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「僕らにとって最後のマーベル映画で、壮大な実験だった」『アベンジャーズ/エンドゲーム』監督を直撃!

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ライター:#小西未来
「僕らにとって最後のマーベル映画で、壮大な実験だった」『アベンジャーズ/エンドゲーム』監督を直撃!
アンソニー・ルッソ&ジョー・ルッソ© HFPA
マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)のうち4作品の監督を務めたジョー&アンソニー・ルッソ兄弟。『アイアンマン』から始まったMCU集大成の22作目『アベンジャーズ/エンドゲーム』に対する想いやMCUの今後について伺った。

「やりたかった事はすべてやった。これが僕たち最後のマーベル映画」

ジョー・ルッソ© HFPA

-前作『インフィニティ・ウォー』と『エンドゲーム』を同時に制作したそうですが、前作の反応を見て、修正を加えた箇所もありますか?
ジョー:映画作家として経験を積むうちに、トライ&エラーを繰り返していくことの重要性を学んだんだ。商品を作るときに、サンプルを作らずに、いきなり世に出すことなんてないよね。ただ、映画はいきなり制作に突入しなくてはならない場合や、編集時点になって、現場でもっと上手く出来たはずだと気づくことが多くあります。完全に撮り直しをすることは不可能だけど、フッテージを見直すことで多少の修正ができるようになるんだ。

-製作スケジュールは、その点も考慮されているんですか?
ジョー:2017年1月に『インフィニティ・ウォー』の撮影を始めて、7月に全ての撮影が終わりました。それから、2週間の休暇を取って、『エンドゲーム』の撮影を始めました。2018年1月に、残り2ヶ月分の撮影を残した状態で一旦中断して、数ヶ月後に公開が迫った『インフィニティ・ウォー』の仕上げに専念した。そのまま『エンドゲーム』の編集作業に突入して、反省点を把握したうえで、2018年の9月と10月に撮影を行いました。

-『インフィニティ・ウォー』と『エンドゲーム』ではどちらのほうが大変でしたか?
アンソニー:『インフィニティ・ウォー』は、登場人物がとにかく多いので、それぞれのキャラクターのストーリーを作って撮影をしなければならなかった。『エンドゲーム』の課題は、本作を含めたこれまでの22作品で綴られたサーガをまとめることでした。これは決して簡単なことではなかったよ。どちらの作品も、それぞれ他にはない挑戦があって、だからこそ刺激的なんだ。

-MCUで手がける作品は4本目となりますが、アイデアは枯渇しないんでしょうか?
ジョー:だからこそ、これが僕らにとって最後のマーベル映画となる。

-えっ、そうなんですか!?
アンソニー:この映画にやりたかったすべてのアイデアを詰め込んだから。僕らが映画を作るのは、企画に刺激を受けたときだけなんだ。キャラクターやストーリーに、伝えるべきものが残っていると思ったからこそ、オファーを引き受けてきた。マーベル映画は、出演者が複数作品の契約をしたという情報がすぐに出回るから、機械的に生産されているイメージを抱く人がいるかもしれない。でも、僕らは作るべきだと思わなければ、オファーを引き受けない。クリエイティブなアイデアがあって、初めて実現するんだ。

アンソニー・ルッソ© HFPA

-MCUはそれぞれのキャラクターが複雑に絡みあって一つの壮大な物語世界を構築していますが、同時に前知識がない人には入りづらいという声もあります。
アンソニー:僕らが映画を作るときは、初めて観る人のことを意識しているんだ。『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』の時も、前作を見ていなくても楽しめる作りにしました。ただ、同時にストーリーとキャラクターに造詣が深ければ、映画を観て、より多面的に楽しめるような仕掛けも感じてもらえようにしています。

-MCUを知らない人に『エンドゲーム』をどう説明しますか?
ジョー:これは異なるクリエイターが関わってきた(『アイアンマン』や『マイティ・ソー』など)11ものフランチャイズを、ひとつのストーリーにまとめ上げるという壮大な実験だ。物語の世界には深みがあり、同時にとても楽しい映画だと思う。

-『エンドゲーム』でいったんの区切りがつきましたが、今後のMCUはどうなっていくのでしょうか?
アンソニー:僕らの仕事はこれまでの22本の映画に、ひとつのピリオドをつけることだった。この先どうなるかを考えなくて良かったのは、クリエイティブ面でのメリットだったよ。
ジョー:先のことは知らないけれど、もっと多様性を期待できると思う。すでにこれまでの慣習を壊したいくつかの新キャラクターが現れ、世界中で受け入れられている。これからのMCUでは、多様性溢れるバラエティ豊かなヒーローが登場することになると思うよ。

インタビュアー:小西未来

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『アベンジャーズ/エンドゲーム』

最強を超える敵“サノス”によって、アベンジャーズのメンバーを含む全宇宙の生命は、半分に消し去られてしまった…。35億人の未来のために、そして“今はここにいない”仲間たちのために、最後にして史上最大の逆襲<アベンジ>に挑む。最強チーム“アベンジャーズ”の名にかけて──。

制作年: 2019
監督:
出演: