【厳重注意】ネタバレ満載のトリビア&解説!【CAUTION】
まず最初に言っておきます(笑)。このコラムは、
■映画『キャプテン・マーベル』をすでに観ている方
■アメコミ好きの方
に向けています。以下、ネタバレを含みますのでご注意ください!
https://www.youtube.com/watch?v=Bys2g9bRhlk
①スクラル人登場は画期的だった!?
この映画の重要なキャラとなるのがスクラル人。マーベルの中では有名なエイリアン種族です。従ってマーベル映画に出ること自体不思議ではないのですが、実はこのキャラはコミックでは「ファンタスティック・フォー」に登場するキャラだったのです。
従って、ファンタスティック・フォー関係の映画化権は20世紀フォックスが持っているため、ディズニー/マーベルのマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)への登場は難しいのでは? と言われていたのですが今回、めでたくMCUデビューです(※先日、ディズニーによる20世紀フォックス買収が発表されました)。
なお、原作ではスクラル人がすでにヒーローや地球人に化けて潜入しているという“シークレット・インベージョン”というクロスオーバー大作があります。
②女性映画としての『キャプテン・マーベル』
まず、MCU初の単体女性ヒーロー映画ですよね。なぜこういう書き方をするかというと、女性ヒーローが冠についた作品としては『アントマン&ワスプ』(2018年)がすでにあるからです。
本作の監督アンナ・ボーデン(ライアン・フレックと共同監督)は、MCU初の女性監督。なおMCUにおいて“2人組監督”は『アベンジャーズ/エンドゲーム』等を手掛けるルッソ兄弟という前例があります。
脚本家のジェニーヴァ・ロバートソン=ドウォレット、ニコール・パールマンとメグ・レフォーヴも女性。ニコールは『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014年)の共同脚本家の一人。作曲家のパイナー・トプラクもMCU初の女性作曲家として起用。さらにアメリカでの公開日3月8日金曜日は<国際女性デー>でした。
なお、MCUではなくマーベル映画として女性主人公の作品は、ジェニファー・ガーナー主演の『エレクトラ』(2005年)があります。
③なぜ“シュワちゃん”をふっ飛ばしたのか?
主人公がブロックバスター・ビデオ店に落ちてきた際、映画『トゥルーライズ』の等身大POP(販促用看板)に印刷されたシュワちゃんを敵と間違えて粉砕します。
『キャプテン・マーベル』の時代設定は1995年で、『トゥルーライズ』は1994年公開のアクション映画でしたから、確かにビデオ店にPOPが置いてあっても不思議ではない。では、なぜシュワちゃんだったのか?
彼は90年代を代表するアクション映画スターであり、この当時のアクション・ヒーローといえばみんな男だったので、これに対する女性ヒーローからのカウンターと“深読み”できなくもないのですが(笑)。
当初ジム・キャリーの『マスク』(1994年)のPOPをふっ飛ばす、という設定だったそうですが権利関係の問題で見送り。なぜ『マスク』にしたかったかというと、あのジム・キャリーの緑色の顔をスクラル人と間違えたから、というオチみたいです(笑)。
④なぜ猫の名前が“グース”なのか?
キャプテン・ニャーベル⁉ もふもふキュートな #猫のグース の活躍に癒される人、続出⁉
— マーベル・スタジオ[公式] (@MarvelStudios_J) March 21, 2019
まだグースの可愛さに触れていない方は映画館へ急げ💨
『#キャプテンマーベル』大ヒット上映中‼ #春分の日 pic.twitter.com/EGhhNMsbKd
映画でもいい味を出している猫(本当は違う)グースですが、原作ではチューイという名前です。これは主人公が『スター・ウォーズ』のファンでチューバッカが好き、という設定だから。けれど、いまやMCUも『スター・ウォーズ』も同じディズニー傘下なので、ややこしいということで名前を変えたみたいです。
これは僕の推測ですが、もしチューイという名前でディズニーがグッズ(ぬいぐるみ等)を出したら、それが『スター・ウォーズ』商品かMCU商品かわからなくなる(笑)。それでグースと名前を変更した。トム・クルーズ主演の空軍パイロットを描いた『トップガン』(1986年)に出てくるキャラにちなんでますね。
この『キャプテン・マーベル』は空軍パイロットを描いた作品でもあるため、『トップガン』や『ライトスタッフ』(1983年:主人公がブロックバスター・ビデオ店で手に取るビデオが本作でした)へのオマージュが多いです。
⑤スクラル人の“あの飲み物”は? そして、あのゲーム機の矛盾
スクラル人のリーダー、タロスがマリアの家を訪れる際、カップに入ったソフトドリンクを飲んでますが、そのカップのデザインが、サミュエル・L・ジャクソンが『パルプ・フィクション』(1994年)で飲んでいたカップのデザインと酷似しているとの指摘があります。
また、バーでの回想=過去の記憶を探るシーンで、カプコンさんの「ストリート・ファイターII」のアーケードゲームが出てきますが、ゲームファンに言わせると「これは間違い」だそうです。
というのも、このゲームがアーケードでデビューしたのは1991年。劇中、主人公がこのバーに来たのは1989年(それ以降、彼女は6年間クリーにいましたしたから)。つまり、まだこのゲームはないハズなのです(なるほど!)。ちなみに2年前にリリースされた「CAPCOM:MARVEL VS. CAPCOM: INFINITE(マーベル VS. カプコン:インフィニット)」にはキャプテン・マーベルが登場します。
⑥MCUはシャーロック・ホームズが好き?
本作にはジュード・ロウが出ていますが、彼はアイアンマン役のロバート・ダウニー・Jrと一緒に映画『シャーロック・ホームズ』シリーズ(2009年~)にも出ています。『ドクター・ストレンジ』のベネディクト・カンバーバッチと『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016年)に出ているマーティン・フリーマンは、TVドラマ『SHERLOCK/シャーロック』シリーズ(2010年~)に出ていますね。
そう、MCUにはシャーロック・ホームズ役者、ワトソン役者が多いのです(笑)。
⑦ニック・フューリーの言及した地名!
ニック・フューリーが酒場で「スパイとしてブカレスト、ブタペストに行った」みたいな話をします。この地名は『アベンジャーズ』でホークアイとブラック・ウィドウの会話にも出てきており、彼ら3人がここで出会った可能性もあります。
⑧ニック・フューリーの目!
なんとグースに左目をひっかかれる、という衝撃の事実! 実は『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』の中で“ある奴を信じたら(裏切られて)左目を失ったんだ”というセリフがあるのです! このことだったのですね。
アベンジャーズ本当のスタートはここから⁉️
— マーベル・スタジオ[公式] (@MarvelStudios_J) March 22, 2019
記憶を失くし、戦いのなかで自分のアイデンティティーを探し続けるヒーロー『#キャプテンマーベル』⚡
本編で描かれる彼女と若き頃の #ニックフューリー の出会いが、#アベンジャーズ 結成の鍵となる✨
シネマトゥデイ⇒https://t.co/Q39MKTJ0ai pic.twitter.com/FCfPEQ44KL
⑨スタン・リー氏のカメオ出演について
今回、スタン・リー氏は“地下鉄の乗客で、脚本に目を通しながらセリフの練習をしている”という設定で登場します。その脚本の表紙に「Mallrats」と書かれていますが、これはスタン・リー氏が1995年に実際に出演した映画のタイトルです。
この映画の監督は『ジェイ&サイレント・ボブ 帝国への逆襲』(2001年)を手がけたケヴィン・スミス。アメコミ好きには大変有名な方です。なお、スタン・リー氏は2018年11月に天に召されました。今回の<MARVEL STUDIO>のオープニング・ロゴ映像は、スタン・リー氏への素晴らしいトリビュートになっています。
Took the kid for my second soaring screening of @captainmarvel! When the @TheRealStanLee-filled @MarvelStudios logo and Stan’s cameo occurred, we both bawled in the same exact way like mirror images of each other. If I ever wanted a paternity test, this flick kinda covered it! pic.twitter.com/ZPsACNsE7t
— KevinSmith (@ThatKevinSmith) March 10, 2019
まだまだありそう!? 劇中に隠された小ネタの数々
いかがだったでしょうか? ぜひ2度目、3度目、それ以上に『キャプテン・マーベル』を観るときの参考にしてください(笑)。
あと、モニカちゃん(演:アキラ・アクバル)の協力を得てコスチュームのカラーリングをいろいろ試すシーンがありますよね? この時、
■原作でも有名な黒コスチューム
■元々“キャプテン・マーベル”と呼ばれていたDCの『シャザム!』を意識した赤と黄色のコスチューム
に、一瞬なるらしいのです。これらについては、あまりに早すぎて僕はまだ確認できてないのですが、今度劇場でもう一度観てみます。
文:杉山すぴ豊
『キャプテン・マーベル』は大ヒット上映中
https://www.youtube.com/watch?v=kHo8QYfxvok
『キャプテン・マーベル』
記憶を失ったヒーロー、キャプテン・マーベル。彼女の過去に隠された “秘密”が、恐るべき戦いの引き金となってしまう。自在に姿を変える正体不明の敵に狙われ、孤独や不安に打ちのめされても、彼女は不屈の精神で何度も立ち上がる。果たして彼女は記憶を取り戻し、この戦いを終わらせることができるのか? そして、最後につかむ“衝撃の真実”とは……?
制作年: | 2019 |
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監督: | |
出演: |