マーゴット・ロビー製作・主演!『ドリームランド』は麗しき犯罪者と無垢な少年の悲壮な逃避行を描くサスペンスフルな恋物語

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ライター:BANGER!!! 編集部
マーゴット・ロビー製作・主演!『ドリームランド』は麗しき犯罪者と無垢な少年の悲壮な逃避行を描くサスペンスフルな恋物語
『ドリームランド』©2018 DREAMLAND NM,LLC

マーゴのゴージャスで怪しい魅力全開!

これまで様々な形でディーヴァを演じてきたオスカ―女優マーゴット・ロビーが怪しく美しい無法者を熱演し、自らプロデュースも務めた『ドリームランド』が2021年4月9日(金)より公開。指名手配中の銀行強盗アリソンが、米テキサスの田舎町で出逢った17歳の少年と共に逃避行に出るが……というサスペンスフルなラブストーリーだ。

『ドリームランド』©2018 DREAMLAND NM,LLC

もうひとりの主人公である少年ユージンを演じるのは、人気ドラマ『ピーキー・ブラインダーズ』(2013年~)で頭角を現し、ニック・フロスト&サイモン・ペッグの『スローターハウス・ルールズ』(2018年)など数々のドラマ/映画で注目を集める英国出身の新鋭フィン・コール。20代半ばながら見事にティーン男子を演じてみせたフィンは、どこか若い頃のヒース・レジャーの面影も感じるシャープかつ甘いイケメンだ。

田舎町での退屈な毎日に辟易していたユージンは、実家の納屋に逃げ込んできた1万ドルの賞金首であるアリソンと出逢う。1930年代の1万ドルといえば現在とはケタ違いの金額だが、たびたび雑貨屋からくすねては愛読していた探偵コミックのようなシチュエーションが自身に降りかかったこと、そして手負いの犯罪者の怪しい魅力にほだされ(=逃避欲求とギンギンな10代の好奇心によって)、銃創を手当し匿うのだった。

『ドリームランド』©2018 DREAMLAND NM,LLC

麗しき犯罪者と朴訥な少年✕過激な銀行強盗と平凡なド田舎の生活

二人の出会いから逃避行までを描く序盤~中盤までは、もうずっとハラハラしっぱなし。ヘタをするともっさりした昼ドラのようになってしまいそうなシチュエーションではあるが、安っぽくなっていないのはテレンス・マリックを意識したであろう演出と、もちろんマーゴットの存在感のおかげだろう。映像自体はパリッとしたビビッドかつ平面的なもので、30年代ド田舎のカッサカサに乾いた空気感、リアルに再現された家屋や小道具と相まって、観ているだけで喉が渇いてくる。

『ドリームランド』©2018 DREAMLAND NM,LLC

そしてユージンの平凡な人生とのギャップを強調するかのように、アリソンと元パートナーの強盗シークエンスは過剰に色鮮やかなゴージャスさで、とてもスタイリッシュに描かれる(なにしろクラシックなドレスを着たブロンドヘアーのマーゴット・ロビーである)。また、立ちこめる“砂ぼこり”も重要なファクターとなっていて、人が歩けば身体を汚し、車が通れば視界を遮る乾いた砂が田舎町の絶望感を強調。そしてあらゆる生物の生活を根こそぎ奪わんとする巨大な砂嵐(ダストボウル)が人間の無力さを示しつつ、ドラマチックな逃避行物語の起爆剤としても機能している(このあたりもマリックみがある)。

『ドリームランド』©2018 DREAMLAND NM,LLC

あり得たかもしれない『俺たちに明日はない』のアナザーストーリー!?

強盗カップルといえば、どうしても『ボニーとクライド/俺たちに明日はない』(1967年)を連想するが、実際あの名作が本作の前日譚のように思えてくる設定ではある。年上女性の前で背伸びしてしまう強がり男子あるあるは、時代を超えて共感必至だ。そんなユージンを頼りつつも本気度を試すようにコロコロと表情を変えるアリソンも、いわゆる“たらし”であったのだろうとは思うが、秘めた本心が彼女の運命を決めることになる。

『ドリームランド』©2018 DREAMLAND NM,LLC

また、ユージンの勘の鋭い妹ヘザーがなかなか重要な役どころで、彼女の独白によって二人の顛末が語られる形をとっている。とんでもない事件に巻き込まれたユージンの家族の、永遠に変わってしまった境遇を淡々と伝えるヘザーのナレーションが、じわじわと胸を締め付ける。ユージンが幼い頃に家を出ていった父親の美化された記憶、1枚の絵葉書から何度も夢想した“ドリームランド”への憧憬はとても儚く切ない。どうしたって幸せな未来が待っているとは思えないのだが、その結末をぜひ劇場で見届けてほしい。

『ドリームランド』©2018 DREAMLAND NM,LLC

本作は、監督に抜擢されたマイルズ・ジョリス=ペイラフィットが注目されるきっかけとなった青春映画『As You Are(原題)』(日本未公開)とはかけ離れた設定ではあるが、どこか寓話的な演出と若者の感情の機微を捉える手腕は本作にも共通する。なにより長編2作目にして作家性がゴリゴリに出ているあたりは彼の才能を証明していて、マーゴットが現在制作中と思われるリブート版『タンク・ガール』を同監督に任せるらしいところからも、彼への信頼度が窺い知れるだろう。

『ドリームランド』©2018 DREAMLAND NM,LLC

『ドリームランド』は2021年4月9日(金)より新宿武蔵野館ほか全国公開

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『ドリームランド』

1930年代半ば、荒涼としたテキサスに暮らす17歳のユージンは、ある夜、納屋で大ケガを負った女性と出くわす。彼女こそが地元の銀行を襲撃し、警察から追われている強盗犯アリソンだった。危険な人物だと知りながらもアリソンに惹かれるユージンは、彼女を匿うことにする。捜査の包囲網をかわし、自由をつかみ取ろうとするアリソンと、希望に満ちた新天地への憧憬を膨らませるユージン。過酷な現実から逃れるという夢を共有したふたりは、果たして“ドリームランド”へたどり着けるのだろうか……。

制作年: 2019
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