中村アンの理想のプロポーズは?「朝起きたら……」 女優としての新境地を見せる『名も無き世界のエンドロール』で深まった演技への想い

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ライター:BANGER!!! 編集部
中村アンの理想のプロポーズは?「朝起きたら……」 女優としての新境地を見せる『名も無き世界のエンドロール』で深まった演技への想い
中村アン『名も無き世界のエンドロール』

女優・中村アン、岩田剛典&新田真剣佑と堂々共演!

岩田剛典と新田真剣佑の初共演でも話題の映画『名も無き世界のエンドロール』が、2021年1月29日(金)より公開される。第25回小説すばる新人賞を受賞した行成薫による同名小説を原作とする本作。監督を務めたのは、『キサラギ』(2007年)で第31回日本アカデミー賞優秀監督賞などを受賞した佐藤祐市だ。

『名も無き世界のエンドロール』©行成薫/集英社 ©映画「名も無き世界のエンドロール」製作委員会

強い絆で結ばれた幼馴染みのキダ(岩田)とマコト(新田)は、やがてそれぞれ裏と表の世界に身を投じる。二人は10年もの歳月をかけ、住む世界の違うある女性に近づき壮大なプロポーズ計画を企てていた。ラストに待ち受ける“この世界の終わり”とは――。

本作の物語のカギを握るのが、中村アン演じる政治家の娘であり人気モデルのリサ。女優として映画やテレビドラマへと活躍の場を広げている中村は、本作のリサ役ではこれまでに見せたことのない迫真の演技で各方面から注目を集めている。そんな中村が、自身でも驚いたという新たな自己表現や、リサを通して広がった演技の幅について語ってくれた。

『名も無き世界のエンドロール』©行成薫/集英社 ©映画「名も無き世界のエンドロール」製作委員会

初めて“感情をさらけ出す”役に挑戦!

―最初にリサを演じることになった時の心境を教えてください。

お芝居を始めてから5年くらい経ちましたが、今までこんなに感情をさらけ出す役を演じたことがなかったので、すごく不安が大きかったんです。また、もともとリサの年齢設定が私の実年齢より若かったこともあり、撮影前には監督に「私に演じられるか、少し不安です」とお伝えしました。作中では10年という月日が経つので、振り幅を見せるためにも、最初はキャピキャピした若さが必要かなとも思っていたんですよね。言葉遣いなどに無理が出ないかな、と。でも監督は「素直に演じれば大丈夫!」と背中を押してくれたんです。私自身、リサを演じることは自分が変わるチャンスだと強く思えて、殻を破るつもりで前向きにトライできました。

―リサという人物についてはどう思いますか?

彼女は太い軸として、何に関しても「私は悪くない」という信念を持っています。裕福な家庭で育った人気モデルだけど、悪いことをしてもその自覚を持たずに生きている。でも他人に利用されることもあって、意外と誰にも愛されていない人だなとも思いました。本人もそれを理解しつつもチヤホヤしてもらえるし、「私は悪くない」から、それを受け止めて生きている。そういう、居場所がどこにもない切なさを持った女性とも捉えました。

私自身も「居場所がない」という感覚は、芸能のお仕事を始めた時にすごく感じていたんです。25歳くらいまでは、まだ自分をどう伝えたらいいのかわからなくて、「中村アンはこういう者です」という名刺もなかった。今もあるのかはわからないですけど、世間的なイメージが作られる前の時間は何者でもなくて、居場所のなさを感じていたと思います。彼女もただお金持ちの家に生まれたというだけで、実は何者でもない。そういう寂しさや切なさに共感しました。

中村アン『名も無き世界のエンドロール』

「やっぱりお芝居って楽しい」という強い手応え

―最後の20分間でリサは感情を爆発させますよね。撮影秘話があれば教えてください。

時系列に沿った撮影だったので、感情もうまく作れたと思います。でも、やっぱり難しかった。私生活でも激しく怒ることはほとんどなくて、なるべく穏やかに平和に過ごしたいと思っているので(笑)。だから撮影前は、日常生活における“怒りのヒント”を集めていましたね。こういうことをされたとか、人に言っても伝わらなかったとか、本当に些細なことでも日常の感情を無視しないようにして、そのヒントを集めて撮影に活かしていました。

いつも長いセリフは台本に書いて覚える作業をしているんです。今回も終盤に長いセリフがあったんですが、撮影では監督から「もっと! もっと!」と要求されたこともあり、今のパワーや気持ちを大事にして、台本をあまり意識せずに演じました。広い空間で相手と距離はあるんですが、実際に取っ組み合いをしている感覚でやっていましたね。対峙する新田さんからも強いパワーが感じられたので、引き込んでいただいた部分もありました。

『名も無き世界のエンドロール』©行成薫/集英社 ©映画「名も無き世界のエンドロール」製作委員会

―完成試写でご自身の演技を見て、どう感じましたか?

今まで怒った時の自分の表情を知らなかったので、「こんな表情するんだ!」と驚きましたね。自分なんだけど、自分じゃない感覚。公開されたら1人でしっかり見直したいと思っています。映画館の大画面で改めて迫力を感じたいですね。

『名も無き世界のエンドロール』©行成薫/集英社 ©映画「名も無き世界のエンドロール」製作委員会

―女優として本作から得られたものはありますか?

私の中で、とても達成感のあった作品です。リサを演じることができて、お芝居を楽しいと感じる手応えがありました。今まではなんとなく役に入りきれていないというか、“中村アン”というパブリックなイメージに寄り添ってきた気がしていたので、この作品が終わってからは吹っ切れた感じがありました。自分の演技において大きなターニングポイントになった作品だなと、改めて思いますね。

ドラマや映画ではたくさんの俳優さんや女優さんとお会いして、いろいろな刺激を受けます。今までは「自分としては表情を頑張ったつもりなのに、全然そう映ってないな」ということもありました。でも、あまりやりすぎると嘘っぽい。お芝居は相手から受ける刺激が大きいということを改めて感じられた作品でしたね。

中村アン『名も無き世界のエンドロール』

「必要とされたい。求められないと意味がない仕事だから」

―新田さんとの共演シーンが多かったと思いますが、印象的なエピソードはありますか?

とにかく集中力がすごくて、真っ直ぐな方でしたね。待ち時間はとてもリラックスされているんですが、撮影が始まった時の切り替えがすごかったです。24歳という等身大の若者の無邪気さもあるのに、私より年上に見える時もある。不思議な魅力を持った方ですね。

二人でソファに座ってワインを飲みながら談笑するシーンは、台本がなくてアドリブだったんです。「明日、デート行く?」「行く~!」みたいな(笑)。台本上のセリフがないからこそリアルで、すごく緊張した撮影でしたね。

『名も無き世界のエンドロール』©行成薫/集英社 ©映画「名も無き世界のエンドロール」製作委員会

―「忘れられるのが怖い」というのが本作における1つのテーマですよね。中村さんも「忘れられるのが怖い」と思うことはありますか?

このお仕事をしていれば確かに忘れられたら悲しいのですが、個人的には「もう、私のことなんか忘れてください」っていう時もたくさんあります(笑)。でも忘れられるって、関心がないってことじゃないですか。誰にも何にも刺さっていない。このお仕事をする上で、私のことを好きか嫌いかは置いておいて、どうにか関心を持ってもらうことを大事にしてきた部分はあります。ただ、そればかり気にしているのも良くないので、ある程度は自然に任せたい。私は忘れられることよりも、求められなくなることのほうがつらいかな。求められないと意味がない仕事だから。必要とされたい、という気持ちのほうが強いですね。

中村アン『名も無き世界のエンドロール』

理想のプロポーズは? 派手なサプライズは苦手!?

―劇中キダとマコトが、あるプロポーズ計画を企てます。中村さんの理想のプロポーズは?

昔は結婚指輪をパカっと開いてくれるようなプロポーズに憧れていました。でも、もう33歳になったので、そういう映画っぽいことは別にいいかなと(笑)。派手なサプライズがすごく苦手なんですよね。だから、普段ご飯を食べている時に言われたり、朝起きたら指輪があったりとか、自然な流れが理想です。

『名も無き世界のエンドロール』©行成薫/集英社 ©映画「名も無き世界のエンドロール」製作委員会

―最後に『名も無き世界のエンドロール』をご覧になる皆さんにメッセージをお願いします。

衝撃的なお話なんですが、登場人物ひとりひとりの心境も濃く描かれている作品です。また映画を観終わった後も、余韻が長く楽しめると思います。観た後に何を思うかは人それぞれではありますが、期待を裏切らないのでぜひ楽しんでください。最後の20分間の演技を見てほしいです!

中村アン『名も無き世界のエンドロール』

撮影:落合由夏

『名も無き世界のエンドロール』は2021年1月29日(金)より全国公開

「Re:名も無き世界のエンドロール ~Half a year later~」は映像配信サービス・dTVで2021年1月29日(金)より独占配信(全3話)

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『名も無き世界のエンドロール』

複雑な家庭環境で育ち、さみしさを抱えて生きてきたキダとマコトは幼馴染み。そこに同じ境遇の転校生・ヨッチも加わり、3人は支え合いながら家族よりも大切な仲間となった。しかし20歳の時、訳あってヨッチは2人の元から突然いなくなってしまう。

そんな彼らの元に、政治家令嬢で、芸能界で活躍するトップモデルのリサが現れる。リサに異常な興味を持ったマコトは、食事に誘うが、全く相手にされない。キダは「住む世界が違うから諦めろ」と忠告するが、マコトは仕事を辞めて忽然と姿を消してしまう。

2年後。マコトを捜すために裏社会にまで潜り込んだキダは、ようやく再会を果たす。マコトは、リサにふさわしい男になるために、死に物狂いで金を稼いでいた。マコトの執念とその理由を知ったキダは、親友のため命をかけて協力することを誓う。以来、キダは〈交渉屋〉として、マコトは〈会社経営者〉として、裏と表の社会でのし上がっていく。そして、迎えたクリスマス・イブの夜。マコトはキダの力を借りてプロポーズを決行しようとする。

しかし実はそれは、10年もの歳月を費やして2人が企てた、日本中を巻き込む“ある壮大な計画”だった─。

制作年: 2021
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