リメイク版『エクソシスト』はどうなる!? ジェイソン・ブラムが成功のノウハウを明かす!@ロカルノ国際映画祭

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ライター:佐藤久理子
リメイク版『エクソシスト』はどうなる!? ジェイソン・ブラムが成功のノウハウを明かす!@ロカルノ国際映画祭
ジェイソン・ブラム @Locarno Film Festival

『パラノーマル・アクティビティ』シリーズ(2007年ほか)や『ゲット・アウト』(2017年)、TVシリーズの『パージ』(2018年~)、日本でも2022年7月より公開中の『ブラック・フォン』(2021年)など、次々とユニークで質の高い低予算ホラー映画を制作し、いまもっとも脂の乗ったプロデューサーと目されるジェイソン・ブラムがロカルノ国際映画祭で、優れたインディペンデント・プロデューサーに与えられる<レイモンド・レッツォニコ賞>を授与された。

現地を訪れたブラムはティーチ・インや取材に応じ、ハリウッドのスタジオ・システムに対抗する、革新的なプロデューサーとして成功したノウハウや、『ハロウィン』(2018年)におけるジョン・カーペンター監督との逸話、さらに現在準備中のリメイク版『エクソシスト』について語った。

ジェイソン・ブラム @Locarno Film Festival

「多くの監督はスタジオからあれこれ口を出されることに疲れている」

大学時代、ノア・バームバック監督とルームメイトだったのが縁で意気投合し、彼の初監督作『彼女と僕のいた場所』(1995年)のアソシエイト・プロデューサーとなることで、この道に入ったというブラムは、当時のことをこう回想する。

大学生活があまりに楽しかったから、僕らはわざと落第して5年もいた(笑)。卒業後にノアと一緒にシカゴに移り、彼が初監督作となる脚本を書いた。それが縁でプロデュース業に興味を持ったんだ。その後ニューヨークで芝居を制作する機会があって、たまたまブロードウェイで芝居をしていたイーサン・ホークに出会った。当時の彼は『リアリティ・バイツ』(1994年)に出た後で、とても人気者だったけれど、僕の芝居を観に来てくれた。『ブラック・フォン』で悪役を演じてもらったイーサンとの縁は、そうやって始まったんだ。

『ブラック・フォン』© 2021 UNIVERSAL STUDIOS. All Rights Reserved.

低予算でいながら斬新で質の高いホラーを生み出し、それをスタジオの配給システムに乗せてヒットさせるという方式を確立したブラムは、その成功の秘訣についてこう語る。

多くの監督は、スタジオからあれこれ口を出されることに疲れている。そうやっていじられまくり、結果当たらないと監督のせいにされるわけだ。でも僕は、監督がコントロールできるような状況にした方が、より健全でリラックスした信頼関係を築けると思う。だからファイナル・カットの権利を監督に持たせるし、キャストやスタッフ選び、制作費に関しても全部監督が責任を持つようにする。その代わり、予算はいくらと提示し、映画が成功しなければ報酬もなし。その方が監督は創作の自由を得られると同時に、映画全体に責任を負うから、必ず面白いものができると思う。だから制作に関してはヨーロッパ的作家主義的なやり方で、配給に関してはハリウッド方式の融合と言えるかな。

「スタジオのお偉方には、ホラー映画の面白さがわからないんだ」

また、これまでリメイクやフランチャイズを成功させてきたことについて、ジョン・カーペンターの『ハロウィン』(1978年)をデヴィッド・ゴードン・グリーン監督でリメイクした例をあげてこう語る。

僕はカーペンターとコラボレートして、できるだけオリジナルのキャラクターを生かした形でやりたいと思った。カーペンターを説得するミーティングにもらえた時間は15分。彼は最初とても懐疑的だった。それで僕はこう言った。「ジョン、2つに1つですよ。僕と組んで一緒に満足のいくものにするか、そうでなければ誰か他の人が勝手に退屈な代物を作って、シリーズに泥を塗るか。どちらがいいですか」と。ミーティングを終えて5分後、彼のエージェントから、彼が乗ると言っている、と電話がかかってきた! 映画の仕上がりにもとても満足してもらえたよ。

スタジオのお偉方というのは、往々にしてホラー映画が嫌いだ。彼らには、ホラー映画の面白さがわからない。でも僕がいつも言うのは、ホラーという要素を除いたら、他の優れた映画と変わらない、面白いドラマがあるものだと。たとえば『ゲット・アウト』はとても政治的な要素もあるけれど、必ずしもホラー映画にそれが必要とは思わない。それを全面に出したら誰も観にこないかもしれない(笑)。大切なのは、とても怖くて、面白くてエンターテインニングであること。でもそれに加えて何かしらの要素があれば、もっとオリジナルになる。

最後に、いま世界中のホラー映画ファンが大きな期待とともに待ち望んでいる『エクソシスト』(1973年)のリメイクについて、こう明かした。

僕自身、とてもエキサイトしている。リメイクの案を思いついたとき、最初に考えた監督候補がデヴィッド(・ゴードン・グリーン)だった。彼の『ハロウィン』の仕事は素晴らしかったし、彼ならオリジナルにある知的、文学的要素をリスペクトしつつ、そこに何か新しいものを加味することができるだろうと思った。だから彼に引き受けてもらえてとても嬉しいよ。オリジナルに出演したエレン・バースティンなど、素晴らしいキャストも決まっている。絶対に面白いものにしてみせるよ。

文:佐藤久理子

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