USインディーロック好きも必見『モキシー!』はNetflix初のZINE映画!? 性差別や不当な抑圧にNO!

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ライター:BANGER!!! 編集部
USインディーロック好きも必見『モキシー!』はNetflix初のZINE映画!? 性差別や不当な抑圧にNO!
Netflixオリジナル映画『モキシー ~私たちのムーブメント~』独占配信中

Netflix初の(?)ZINE映画

2021年3月、Netflixオリジナル作品をチェックしていて耳を疑った。学園モノ青春映画らしき作品のトレイラー映像から、ビキニ・キルの「Rebel Girl」が流れてきたのである。

映画『モキシー ~私たちのムーブメント~』は、ジェニファー・マチューによるヤングアダルト小説を映画化したもので、タイトルの“モキシー”とは劇中で主人公ヴィヴィアンが作るZINE(ジン:自主制作の出版物・冊子)の名前。つまり本作はNetflix初の(?)ZINE映画なのだ。

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校内にはびこる性差別や不当な抑圧にNO!

ヴィヴィアン(ハドリー・ロビンソン)は米北西部あたり(多分)で母親と暮らし、中国系移民二世の幼馴染クラウディア(ローレン・サイ)と共に目立つでもイジメられるでもなく、同級生のスケボー少年セス(ニコ・ヒラガ)に淡い恋心を抱きつつ平和な学園生活を送っている高2女子。

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しかし、アメフト部のジョックス野郎ミッチェル(パトリック・シュワルツェネッガー)のイジメの標的にされながらも睨み返す転校生のルーシー(アリシア・パスクアル=ペーニャ)の姿を目の当たりにしたヴィヴィアンは、それまで学校でのアレコレをことなかれ主義でやり過ごしてきたことに違和感を覚え始める。

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あるとき、看護師として働く母親(エイミー・ポーラー;監督も務める)から「私が16歳の時は家父長制を壊すことだけ考えてた」と言われ、当時よく聴いていたらしいビキニ・キルの「Rebel Girl」という曲を教えてもらったヴィヴィアン。そして実家のタンスから古びたスーツケースを見つけ、ライオット・ガール(Riot Grrrl)バンドの曲を聴き男性優位社会や性差別に反発するZINEを作っていた、母のパンクな過去を知って衝撃を受ける。

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心のどこかに抱えていたモヤモヤをズバリ突いてくるような90年代ライオット・ガールのメッセージにガツンと感化されたヴィヴィアンは、男子生徒たちの下品なイタズラにキレた勢いで「モキシー!」と題したZINEを書きなぐり、(キンコーズ的な)印刷屋にGO。さらに翌日、学校のトイレにこっそりそれを置いてみるのだが……。

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ライオット・ガール・ムーブメントとZINEカルチャー

劇中で大フィーチャーされている、というか物語のベースになっているZINEとライオット・ガール・ムーブメントは切っても切り離せない関係で、90年代に形骸化・商業化していたマッチョなパンク/ハードコア・シーンにおける性差別や精神的・肉体的抑圧の改善を訴える女性たちに活用されたのがZINEだった。

紙とペンとコピー機さえあれば、すぐにでも自分の気持ちや広めたいメッセージ、有益な情報や悩みの共有・連帯を届けられるZINEは、結果的にシーン全体がDIY精神を取り戻すきっかけにもなっていく。本作には小道具として貸し出されたものだろうか、「BIKINI KILL」や「Veronica Lodge」といった当時のZINEがチラホラ映っていて、ヴィヴィアンがその内容を引用するシーンも。ちなみに、若かりし母親の写真がビキニ・キルのアー写にエイミー・ポーラーの顔を合成したものだったり、革ジャンには同ムーブメント誕生の地ワシントン州オリンピアを拠点にするインディーレーベル、Kレコードのバッジが光る。

ありがたいことに当時のZINEはいくつかネット上にアーカイブ化されていて、pdfでダウンロードできたりもするので、本作を観て気になった人は色々と探してみるといいだろう。ZINEに登場する固有名詞をチェックすれば当時のシーンにどんなアーティストがいたのかよく分かるし、90年代ドラマや映画に物申している文章などはいま読んでもブレがなくて面白い。その影響は音楽シーンをはじめ現在にも受け継がれているし、フェミニズムという言葉が曲解されがちな日本でも広く認知されるべきムーブメント/カルチャーではないだろうか。

本作は2時間に満たない尺なので、人種問題の掘り下げの浅さなどフェミニズムをテーマに掲げる映画としては気になる部分が多々あるのも事実だが、少なくとも『モキシー!』が関心のきっかけの一つにはなり得るはず。劇中でライブを披露するザ・リンダ・リンダスもぜひチェックしよう!(その名の通り、ザ・ブルーハーツのカバーをしていたりする)。

『モキシー! ~私たちのムーブメント~』はNetflixで独占配信中

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