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『バーフバリ』旋風に熱狂した1年をマヒシュマティ国民(ファン)が振り返る!

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ライター:#BANGER!!! 編集部
『バーフバリ』旋風に熱狂した1年をマヒシュマティ国民(ファン)が振り返る!
『バーフバリ 王の凱旋』 ©ARKA MEDIAWORKS PROPERTY, ALL RIGHTS RESERVED.
ファンの熱量でヒットした作品は多々あるが、2018年の洋画界で記憶に残るのは、なんと言っても『バーフバリ』だろう。では、マヒシュマティ国民(=ファン)たちにとって、2018年はどのような1年だったのか?日本における『バーフバリ』の歴史を克明にまとめている、ツナ缶食べたいさんに話を聞いた。

「ジャイホー!」娯楽の頂点『バーフバリ』を支えた絶叫上映!

『バーフバリ 王の凱旋』 ©ARKA MEDIAWORKS PROPERTY, ALL RIGHTS RESERVED.

-『バーフバリ』が日本で熱狂的な人気になるまで、どのような経緯でしたか?

『ムトゥ 踊るマハラジャ』(1995年)の大ヒットから20年が経ち、日本は再びインド映画に魅了されましたね。堂々たる風格をまとう英雄の規格外のアクションに心沸き立ち、豪華絢爛な歌と踊りに見惚れため息を零す。そんな全ての娯楽の頂点に立つその映画こそが、『バーフバリ』でした。
2017年末に公開された2作目『バーフバリ 王の凱旋』は、公開当時こそ限られたスクリーン数でしたが、SNSでの口コミやライムスター宇多丸氏の絶賛評を皮切りに、観客数がV字回復して、公開約3ヶ月で観客動員9万人、興行収入1億3千万円を突破する大ヒットになったんです。

その盛り上がりを支えたのが「絶叫上映」ですね。絶叫上映とは、発声、コスプレ、サイリウムやタンバリンの使用が可能な参加型上映なんですが、劇場に響き渡る参加者たちの「バーフバリ、ジャイホー!」の号令は、劇中のマヒシュマティ(舞台となる古代王国)の民そのもの!

ファンの間で「聖地」と呼ばれた劇場・新宿ピカデリーを中心に、絶叫・マサラ上映は全国各地でも開催されました。また、上映回数を増すごとに座席が発売後即完売になるほどで、観客の熱量もどんどんヒートアップして。会場ではインドの民族衣装「サリー」が女性客の間でブームになり、開場待ちの劇場ロビーに漂う異国情緒はバーフバリの風物詩として恒例になってるんですよ。

しかも、その熱狂がSNSを通じて本国インドに届き、ネットニュースで報道されるほどの話題にもなりました!

監督、プロデューサー、キャストの来日でさらに旋風加速!

「東京コミコン2018」

―本場までその熱量が伝わったことで、さらにファンの間では熱狂度があがりましたか?

もちろんです!この日本でのブームを受けて、2018年4月には監督のS・S・ラージャマウリさんとプロデューサーのショーブ・ヤーララガッタさんが来日して、新宿ピカデリーで舞台挨拶付絶叫上映が行われたんですよ。お二人ともコスプレや発声によって映画本編とシンクロしていく日本独自の絶叫上映スタイルに感銘を受けてくださったみたいで、日本での『バーフバリ』のヒットを「夢のよう」を語ってくれたんです。そんなお二人を前にして、日本のファンも惜しみない愛を叫びました。

そしてこの絶叫上映をきっかけに、ラージャマウリ監督の過去作である『マガディーラ 勇者転生』(2009年)の日本公開が決まり、2018年6月にはクマラ・ヴァルマ役のスッバラージュさんが来日されたり、日本のバーフバリ旋風は止まるところを知らなかったですね。

さらに2018年12月には、バーフバリの敵役にして「限定応援上映」が行われるほどの人気キャラクター、バラーラデーヴァを演じたラーナー・ダッグバーティさんが来日!「東京コミコン2018」でのステージイベントや写真撮影に登壇し、幕張メッセをマヒシュマティ王国に変えてしまうほどの“暴君”のオーラで日本のファンを魅了してくれたんです!

落ち着いた頃に新グッズ投下!王国民の心を離さない配給会社ツイン

―絶叫上映の開催だけで、長期間の熱量を保ち続けられるものでしょうか?

そこで忘れてはいけないのが、ファンの願望を一つ一つ実現に導いた、配給会社のツインさんの功績です!『王の凱旋』公開後も絶叫上映にも自ら足を運ばれて熱狂の最前線をリサーチされていましたし、話題が途切れそうな絶妙なタイミングで公式LINEスタンプやアニメ『バーフバリ 失われた伝説』の日本語吹替版DVDをリリースしてくるんですよ!ファンの「欲しい!」を汲み取った商品展開で、国民たちのムーブメントを加速させてくれましたね。

また、権利関係が複雑で難航することも多いというインド映画の配給事情さえも打ち破り、2018年6月には『王の凱旋』の、10月には『伝説誕生』の完全版の日本公開をも成し遂げて。これまでの国際版ではカットされていたシーンが復活した完全版の公開によって、2018年はほぼ途切れることなく『バーフバリ』が上映され、まさに「バーフバリ・イヤー」と呼ぶべき1年でしたね。また、民が王を称える声は今もなお日本中に轟いていて、現在も全国各地で絶叫・マサラ上映が実施され、劇場とファンとが一体になって、参加型上映を盛り上げている真っ最中です。

―ちなみに、マヒシュマティ国民になったことでの変化ってありますか?

『バーフバリ』との出会いによって、「王国民」と呼ばれるファンたちの生活にも様々な変化がもたらされていますね。主演されたプラバースさんの大好物「ビリヤニ」を求めてインド料理店を訪れたり、インドの民族衣装を集めたりはまだ序の口(笑)。『バーフバリ』からインド映画に目覚め、本国の映像ソフトを輸入して鑑賞するコアな方もいれば、撮影セットが現存する南インド・ハイデラバードに「聖地巡礼」を行うファンまでも現れました!インドの文化や風習に触れるきっかけとしても、強いインパクトを残しましたね。もちろんファン同士の交流も盛んで、直接会う時には作品にちなんだお菓子や自作のイラストなどを交換する「お土産」の文化もバーフバリ界隈では見慣れた光景です。

―最後に、王を称える締めの言葉を!

現在、大手シネコンでもさまざまなインド映画に注目が集まっています。その先達となった『バーフバリ』は、映画という枠を超え、インドと日本を繋ぐ大きな架け橋となっていると思います。有志のファンが集いキャストにファンレターを送り、キャストから返事が送られてきた例など、日本と『バーフバリ』の友好な関係を示す、喜ばしい出来事がたくさんあります。異例のヒットからキャスト・スタッフの来日まで、たくさんの奇跡を成し遂げたと言える『バーフバリ』との幸福な時間が、これからも末永く続くよう祈っています!

我々国民も絶えることなく王を称え続けたい。バーフバリ!バーフバリ!

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