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年に1度はロサンゼルスを壊滅させる! アサイラム製『エンド・オブ・カリフォルニア』は無数の“粗”が面白さを生み出す怪作!

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ライター:#知的風ハット
年に1度はロサンゼルスを壊滅させる! アサイラム製『エンド・オブ・カリフォルニア』は無数の“粗”が面白さを生み出す怪作!
『エンド・オブ・カリフォルニア』発売中
価格:¥4,800+税
発売:アルバトロス

オープニングの時点でロサンゼルスが壊滅済み!

少なくとも1年に1度はロサンゼルスが壊滅する映画を撮影しないと気が済まないらしいことでおなじみの映画製作スタジオ、アサイラム。そんなアサイラム社がまたしても、ロサンゼルスが滅びるディザスター・ムービーに手をつけた。その名は『エンド・オブ・カリフォルニア』(2019年)。原題は『SAN ANDREAS MEGA QUAKE』だ。

『エンド・オブ・カリフォルニア』©2019 NAKI LAUNDRY, LLC. All Rights Reserved.

これまでにも、やれ『カリフォルニア・ディストラクション』(2015年)だの『ジオディザスター』(2017年)だの『エンド・オブ・アース 地球最期の日』(2018年)だのと、ほぼほぼ似たような筋書きでとりあえずロサンゼルスが滅びたり滅びなかったりするアサイラム作品を何本も紹介してきたが、なんと本作では「オープニングの時点ですでにロサンゼルスが壊滅済み」という、アサイラム製ディザスター・パニックらしからぬ異例の話の早さを見せている。

というわけで今回は、そんな『エンド・オブ・カリフォルニア』を紹介していこう。

『エンド・オブ・カリフォルニア』©2019 NAKI LAUNDRY, LLC. All Rights Reserved.

マグニチュード12.7!? 対地震装置<地震砲>でカリフォルニアを救え!!

マグニチュード12.7という記録的な数値を叩き出したサンアンドレアス大地震により、ロサンゼルスは壊滅。軍が総力を挙げて復旧作業に取り組む中、連鎖的に発生した巨大地震(メガ・クエイク)が、カリフォルニア州を破滅に導く。

地震学者のヤンは、予想される未曽有の大災害を食い止めるには、彼が妻と共同開発した対地震装置<地震砲>を使用するほかにないと決断。かつて国防総省が地震砲を兵器化したことに怒り、夫のヤンや軍で働く娘のイングリッドとは別れていた妻のデボラだったが、この緊急事態を前に再び一致団結。地震砲の地震波動を震源に放射してメガ・クエイクを消し去るべく、軍や地震情報センターの職員と連携して行動を開始する。

『エンド・オブ・カリフォルニア』©2019 NAKI LAUNDRY, LLC. All Rights Reserved.

だが地震砲の移送中、断続的に続く地震の影響で、肝心の装置が故障。ヤンとデボラが震源近くで頭を抱えていた頃、時を同じくして任務中にロサンゼルスの廃墟に取り残されてしまったイングリッドは、逃げ遅れた一般人と共に絶体絶命の危機に追いやられていた。

果たして一同は、算出されたタイムリミットまでになんらかの手を打ち、カリフォルニアの崩壊を食い止めることができるのだろうか……。というのが本作の概要である。

『エンド・オブ・カリフォルニア』©2019 NAKI LAUNDRY, LLC. All Rights Reserved.

主演はジョセフ・マイケル・ハリス。上述の『エンド・オブ・アース 地球最期の日』や、かつて紹介させていただいた『ジュラシック・ユニバース ダーク・キングダム』(2018年)及び『エアポート2018』(2018年)、さらには『アトランティック・リム』(2018年)などのアサイラム作品にことごとく出演している常連だ。また、サブヒロインの地震学者を演じるリズ・フェニングも、やはり『エアポート2018』に出演している。

『エンド・オブ・カリフォルニア』©2019 NAKI LAUNDRY, LLC. All Rights Reserved.

粗だらけ“だからこそ”面白さを感じる、不思議なアサイラム作品!

とにかく大味な作りが特徴的なディザスター物である。“州で屈指の耐震性能を誇る地震情報センター”とやらを大地震であっけなく倒壊させておきながら、“その地震情報センター周りに並ぶ背景の建築物は傷ひとつなく平然と建ったまま”というシーンなどが、この映画の作風を象徴していると言っていいだろう。

『エンド・オブ・カリフォルニア』©2019 NAKI LAUNDRY, LLC. All Rights Reserved.

登場人物は、明らかに場違いな私情や、ちょっとした判断ミスから発作的に内輪揉めしはじめたかと思えば、別のシーンでは一転して懐の深い人格者風に他者の口論を諌めたりと、キャラクターの人としての器が場面ごとに伸縮自在の四次元ポケットめいている。

『エンド・オブ・カリフォルニア』©2019 NAKI LAUNDRY, LLC. All Rights Reserved.

序盤から、さも大事そうに繰り返し語られる超テクノロジーの“地震砲”は、諸事情により結局なんの役にも立たずフェードアウトするわ、序盤に匂わされていた主人公とサブヒロインの三角関係は、後半になるとうやむやの内に忘れ去られている。

作品内において、自動車事故2回とヘリコプターの墜落2回、そして地割れによる転落1回などのアクシデントに複数回巻き込まれながらも、その都度五体満足でピンピンしながら復帰してくるヒロインのタフさも必見だ。

『エンド・オブ・カリフォルニア』©2019 NAKI LAUNDRY, LLC. All Rights Reserved.

とまあ、いつにも増して粗だらけのアサイラム作品というわけだが、不思議なことに“だからこそ面白さを感じた箇所”も多く、少なくともこれまでに紹介してきたアサイラム製ディザスターの中では、個人的に最も楽しめた一本である。たびたび見受けられるツッコみどころの数々を、どこまで許容しどう受け止めるかによって、本作の評価はまるきり変わってくるに違いない。

『エンド・オブ・カリフォルニア』©2019 NAKI LAUNDRY, LLC. All Rights Reserved.

今回もやはり万人に薦められる映画とは言い難いにせよ、アサイラム作品のファンならば観ておいて損はないだろう。

『エンド・オブ・カリフォルニア』はCS映画専門チャンネル ムービープラスで2021年1月放送

文:知的風ハット

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『エンド・オブ・カリフォルニア』

マグニチュード12.7の大地震が発生し、ロサンゼルスが壊滅。その後もやむことなく連鎖する地震に、人々はパニックに陥る。サンアンドレアス断層で進行する異変を調査していた地震学者のヤンは、12時間後に超巨大地震“メガ・クエイク”が発生し、カリフォルニアが海に沈没することを予測する。

制作年: 2019
監督:
出演: