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かわいい人形たちがド下ネタ連発!『パペット大騒査線 追憶の紫影』はお子さま厳禁の汚ネタ版セサミストリート

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ライター:#BANGER!!! 編集部
かわいい人形たちがド下ネタ連発!『パペット大騒査線 追憶の紫影』はお子さま厳禁の汚ネタ版セサミストリート
『パペット大騒査線 追憶の紫影(パープル・シャドー)』© 2018 STX PRODUCTIONS, LLC. All Rights Reserved.
コメディ女王メリッサ・マッカーシーが相方のパペット刑事(デカ)とドッタバタの大騒ぎ! 本国では当たり前のようにR指定となった超問題作が、なんと日本ではPG12指定で公開です!! 大丈夫か!?

祝!? 主演メリッサ・マッカーシーがラジー賞を獲得!

『パペット大騒査線 追憶の紫影(パープル・シャドー)』© 2018 STX PRODUCTIONS, LLC. All Rights Reserved.

2019年2月22日(金)から公開中の『パペット大騒査線 追憶の紫影(パープル・シャドー)』が、最低映画を決める<ゴールデンラズベリー賞(ラジー賞)>で最低主演女優賞を受賞。世界中で賛否両論を巻き起こしている超問題作だが、とにかくお下劣なネタで爆笑したい! という方には絶対に観ていただきたいサイテー映画だ(褒めてます)。

その最低女優……もとい人間側の主人公コニー刑事を演じるのは、『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』(2011年)や『ゴーストバスターズ』(2016年)で、いまやハリウッドを代表する爆笑女王となったメリッサ・マッカーシー。というか、彼女がアカデミー/ゴールデングローブ賞の両方で主演女優賞にノミネートされた『ある女流作家の罪と罰』(2018年)はDVDスルーなのに、なぜこれが劇場公開……? と疑問に思うファンは少なくないだろう。いや、ごもっともです! なんで!!??

パペットじゃなきゃ絶対無理! なゲス描写の数々

『パペット大騒査線 追憶の紫影(パープル・シャドー)』© 2018 STX PRODUCTIONS, LLC. All Rights Reserved.

とはいえ本作が面白くないのかといえば全くそんなことはなく、下ネタが超苦手な方以外は間違いなく爆笑できるはず。パペットでなければ映画化不可能であろうギリギリの下ネタ&不謹慎ネタを、まさに汚ネタ版セサミストリートといった感じのゲスかわいいパペットたちが、文字通り体を張って熱演してくれている。パペットと人間の比率は7:3くらいで、「セサミストリート」などを観ていた世代は懐かしさを感じるだろうし、「マペット放送局」を観て育った平成生まれの若者にも抵抗なく受け入れられるだろう。

そんなパペット側の主人公は、かつてパペット初の警察官としてコニーの相棒を務めていたフィル。とある理由で現在は探偵業を営んでおり、この元相棒同士が確執を超えて再タッグを組むところから物語が進んでいく。謎の連続殺人鬼の登場によって利害が一致し、いがみ合いながらも捜査を進めていく……という展開こそ王道だが、なにしろパペットが当たり前のように存在している世界である。まずはこの『ロジャー・ラビット』(1988年)のような設定をスッと受け入れられるかどうかが、映画ファンとしての器が試されるところだ。

伝説の人形使いジム・ヘンソンの息子が初監督を務める!

『パペット大騒査線 追憶の紫影(パープル・シャドー)』© 2018 STX PRODUCTIONS, LLC. All Rights Reserved.

監督を務めるのは「セサミ~」や「マペット・ショー」で知られる人形師ジム・ヘンソンの息子、ブライアン・ヘンソン。父ジムが監督した『マペットの大冒険/宝石泥棒をつかまえろ!』(1981年)の制作に関わって以後、数多くのパペット作品を世に送り出してきた偉人である。ということは今回、父親と共に築き上げてきたものを全部ぶっ壊したのか!? と思いきや、劇中でゲスい下ネタを放つカニの人形の声をあてているのが、誰あろう父ジムだった。親子揃ってノリが良いというか、ジムがもともと大人向けの人形劇を志向していたというのも納得だ。

ご存知『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのピーター・ジャクソン監督の初期作『ミート・ザ・フィーブルズ/怒りのヒポポタマス』(1989年)や、「サウスパーク」のトレイ・パーカーによる『チーム★アメリカ/ワールドポリス』(2004年)なんかが好きな人には是非オススメしたいのだが、そのへんの作品と最も異なるのがパペットの“かわいらしさ”だ。殺人事件もハードなセックスシーンも、布と綿でできた“ふわっふわ”のキャラクターが演じているものだから、もれなくかわいらしいのである。

コメディ界の2大巨塔、メリッサとマーヤの掛け合いは爆笑必至!

『パペット大騒査線 追憶の紫影(パープル・シャドー)』© 2018 STX PRODUCTIONS, LLC. All Rights Reserved.

また、人間側のキャストもエリザベス・バンクスやジョエル・マクヘイル、そしてマーヤ・ルドルフといった一流コメディ勢が参加。特にマーヤ演じるバブルスは、二級市民として迫害の対象になっているパペットを一切差別しない、この世界における良心のようなキャラクターだ。しかもメリッサとの共演シーンでは、どこまでが台本なのかアドリブなのかわからないほどしつこ~いやりとりで爆笑させてくれる。『ブライズメイズ~』のほか『ライフ・オブ・ザ・パーティー』(2018年)でも共演したこの最強コンビが再び揃った時点で、コメディ好きとしては絶対にスルーできないだろう。

劇中では『氷の微笑』(1992年)のベタなオマージュなども盛り込まれていて、これが後の展開への重要(かつ下品)な振りになっていたりするのでお見逃しなく。ちなみに100体以上のパペットが使用されたそうだが、その中にはジム・ヘンソンの過去作品のパペットたちも数十体ほど再利用されているんだとか。エンドロールで流れるビハインド・ザ・シーンからは、人間とパペットを違和感なく共演させる撮影の苦労が伺い知れる。

当然ながらパペットの存在は現実社会の様々な問題を映し出すメタファーになっていて、ひどい差別を受けているだけでなく、それぞれ過去に悩んだり薬物に依存したりと、設定だけ見ればかなりヘビーな内容だ。下ネタやラジー賞云々の話題が先行してはいるが(実際ここでもしているのだが)、子ども向けパペット作品とは一線を画すために新たなスタジオまで作ったというエピソードからも、制作側の意気込みが感じられた。

『パペット大騒査線 追憶の紫影(パープル・シャドー)』は2019年2月22日(金)よりシネクイントほか全国ロードショー

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『パペット大騒査線 追憶の紫影(パープル・シャドー)』

人間とパペットが共存する世界で、不可解なパペット連続殺人事件が発生。通報を受けたロス市警からフィルのかつての相棒でおばさん刑事コニーが捜査に乗り出し、二人で事件の捜査に挑むことになるが…この事件にはある陰謀が隠されていた!!

制作年: 2018
監督:
出演: