追悼・ラガーフェルド! ファッション界の重鎮に迫るドキュメンタリー作品を配信作品でチェック

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ライター:BANGER!!! 編集部
追悼・ラガーフェルド! ファッション界の重鎮に迫るドキュメンタリー作品を配信作品でチェック
Netflixオリジナルシリーズ『本番まで、あと7日』独占配信中
シャネルやフェンディのデザイナー(アーティスティックディレクター)を長年務めたファッション界の重鎮、カール・ラガーフェルド氏が2019年2月19日に85歳で亡くなった。追悼の意を込めて、動画配信サービスで観られるラガーフェルド関連作品を紹介しよう。

さすがNetflix! シャネルのオートクチュールの舞台裏をスタイリッシュに魅せる

Netflixオリジナルシリーズ『本番まで、あと7日』独占配信中

カール・ラガーフェルドという名前を聞いて、映画ファンはどんなイメージを抱くだろうか? ファッション業界に君臨する帝王? オリジナルなファッションセンスを持つ年齢不詳のデザイナー? 昔の志村けんみたいな髪型のおっさん……? 一体ラガーフェルドとはどんな人物だったのか? NetflixとHuluで配信中のドキュメンタリー作品から、その素顔が垣間見えるかもしれない。

Netflixオリジナル作品『本番まで、あと7日』はタイトル通り、様々なショーやコンテストの本番直前1週間に迫ったドキュメンタリーシリーズ。そのエピソード5「シャネル:ファッションショー」は、シャネルのオートクチュール開催までのドタバタに迫ったドキュメンタリーだ。この巨大ブランドが、多くの人々の尽力によってギリギリ回っていることがよく分かる内容になっている。

Netflixオリジナルシリーズ『本番まで、あと7日』独占配信中

興味深いのはショーの舞台セットの建設で、映画撮影並みに手の込んだセットが徐々に出来上がっていく様子はため息モノ。しかも撮れたてほやほや、2018年春夏のオートクチュールなのでドレスのデザインもフレッシュだし、とにかくため息が出るほど美しい。とはいえ直前までスタッフが奔走するドタバタぶりは何年経っても変わらないらしく、慌ただしく緊張感たっぷりの7日間を追体験することができる。

Netflixオリジナル作品だけあって、俯瞰で見せられたら興ざめしそうなオートクチュールの内側をご開帳しながらもスタイリッシュな映像をキープしているのはさすが。例えば、ダニエル・デイ=ルイスとポール・トーマス・アンダーソン監督のタッグでアカデミー衣装デザイン賞を獲得した『ファントム・スレッド』(2018年)が好きな人は、このドキュメンタリーを観ておいて損はないだろう。

ラガーフェルドが描きまくり語りまくり! な変則ドキュメンタリー

Huluで配信中の『カール・ラガーフェルド スケッチで語る人生』は、ラガーフェルド氏自身が質問に答える形でスケッチブックに次々とイラストを描き殴りつつ、その生い立ちから関わってきたコレクション、人間関係に至るまで語り倒すという変わりダネのドキュメンタリー。当時の写真や映像などは一切なく、ただひたすら氏の流麗なスケッチと語り口だけで50分弱を突っ走る、言うなればラガーフェルド地獄である。

幼少~青年期の思い出とともに描かれる当時のファッションは興味深く、1930年代生まれのラガーフェルドだけに1940~50年当時の流行や風俗が垣間見えてくる。しかも自分だけでなく、両親や学校の先生のファッションまで克明に記憶しているのはさすがだ。ファッションデザイナーの画力はデッサン力などを穿ってしまうものが多いが、氏がリクエストに応えて描くスケッチのまあ素晴らしいこと! 基本的に対象自身が語るドキュメンタリーは反則だなと思いつつ、サクサクと画を描いていく様子だけでも楽しめる作品だ。

ラガーフェルドは、1964年から始まったフェンディ期(今も使われているあのロゴを作ったのはラガーフェルド!)、1982年から始まったシャネル期、いわゆる同期みたいなものだというイヴ・サンローラン、さらにパートナーだったジャック・ド・バシェールについてもガンガン語る(フランスで一番おしゃれな男だったそうな。※80年代末にエイズで死去)。「酔っぱらいと話すのは楽しい」とか言っておきながら「自己破壊の才能がある人には感心する」と補足してしまう皮肉ぶりはドイツ出身の彼らしいか。

同じくHuluで配信中の『サイン・シャネル カール・ラガーフェルドのアトリエ』の舞台は2004年のパリ、クルーズ(春夏~秋冬の中間)コレクション。デッサンからショーに至る過程まで、オートクチュールの全てを見せるドキュメンタリーだ。アトリエのいたるところにカメラを設置し、主要スタッフから刺繍や縁飾り職人まで、ボヤキのような本音(?)を聞くことができる。朗らかながらもプライドを持って仕事をこなす女性たちの姿が印象的だった。Huluでは他にも『フェンディbyカール・ラガーフェルド ~コレクション前夜』も配信中なので、オートクチュールの内側が気になる人は是非ご覧あれ。

いい年して指出しの革グローブをはめてる男なんて、ラガーフェルドか京極夏彦くらいのものだろう。これらのドキュメンタリーを観ても、正直ラガーフェルドの人となりは分からないかもしれない。しかし、ただぼんやりと眺めるだけだったオートクチュールのランウェイを今までとは違った視点で楽しめる様になるはずだ。生前はちょくちょく問題発言をかまして世間を騒がせてきたラガーフェルドの、めんどくさ……もとい、複雑な本音に触れてみよう。

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