちびゴジラ」も、0歳から保育園くらいの子どもたちに親しんでもらって、やがてその子たちが小学校に上がった時に次のゴジラに接する、といった仕組みもあります。アニメのゴジラは普段特撮を観ない層に向けて発信できるので、その辺については現在企画しているものを含め、いろんな層に向けた企画はたくさんありますね。

海野:「ゴジラとは?」みたいなものを去年、すっごく真面目に、大学のゼミかな? くらいのディスカッションをしたんです。例えばゴジラの要素を思いついたら付箋に書いてホワイトボードに全部貼り出していって、“破壊”“巨大”“強い”とかゴジラを構成する要素を抽出しました。そこに残ったものから「これがブレなければ、ある意味ゴジラって自由じゃない?」、ゴジラを構成する要素、ゴジラのアイデンティティさえ崩さなければ、自由に面白い展開ができるんじゃないかっていうことを、すごく真面目に、半年~1年ぐらいかけてディスカッションしたんです。ゴジラの今後の展開はこれから世に出していくタイミングなので、ぜひご期待いただきたいなと思っています。

『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』公開記念!東宝の秘密組織<ゴジコン>のナゾに科楽特奏隊が迫る!

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『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』

ハリウッド版「ゴジラ」最新作!前作『GODZILLA ゴジラ』から5年後の世界が舞台。モスラ、ラドン、キングギドラらの神話時代の怪獣たちが復活し、世界は破滅へと歩みを進める。

制作年: 2019
監督:
キャスト:
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  • 映画
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