深刻ぶる必要なし!『アクアマン』はひたすら胸踊る闘いを堪能せよ!

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ライター:橋本宗洋
深刻ぶる必要なし!『アクアマン』はひたすら胸踊る闘いを堪能せよ!
『アクアマン』© 2018 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved” “TM & ©DC Comics”
DCコミック映画の新たな幕開けを告げる快作『アクアマン』が2019年2月8日(金)から、いよいよ日本公開スタート! ザック・スナイダー監督が主導してきたダークなDCコミック世界から大きく飛躍した、ジェームズ・ワン監督によるハイテンション&極彩色のアッパーな世界観に、格闘ライター・橋本宗洋氏も太鼓判!!

何がいいって、とにかく明るい!

『アクアマン』 © 2018 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved “TM & cDC Comics”

DCコミック映画の最新作『アクアマン』は、カッコいいヒーローが胸踊る冒険と闘いを繰り広げる映画だ。あえて言うが、それ以上でも以下でもない。それでいいし、そこがいい。

地上人と海底人の“ハーフ”にしてアトランティス王家の血筋、ジェイソン・モモア演じるアクアマンが何しろ魅力的だ。アクションは豪快、テンポは軽快。海底王国のビジュアルも素晴らしい。

いや、何がいいって明るいのである。モモアいわく「この男(アクアマン)は片時もユーモアを忘れない。命がけで戦っている最中でもね」。ここが本当に大事なところで、クリストファー・ノーラン以降のDC映画に足りなかった部分なのだ。

マンガだから、現実にはありえないから面白いということもある

『アクアマン』 © 2018 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved “TM & cDC Comics”

ティム・バートンの『バットマン』(1989年)もそうだったが、DC映画はフランク・ミラーの「バットマン:ダークナイト・リターンズ」の影響下にある。ダークな雰囲気、リアルな設定と深いドラマ性。それは“大人の鑑賞に耐えうる”世界であり、だからこそ大作実写映画化も進んだ。バートンもキャラクターに深い陰影を加えた。

とはいえコミック原作だ。そんなにリアルなドラマにこだわりたいなら、バットマンが題材である必要もない(商売上の理由を除けば)。マンガだから、現実にはありえないから面白いということもあるはずで、たとえばバートン版、ジャック・ニコルソンのジョーカーにはバカバカしい楽しさもあった。『バットマン・リターンズ』(1992年)の巨大なアヒルのおもちゃ、武装ペンギンの行進はコミック原作だからこその画の力があり、それゆえに物悲しかったのだ。

ノーラン版バットマンはリアルだったしドラマ性が高かった。ヒース・レジャーのジョーカーも確かによかった。でも見ていて「じゃあもうバットマンじゃなくていいじゃん。オリジナルの犯罪もの作れば?」と思ったりもしたのである。

『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(2016年)や『ジャスティス・リーグ』(2017年)になると、もはや“ダークであること”自体が目的になっているように見えた。何かもう、暗ければそれでいいのかという。それって結局、コミックが好きではないんじゃないか。

リアルじゃなくてもダークじゃなくても、ドラマは描ける

『アクアマン』 © 2018 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved “TM & cDC Comics”

と、そういう不満があったところで気合いを入れ直したということか。『ワンダーウーマン』(2017年)で逆襲開始、そして『アクアマン』である。主人公はアトランティス王家の末裔。リアルに、ダークにしようにも限界ってもんがある。それにリアルじゃなくてもダークじゃなくても、ドラマは描ける。深刻ぶる必要なんてないってことだ。

アトランティスのデザインに至っては、画面そのものが明るい。モチーフは「生物発光という現象や蛍光を発するサンゴ」とのこと。こちらとしては、とにかく目を奪われていればいい。それでも登場人物の心情はしっかり伝わる。脇を固めるのはニコール・キッドマンにウィレム・デフォー、加えていま最も旬な俳優と化したドルフ・ラングレン。隙なしの布陣と言っていいだろう。

日本での宣伝展開も、ジェームズ・ワンを『ワイルド・スピード SKY MISSION』(2015年)の監督として押し出し、海中バトルを強調。頭よく見られようという気が皆無なのも正解だ。これまでのDCヒーローが性格俳優志向だったとすれば、アクアマンは千両役者。ラストカットには思わず拍手したくなる。

『アクアマン』は2019年2月8日(金)より全国ロードショー

 

『アクアマン』

海底の奥深くから、人類の征服を目論む未知の世界が攻めてくる!未知の文明と最狂の巨大海底モンスターたちを携えたアトランティス帝国の王に立ち向かえるのはただひとり。海の生物すべてを味方にできる男、アクアマン。人間として育てられながらも海底帝国の血を引くこの男は、規格外の能力を秘めていた。人類を襲う未曽有の脅威と、どう戦うのか!?

制作年: 2018
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