オスカー俳優クリストフ・ヴァルツ「NO!NO!NO!アリータはピノキオやフランケンシュタインではない!」『アリータ:バトル・エンジェル』を語る

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ライター:BANGER!!! 編集部
オスカー俳優クリストフ・ヴァルツ「NO!NO!NO!アリータはピノキオやフランケンシュタインではない!」『アリータ:バトル・エンジェル』を語る
『アリータ:バトル・エンジェル』© 2018 Twentieth Century Fox Film Corporation
『アバター』『タイタニック』のジェームズ・キャメロンが手掛けた『アリータ:バトル・エンジェル』。本作で、主人公アリータの父親代わりとなるイド博士を演じたクリストフ・ヴァルツが初来日を果たし、本作についてたっぷり語ってくれた。

最先端テクノロジーよりも、物語の心臓部(ハート)が大切

『アリータ:バトル・エンジェル』© 2018 Twentieth Century Fox Film Corporation

―初来日ということですが、滞在中楽しみにしていることはありますか?

滞在期間中に1日だけ休みがあって、それをとても楽しみにしているよ。日本に来る前に、色々調べて計画してきたからね。博物館で日本刀を観たいし、根津美術館に行こうと思っている。そして、一番の楽しみは歌舞伎だね!約35年前かな?ヨーロッパで歌舞伎の公演を初めて観たんだ。とにかく、日本に来て歌舞伎を観たかったんだよ(笑)。

『アリータ:バトル・エンジェル』© 2018 Twentieth Century Fox Film Corporation

―イドを演じた際の帽子と眼鏡姿がとてもお似合いでした。今回の役作りについて教えてください。

ありがとう!素敵な帽子だよね。眼鏡は普段からかけているんだ(胸ポケットから眼鏡を取り出し、かける)。漫画の中で存在するキャラクターを演じる時に、全く同じ風貌にしなくてもいいと思っているんだ。漫画と映画は違うものだし、漫画で光る部分が映画でも魅力的かというと一概にはそうとも言えない。あまりにも有名なキャラクターであれば、そのキャラクターだとすぐ分かるように特徴を表現した方がいい場合もあるかもしれないけどね。私が演じたイドは漫画で眼鏡が印象的なので、眼鏡をかけることにしたんだ。

―鉄屑の山から命(アリータ)が発見され、成長していくというコンセプトに惹かれました。

私もそのコンセプトが気に入っていて、そこに着目してくれて嬉しいよ。他のインタビューで、「アリータは、ピノキオやフランケンシュタインなのか?」という質問を受けてきたんだ。NO!NO!NO!全く違うんだよ。ピノキオは手作りされたものが奇跡的に命を宿し、フランケンシュタインは、死体に電撃が与えられ、どこから来たかわからないけど命を得るんだ。アリータは、明確にその2つと異なっていて、生命が発見され、成長していく現実味のある設定なんだ。『アリータ~』は、今の時代や世界、社会に通じるものを描いていて、政治的な論点で語ることもできる。映画として社会的な責任を果たしているところが好きなだね。

『アリータ:バトル・エンジェル』© 2018 Twentieth Century Fox Film Corporation

―鉄屑とテクノロジーが絶妙なバランスで表現された街並みについて、どんな印象を持ちましたか?

製作陣から、撮影前にコンセプトアートを見せてもらい、アイアンシティがどんな街なのか説明してもらったんだ。計画の全貌を知ることで、彼らが役者になにを求めているのか分かる。監督のロバート・ロドリゲス自らデザイン画を描いて、セットやCGで美しい街を具現化したんだ。完成した映画を観たが、私の想像を遥かに超える強烈なものだったよ。アイアンシティのような世界は、今までの映画にはなかったと思う。ただ、忘れてはいけないのが、圧倒的なビジュアルや最先端のテクノロジー、スペクタクルなアクションシーンは物語を語るためにあるということ。コンピューターで何が出来るかではなく、何を伝えたいかという物語の心臓部(ハート)が何よりも大切なんだ。

『アリータ:バトル・エンジェル』© 2018 Twentieth Century Fox Film Corporation

―登場人物の苦悩や葛藤、成長などが物語の中で描かれていますが、物語をどう捉えていますか?

この作品は、たくさんの物語が絨毯のように見事に織り込まれている。初恋であったり、世界を発見する冒険であったり、親子や師弟関係も描かれているんだ。そういった感情的な物語も魅力的だ。繰り返しになるが、個人的には今の時代を映しだしている物語のコアな部分に魅了されたね。社会が、貧富の差などで両極化し、繋がりを失っている。社会的に地位を得たものから、そうでない者へのプレッシャーが強まってきているように思うんだ。私は、映画はポップコーンを食べながら五感を刺激する娯楽としてだけなく、政治的・社会的に訴える要素も大切だと思う。その点で、『アリータ~』は社会的な責任を果たしている映画なので、現代とリンクする部分を感じ取って楽しんで観てもらえると嬉しい。

クリストフ・ヴァルツ/『アリータ:バトル・エンジェル』© 2018 Twentieth Century Fox Film Corporation

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『アリータ:バトル・エンジェル』

サイバネ医師イドの手によって、瓦礫の中から拾い上げられたサイボーグの少女アリータ。彼女は過去の記憶をすべて失っていたが、やがて自分の中に眠る最強の戦士としての素質に目覚めていく。人間の心と最強の体を持つアリータの世界を変える旅が始まるー。

制作年: 2018
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脚本:
音楽:
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