怪しい黒幕・真田広之! Netflixゾンビ映画『アーミー・オブ・ザ・デッド』 ザック・スナイダーのコダワリと美学が爆発

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ライター:杉山すぴ豊
怪しい黒幕・真田広之! Netflixゾンビ映画『アーミー・オブ・ザ・デッド』 ザック・スナイダーのコダワリと美学が爆発
Netflixオリジナル映画『アーミー・オブ・ザ・デッド』独占配信中

ギャンブルの都ラスベガスがゾンビで満員

『アーミー・オブ・ザ・デッド』は、ザック・スナイダー監督×Netflixによるゾンビ・エンタテインメントです。ドラマ・シリーズではなく1本の映画。まず最初に言っておくと、ホラーというよりもゾンビが出てくるアクション活劇という方が正しい。そして面白い!

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物語は、ある軍事事故によってラスベガスにゾンビが発生。華やかだったラスベガスは一転してゾンビが支配する悪夢の街と化します。政府はラスベガスを閉鎖し(ラスベガスというのはそもそも砂漠の中の街なので隔離しやすい)、そしてこのゾンビ事件は別の社会問題を引き起こします。ゾンビ感染がうたがわれる近隣の住民は隔離キャンプに待機させられるのですが、これが一種の収容所。しかも社会的弱者が多くいる。ゾンビ発生は社会の“分断”も招いているわけです。

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こうした状況下、ついに政府はミサイルによってラスベガスを消滅させることを決意します。一方、ラスベガスはギャンブルの街。あるホテルの地下金庫に巨額の現金が眠っています。ミサイル攻撃前にラスベガスに潜入し現金を強奪せよ! その依頼を受けた元軍人のスコット・ウォードは、はみ出し者たちを連れてゾンビの世界に突入します。最近のゾンビ映画と違い、全世界規模でゾンビが誕生しているのではなく、あくまでラスベガスのみがゾンビランドと化しているわけです。なので限定された舞台×タイム・サスペンスの中、スコットたち傭兵チームとゾンビとの戦いがくりひろげられます。

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真田広之が怪しい黒幕を好演! 傭兵チームvs異形の怪人軍団

ここでタイトルの意味がわかります。『アーミー・オブ・ザ・デッド』=死人の軍隊ですよね。実は、この物語のゾンビはコミュニケーション能力を持ち、強力なボス(もちろんこれもゾンビです)に支配された軍団なのです。しかもこのボス・ゾンビは人間に頭を撃ち抜かれないように工夫する知性があり、また女王ゾンビと恋仲だったりします。

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そう、この作品におけるゾンビは“蘇った不気味な死者”から一歩進んだ“ミュータント”的な存在です。例えて言うなら、ウィル・スミスが出演した『アイ・アム・レジェンド』(2007年)に登場する“ダーク・シーカー”(ウイルスによって生まれた人類を捕食する新人類)や、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015年)の戦闘集団ウォーボーイズに近い。

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冒頭で“ホラーではない”と書いたのはまさにここで、だから“いわゆるゾンビ映画”を期待するとちょっと違和感あるでしょう。ザック・スナイダー監督は『300 <スリーハンドレッド>』(2007年)でスパルタ軍を襲う異国の軍団を怪人・魔人のように描いていましたが、あの不気味さに通じます。したがって、ゾンビから人間たちが逃げ惑うスリルを味わうのではなく、傭兵チームvs異形の怪人軍団とのバイオレンス・バトルを堪能する作品なのです。

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『マン・オブ・スティール』(2013年)のアクションはすごいけれど、速すぎて何をやっているかわからないとも言われたザック・スナイダー監督ですが(笑)、本作は非常にアクションが見やすい。また本作は、R指定の過激描写のオンパレードですが、一般人がゾンビに襲われるシーンはあまりなく、倒されていくのはゾンビですから、そんなに罪悪感なく楽しめます。

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主人公ウォードを演じるのは『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズ(2014年~)のドラックスことデイヴ・バウティスタ。ウォードはすご腕ですが、家族(娘)との問題を抱えている。戦闘のエキスパートとしては優秀ながら娘との関係には不器用、というキャラをうまく演じています。ザック・スナイダーは実生活でお嬢さんとの間に哀しいことがあったので、それがウォードと娘の設定に反映されているのかもしれません。

ミッションの黒幕役には、真田広之さん。只者ではないオーラが出ており、このミッションに裏がありそうなことが伝わってきます。

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ジャンル映画ファンが“観たかったもの”をしっかり映像化

ラスベガスに行ったことのある人なら、そのとき写真を撮りまくったであろう観光名所、ホテルがたくさん出てくるので嬉しくなると思います。自分がスロットマシーンで遊んだあの場所がゾンビの巣か、と感慨深くなる(笑)。劇中、ゾンビ化した白い虎が出てくるのですが、これはラスベガスで人気のあった白い虎が出てくるマジック・ショーを意識してのことでしょう。

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最初のゾンビがなぜ生まれたのかは詳しく語られませんが、このラスベガスのあるネバダ州はUFOもので欠かせないエリア51があります。そういう会話も出てきます。もしかすると今回のゾンビは宇宙由来?(そういえば『スペースバンパイア』[1985年]という映画にもちょっと似ているし、後半は『エイリアン2』[1986年]っぽい展開)。

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ジャンル映画ファンにはたまらない、“観たかったもの”をちゃんと観せてくれるエンタテインメント作品です。個人的に、ゾンビの女王が気に入ってしまいました。不気味だけどなぜか美しさがある。秀逸なデザインで、このコスプレするファンが増えそう。フィギュア出たら買います(笑)

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文:杉山すぴ豊

『アーミー・オブ・ザ・デッド』はNetflixで独占配信中

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『アーミー・オブ・ザ・デッド』

ゾンビの大量発生により荒廃し、隔離されたラスベガス。そこへ足を踏み入れた命知らずのよう兵集団が、究極の一獲千金を狙い、史上最大の強盗計画に打って出る。

制作年: 2021
監督:
出演:
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